トタン屋根の種類。
トタン瓦棒屋根の葺き替え例。亜鉛メッキ鋼板⇒ガルバリウム鋼板の嵌合式立平葺きへ
トタン屋根には、タルキ(垂木)が有り・無しの2タイプあります。
1:一般的なトタン屋根(瓦棒屋根=桟葺き)
(高くなった所にタルキが入っている)
雨水が侵入し易く中のタルキが腐り易いが、傷んだ部分だけを修理することも可能です。
2:三晃式トタン屋根(芯木なし瓦棒屋根)
(高くなった所にタルキが入っていない)
一般的なトタン屋根と似ていますが、高くなった部分の端々が高くなっていて、中が空洞になっていて雨漏りしにくくなっています。
一般的なトタン屋根より、さらに勾配の緩い屋根にも適しています。
トタン屋根は工事できる業者でも、この三晃式トタン屋根を工事できる業者は非常に少数です。
横葺きタイプの金属屋根をお使いの場合は、⇒ガルバリウム鋼板をご覧下さい。
トタン屋根の修理方法(原因・問題点・対応策)
【トタン瓦棒(瓦棒葺き)屋根の構造、役物部材の名前】 左から順に⇒ ➊軒先唐草 ❷鼻隠し ❸ ドブ(溝板=低い部分) ❹カッパ(高い部分) ❺棟包み |
➊・❷:軒先唐草・鼻隠し(雨水侵入による木材の腐り)
(軒先唐草は、水切り=スターターとも言います)
原因:軒先まわりの役物(軒先唐草・鼻隠カバー・トタン本体・カッパ)の隙間からの雨水が侵入。
問題点:役物の隙間から入り込んだ雨水や雨樋に跳ね返った雨水で野地板(下地)が腐ります。
対応策:修理が可能な場合もありますが基本的には葺き替えが必要です。
軒先から入り込んだ雨が屋根の骨組みまで腐らせてしまい葺き替えることになりました。施工例
修理と呼べない屋根修理。
1:前回の修理業者は鼻隠しを付けずにカッパのみを取り換え。(専門業者でなかった)
カッパの先端部分を中途半端に折り返しただけの素人工事、ただのボロ隠しだっため雨水の侵入を止められず傷みがさらに進行しました。
2:そのため軒先部分は、屋根材下にある野地板を腐らせてしまい軒先唐草も外れていました。
3:全て撤去して屋根を葺き替えに。
❸・❹:ドブ・カッパ(トタンの腐食とタルキ=木材の腐り)
原因:経年劣化。塗装間隔が長かったり、ドブとカッパの重なる細部まできちんと塗装されていなかった等。
問題点:雨水が入り込んで内部の木材を腐らせます。
対応策:部分取り換えが可能な場合もありますが、範囲が広い場合は全面葺き替えが必要です。
部分修理が可能でした。
「他業者から屋根の全面葺き替えが必要!」と言われ当サイトへ。
専門業者であれば部分修理が可能です。
①:カッパ(高くなった所)の取り換え修理。痛みのひどい部分のみ1本単位での取り換えが可能。
②:ドブ(低くなった所)の修理。傷んだドブを1枚単位で取り換え、カッパも新しくしました。
全面葺き替えが必要になった例。
原因:経年劣化。
問題点:カッパとドブの重ね部分から毛細管現象によって雨水侵入。
対応策:修理を繰り返し、全体的に傷んでいたため全面葺き替えが必要でした。
いい加減な修理を繰り返された結果、カッパ内部(高くなった所)のタルキは腐り、軒先部分は野地板と広小舞まで腐っていたため全て葺き替えました。施工例
❺:棟包み。(内部にある笠木の腐り、棟包みの飛散)
原因:経年劣化により棟内部の木材まで腐食。
問題点:雨漏り原因だけになるだけでなく、台風や強風で剥がれ飛びます。
対応策:基本的には修理でOKですが、他の症状がある場合は葺き替えが必要な場合もあります。
屋根全体は、あまり傷んでいないため腐った笠木と棟包のみ交換しました。
谷廻りからの雨漏り。
原因:谷樋廻りからの雨水侵入。
問題点:下地(野地板)まで腐らせる原因になります。
対応策:修理するには広範囲に屋根を剥がす必要があり全面葺き替えがお勧めです。
「他業者が勧める工事方法だと予算オーバーだった」
谷とドブ(本体)・鼻隠し・カッパなどの隙間から雨水が入り込み野地板も腐っていたため葺き替えになりました。施工例
今あるトタン屋根の上にコンパネを張って工事しようと勧める業者が結構います。
臭い物に蓋をする的な工事は再葺き替えになる可能性が高いです、ご注意ください。
塗装のはがれ。
原因:定期的な塗り替えがされていなかったり、塗装内容が悪かった等。
問題点:塗装しても直ぐに剥がれてしまう。
対応策:全面葺き替え。
塗装しても直ぐに剥がれてしまうので葺き替えたいとのご依頼でした。施工例
屋根勾配が緩く雨漏り。
原因:屋根勾配が緩い場合は、タルキが入った通常のトタン屋根は適していません。
問題点:緩勾配による雨水侵入。
対応策:通常のトタン屋根ではなく緩勾配に適した三晃式トタン=芯木なし瓦棒への葺き替え。
トタン屋根の工事は出来ても、三晃式トタン屋根を工事できない業者が多いです。
1枚目の矢印部分の説明↓
左側は:三晃式トタン屋根=芯木(タルキ)無しになっています。
右側は:普通のトタン屋根=芯木(タルキ)有り=桟葺きに変更されています。
このトタン屋根は、元は全て三晃式でしたが・・・
雨漏りしたので家を建てた大手ハウスメーカーに頼んだら、技術的な問題で普通のトタン屋根しか施工出来なかったようで2種類のトタン屋根が混在した状態でした。
勾配が非常に緩い場合は、普通のトタン屋根では雨漏りしてしまいます。元の三晃式に全て葺き替えて戻しました。施工例
三晃式トタン屋根は、特殊な構造をしていて専門工具も必要なため普通のトタン屋根業者では修理できません。三晃式の専門業者にご依頼ください。
三晃式=芯木なしトタン屋根の腐食。(タルキの無いタイプ)
原因:経年劣化、定期的な塗り替えがされていないなど。
問題点:腐蝕が進行し下地(野地板)が腐る。⇒建物の寿命を縮める。
対応策:鉄板基材が傷んでいるため塗装効果が低く全面葺き替えが必要です。
「3社に見積依頼したが、見積内容や施工法の違いが明確だった」
三晃式から三晃式への葺き替え。施工例
トタン屋根は、金属屋根専門職人対応の屋根無料見積.comへ。技術・施工法が違います。
トタン屋根(金属屋根)には、2種類の工事方法があります
●葺き替え。
トタン屋根から嵌合式たてひら葺きへ。(建設会社の自社ビル兼社員寮)
●カバー工法。
三晃式トタン屋根へのカバー工法。(屋根材メーカーKMEW=ケイミューの製造工場)
トタン屋根と言っても、現在材質は全てガルバリウム鋼板になっているため、以前の亜鉛メッキと比べ腐りにくくはなっています。
トタン屋根の場合、屋根勾配の関係で葺き替え可能な屋根材が限定される事も多く、工事後の雨漏りトラブルを防ぐためにもこの点をきちんと把握した上で適切な屋根材を提案してもらう必要があります。
1:葺き替え
修理を繰り返したアパートのトタン屋根。
数社に見積依頼したが他業者の訪問を全て断り当サイトへ。この施工例
ナショナル住宅のトタン屋根。
心木あり・心木なしが混在するトタン屋根を心木なし(三晃式トタン屋根)に統一。この施工例
トタン屋根を横葺き屋根に葺き替えたら雨漏り。
野地板までボロボロに腐った横葺き屋根をスタンビーに葺き替え。この施工例
2:カバー工法(重ね葺き)
「他業者の方が30万円安い!」と断られたお客様からの依頼。
「当サイトが提案した方法が理にかない、一番間違い無い方法だと分かった」と再依頼。施工例
何度も修理を繰り返した工場の三晃式トタン屋根。
これはトタン屋根(三晃式)を撤去せずに屋根を新しくできる嵌合工法の屋根材。
心木有り瓦棒(一段高くなった所にタルキの入ったタイプ)の場合は、屋根の状態によりドブ部分(低く平らになった所)を一回り小さく、タルキ部分のカバーを一回りサイズ変更することによりカバー工法での施工も可能です。施工例
トタン屋根の暑さ対策。
断熱工法。
屋根の高さは一段高くなりますが、トタン屋根の低くなった所に断熱材を入れ込む事で断熱効果を高めることができます。
トタン屋根が傷んだままでは施工できないので、軒先の広小舞や高くなったタルキがどの程度の位置まで腐っているか確認し、傷んでいる部分を取り換えたり補強する必要があります。施工例施工例
通気工法。
軒先の広小舞や鼻隠し板、内部のタルキが腐っていなければ、既存トタン屋根の上に構造用合板を張って空気層を作り暑さ対策することも可能です。
軒先小口に専用の換気口を取り付けて、ここから外気を通気層に取り込み、棟部に取り付けた換気棟から排出することで夏場の屋根裏温度を低下させる事が出来ます。(施工例は準備中です)