葺き替え費用について

1.屋根葺き替え費用の目安

はじめて屋根を葺き替える際、どれくらいの工事費用が掛かるのか見当がつかないという人も多いことでしょう。
そこで予算を立てる際の大まかな基準をお知らせします。
選ぶ屋根材の種類によっても違いますが、最も多く使われているスレート屋根(カラーベスト・コロニアル)を例にして考えてみましょう。

葺き替えに際し屋根本体以外で必要になる費用
屋根の葺き替えには (スレート屋根を同じ屋根材で葺き替える場合)
屋根の構造。葺き替え屋根材本体、ルーフィング、下地(野地板) 屋根材本体とその施工費用。
     +
古い屋根材を取り外して廃棄処分する費用。
下地(野地板)の増し張り費用。
ルーフィング(防水シート)の張り替え費用。
などが必要になります。(図1参照)

例えば、屋根面積を100㎡、切妻屋根(下屋なし)、屋根勾配を3寸。
↓スレート屋根を同じスレート屋根(カラーベスト・コロニアル)に葺き替える場合。

2.スレート屋根からスレート屋根へ葺き替える費用は

●現在、コロナ禍の影響で材料費が高騰しています。
こちらに記載した費用は、コロナ禍以前のものになります

屋根材本体とその施工費用 4,000~5,000円/㎡
既存屋根の撤去・廃棄 2,000~3,000円/㎡
下地工事(増し張り) 2,000~3,500円/㎡
防水シート(ルーフィング) 500~1,000円/㎡
役物工事(部位別) 1,000~3,000円/m
(軒先水切り、棟包み、ケラバ、雨押え、壁捨て板、谷樋など役物の種類や割合により変わります)
合計(消費税別) 12,000円/㎡位
その他に掛かる費用 雪止め、発生廃棄物・搬入費・諸経費・足場代など

スレート屋根葺き替えの概算費用は

100㎡×12,000円=おおよそ120万円+その他費用が掛かります。
カラーベスト・コロニアルシリーズは、選ぶタイプにより費用が変わります。


カラーベスト・コロニアル屋根の葺き替え注意1: 役物工事は家の構造により必要な長さが変わります。
注意2: 屋根面積が狭い。または複数の小さな屋根で構成される場合は割高になるため上記のモデル費用を当てはめての計算が出来ません。
注意3: それぞれの費用は地域により大きく異なる場合があります。
注意4: 屋根単価は、坪ではなく平米で計算しています。1㎡とは1m×1mの広さを言います。
注意 5 : 上記費用は工事品質保持を前提にした場合の費用です。
規定以下の内容であれば、さらに安く施工することも可能ですが当サイトでは行っておりません。

スレート屋根葺き替え、実際の見積もり例

「スレート=コロニアル屋根、全面張替えの見積診断チェック」より

前述した概算費用と比較してみて下さい。
(1)既存屋根撤去 184㎡×2,200円/㎡ = 404,800円
(2)野地板増し張り 12mm厚 184㎡×2,200円/㎡ = 404,800円
(3)下葺き材 ゴムアスルーフィング 184㎡×700円/㎡ = 128,800円
(4)屋根設置 新規コロニアル葺き 184㎡×4,950円/㎡ = 910,800円
(5)棟板金取付 37.2m×3,500円/m = 130,200円
(6)発生材運搬処分費 アスベスト含む(レベル3) 一式 = 220,000円
(7)足場代 240㎡×1,850円/㎡ = 444,000円
(8)諸経費 一式 = 60,000円
消費税込み金額 2,919,672円

【お客様への返信内容】
★ (2)~(5)については、適正範囲であり全く問題ない金額です。
★ (1)の既存屋根撤去の費用についても問題ないように思えますが、(6)に、発生廃棄物処理として220,000円が別に計上されています。
(1)と(6)は関連する項目であり、それを合わせて考えると高めに設定されているようです。
コロニアルの撤去と廃棄費用、それ以外に発生する廃棄物が実際にあるのか?それ以外にもあるのであれば別個に書かれていた方が分かり易いですね。
★ (7)の足場代は、かなり高めに設定されていると思います。

【見積書を見ての感想】
単価を比較され易い部分と比較しても分かりにくい部分を上手く調整し作られた見積内容になっています。
項目毎の単価だけではなく全体の費用を比べて考えることも必要ですし、見積書からでは分からない施工内容はさらに重要です。
(このページをご覧頂いた皆様もお気を付けくださいませ。)

屋根材毎の本体施工価格

屋根の葺き替えに掛かる費用は選ぶ屋根材によって費用が変わります。
屋根材が変わると、どの程度費用が違ってくるのか?
代表的な屋根材毎の本体施工価格を図2に掲載しましたので参考にしてみて下さい。

屋根材毎の本体施工価格
(図2:代表的な屋根材別の本体施工価格。一般的な屋根さんの平均的本体施工価格を掲載しています。)

3.ガルバリウム鋼板(金属屋根)への葺き替え費用

こちらに記載した費用は、コロナ禍以前のものになります

屋根材本体とその施工費用 5,500~7,500円/㎡(汎用タイプ)
既存屋根の撤去・廃棄 2,000~3,000円/㎡
下地工事(増し張り) 2,000~3,500円/㎡
防水シート(ルーフィング) 1,000円前後/㎡(汎用タイプ)
役物工事(部位別) 2,000~4,000円/m
(軒先水切り、棟包み、ケラバ、雨押え、壁捨て板、谷樋など役物の種類やタイプ、取り付け方によっても費用が変わります)
合計(消費税別) 14,000円/㎡位
その他に掛かる費用 雪止め、発生廃棄物・搬入費・諸経費・足場代など

 

【注】上記費用は、急勾配屋根・多面体屋根の場合は割り増しされます。
カバー工法の場合は、上から2段目・3段目の既存屋根撤去・廃棄と下地工事(増し張り)の費用が掛かりませんので、その分を差し引いて合計額を算出してください。

見積額が、あまりに高額と感じられる場合は。
悪質業者によるボッタクリの可能性が考えられる場合は、当サイトで行っている見積チェックをご利用下さい。屋根相談につては、コチラをご覧下さい。

ガルバリウム鋼板へ葺き替えた場合の概算費用は

100㎡×14,000で140万円+その他費用が掛かります。
ガルバリウム鋼板は選ぶタイプ、横葺き・縦葺き、断熱材付・断熱材無し、表面処理の違いや形状などで費用が変わります。
(注意 :上記費用は工事品質重視の施工をした場合の費用です。

規定以下の工事内容であれば、さらに安く出来ますが工事後に雨漏りトラブルが起き易くなるので当サイトでは行っておりません。)

ガルバリウム葺き替えで注意すべき点

ガルバリウム鋼板はカラーベスト・コロニアルと比べ本体と役物工事の加工が非常に重要で、業者により技術や工事内容に雲泥の差が出る屋根材です。
技術が未熟で簡易な工事しか提供できないから見積が安く抑えられている場合。
または、技術は未熟でも相場どおりの見積額で利益を得ようとする業者。
屋根専門と書いてはあっても屋根については素人に近い業者も多く存在します、どれも葺き替え後のトラブルにつながるケースが多いので注意が必要です。

4.見積額が安くなる理由。

見積費用が安くなるのには、それなりの訳がありました。
複数の業者から見積をとり、ネットも調べて業者を選んだというお客様の例です。

  A社(見積は安い) B社(見積が高い?)
屋根材本体・施工費用 A社:5,500/㎡×100㎡ B社:6,000円/㎡×100㎡
棟包み(笠木含む) A社:2,500円/m×20m B社:3,500円/m×20m
雨押え(貫板含む) A社:壁際工事
1,500円/m×45m
B社:2,500円/m×25m
壁水切り(壁捨板含む) B社:3,500円/m×20m
合計 A社:667,500円 B社:802,500円

見積額が安くなっていた理由は、
・メーカー指定の必要部材(役物)を使っていない。
・手間が掛かる加工を一切行わずただ取り付けただけ。
など、必要な手間を全て省略しいていたからでした。

<屋根葺き替えの関連情報>
屋根葺き替えとカバー工法との違い、葺き替えた方が良い状況についてはコチラ
屋根の葺き替えについての良くある質問FAQはコチラ
屋根カバー工法(重ね葺き)のメリット・デメリットについてはコチラ

ガルバリウム鋼板屋根のトラブル相談例へ

工事内容の違いで見積額が変わります。

●屋根材本体の工事
ガルバリウム屋根工事がいい加減で雨漏り、下地腐食
ガルバリウム鋼板屋根に葺き替えたが、雨漏りによる再葺き替えの依頼例。
屋根材本体なんて、どこに頼んでも同じように思えるかもしれませんが、釘を使うのか?ネジを使うのか? さらに固定の仕方や取り付け方などは業者によって違います。
こちらの例は、本体を固定する釘が効かなかったようで4本もの釘が打たれており、防水シートを剥がしてみると下地には黒カビが全面に生え腐っている所も多くありました。

A社とB社では、平米あたり500円の違いがあり本体工事では50,000円の差がありましたが、再葺き替えが必要になって初めて安さの理由が分かったそうです。

●本体以外=壁際雨押えの工事:実際に行われていた工事と本来行うべき工事方法。
屋根の壁際雨押え工事を比較
左写真には、本来取り付けるべき雨押えは取り付けられていません。
屋根と壁の堺にコーキングを塗っただけで、1,500円/㎡。
下地だけでなく骨組みまでボロボロに腐っていました。

本体以外=壁際水切り・捨板の工事:実際に行われていた工事と本来行うべき工事。
屋根の壁際工事を比較
本来は、壁際に雨水が雨樋まで流れる捨板を取り付けてから屋根材本体を施工し、その後に壁水切りを取り付ける工事方法を行うべき。
しかし実際に行われていたのは、やはり屋根と壁の堺にコーキングを塗っただけ。
カバー工法で行われた屋根工事だったため屋根の下地だけでなく、その下に元々あったトタン屋根とその下地など全て腐っていました。
見積額の違いは135,000円。

10万円単位で違えば、つい安い業者に頼みたくなるかもしれませんが、工事後の雨漏りで再葺き替えになる事例も多く発生していますので安さを売りにする業者は危険です。
特にガルバリウム鋼板屋根に葺き替える場合、きちんと工事できる業者は業界に1割程度しかいないため注意が必要です。

屋根葺き替え費用を左右する様々な要因

1.屋根形状の違いで費用が変わります。

左が切妻屋根で右が寄棟屋根です。
切妻屋根と寄棟屋根の違い
切妻と寄棟は屋根形状が変わり屋根葺き替えに伴う役物の割合も変わるため、寄棟の方が費用は高くなります。
また屋根が二階にしかない場合と一階・二階にある場合とでは費用が変わりますし、いくつも小さな屋根で構成される多面体屋根の場合はかなり割高になります。

2.屋根勾配の違いで面積と費用が変わります。

屋根の勾配(傾斜)について屋根の勾配(傾斜)が急になるほど屋根の面積が増える(勾配による伸び率)だけでなく、施工に手間が掛かるため割高になります。
勾配が4寸以上の場合は危険なため足場が必要になり、その分の費用は別途加算されます。

複雑な屋根の形(屋根形状で費用も変わる)

屋根の形状が複雑になることでも割増費用が掛かります。
下の写真は同じ切妻屋根の家ですが。
左の家は屋根が1階と2階合わせて4面からなる単純な構成であるのに対し、右側の家は8面構成で屋根が複雑に重なりあっていることが分かると思います。
単純な構造の屋根と複雑な形状の屋根

このような屋根形状の家は、屋根本体に占める役物(屋根本体以外で使う部材)の割合が多くなることで割高になってしまうため、屋根面積だけでは費用を計算できない場合もあります。
あなたのお宅の屋根面積や形状、勾配などが分かれば、葺き替えにかかるおおよその費用が計算できると思いますので予算も立てやすくなるでしょう。

3.屋根面積

屋根は広くなるほど割安になり、狭いほど割高になります。
なぜなら、小さな屋根は手間がかかるだけでなく、本体に占める役物の割合が増えるほど高額になるからです。
また、屋根形状(切妻か寄棟か)や屋根の形状が複雑であったり、急勾配だったり、谷が有るか無いかでも変わります。

4.葺き替えか? 重ね葺きか? それぞれのメリット・デメリット。

●葺き替え ⇒ 今の屋根を剥がしてから新しい屋根材を葺く施工の仕方の場合。
メリット :屋根が重くならないので地震でも安心です。
デメリット:古い屋根を剥がすため手間と処理費が掛かります。

●カバー工法(重ね葺き) ⇒ 今の屋根を剥がさずに、その上に新しい屋根材を葺く施工。(※下地が傷んでいる場合のカバー工法はできません)
メリット :古い屋根を剥がすことなく工事できるため、施工費が安く納まります。
デメリット:屋根の重さが今までの倍近くになるため、地震による揺れが大きくなり
      倒壊の危険性が増すだけでなく、重ね葺きした屋根が傷んだ場合は、
      全ての屋根を剥がす必要があるため2倍の撤去・廃棄費用が掛かります。

5.工事範囲の確認

ベランダ下の施工、掃出し窓・戸袋廻りなど雨仕舞に問題がある部分の施工。
太陽熱温水器、クーラー、テレビアンテナなど移設や移動が伴う場合。

6.足場組立・飛散防護ネット

屋根急勾配により、近隣への配慮が必要であったり、すべり易いことから屋根材や廃材の落下、施工者転落の危険性がある場合は必要になることもあります。
スレート屋根⇒ カラーベストなどは、アスベスト(石綿)を含むため、葺き替え時、及び塗装での洗浄時には、健康被害を考え近隣への飛散防止対策を取る必要があります

上記のようなことを踏まえて考えると、おおまかな予算が見えてくるのではないでしょうか?

おおよそではなく実際にいくらかかるのか?を、
屋根無料見積.comをご利用いただくことにより、無料で相談をすることが出来ます。
また、あなたの予算に合った、最適な提案や見積などを受取ることも出来ます。
まずは、電話相談をご利用下さい。
それから、ご家族でじっくりと屋根について、ご予算について考えてみて下さい。

屋根の葺き替えで後悔したくない方は、当サイトからの見積りと是非比較検討してみて下さい
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