屋根修理:屋根材別の修理方法と原因

「屋根の修理が必要かも…」と感じつつも放置していませんか?
屋根は住宅の寿命を大きく左右する重要な部分です。
このページでは、スレート屋根・瓦屋根・トタン屋根といった代表的な屋根材別に、修理が必要な症状をわかりやすく解説します。
ひび割れやズレなど、見逃しやすい症状を見つけるためのポイントも紹介しているので、ご自宅の屋根の状態をチェックする際にも役立ちます。
さらに、屋根の種類別の修理費用相場や悪徳業者を見分けるポイント、火災保険活用など屋根修理に関する不安や疑問を解消できる情報も満載です!

屋根修理が必要な症状

1.スレート屋根で屋根修理が必要な症状

スレート屋根とは、カラーベスト・コロニアル屋根のことです。

屋根材のひび割れ

スレート屋根にひび割れ
スレート屋根の表面にひび割れがあると、雨水が屋根材内部に浸入しやすくなります。
ひび割れが小さいうちは、コーキング材などを充填して補修できますが、ひび割れが大きい場合は屋根材の交換や張り替えが必要になることもあります。
また、屋根材の劣化が進んでいないかどうかも合わせて確認することが大切です。
スレート屋根のひび割れの原因としては、施工不良や外壁要因、経年劣化によるものがあります。

施工不良及び外的要因

スレート屋根材は、屋根を固定する釘の打ち込み不足が原因で、釘の頭が浮いた状態になっていると屋根塗装時やその他工事で屋根上を歩くことで、ひび割れ(踏み割れ)が起こります。(屋根には歩いて良い場所、悪い場所があります)
また下地の強度不足や不陸(屋根面が水平でなく、凹凸がある)が大きい事もひび割れの原因になります。
このような場合は、屋根全体の点検を行い被害状況に応じて修理を行う必要があります。

経年劣化

スレート屋根材は、セメントと繊維を混ぜて作られており、経年と共にセメントが劣化し、ひび割れが発生しやすくなります。
また屋根材の表面に塗装されている塗膜も紫外線や雨風によって劣化し、ひび割れが発生しやすくなります。
一般的に、スレート屋根の寿命は20~30年程度といわれており築年数が経過している場合は、経年劣化によるひび割れが発生しやすくなっていると考えられます。

スレート屋根のひび割れを放置しておくと雨漏りの原因になるだけでなく、屋根材の劣化を加速させる可能性があります。
ひび割れが小さいうちに修理することで被害を最小限に抑えることができます。

棟板金(棟包み)の浮き

スレート屋根の棟板金の浮き
棟板金とは、屋根の頂上部分に取り付けられている板金のことです。
棟板金は、屋根材を固定する役割や雨水の浸入を防ぐ役割を担っています。

経年劣化

棟板金が浮いてしまう原因は、屋根本体と棟包みの隙間から入り込んだ雨水によって棟内部に取り付けてある笠木という木材が腐る事で起こります。
棟板金の浮きは雨漏りして気付く事もありますが、廻ってきた業者や近所で工事していた業者に「棟が浮いている」と言われて気付く事が多いようです。
早急に修理する必要がありますが、気付かずに放っておくと、次に説明する「棟板金の剥がれ」という症状が起こります。

棟板金(棟包み)の剥がれ

棟板金の剥がれ
棟板金の浮きが起きているのに気付かずに放置していると棟板金が剥がれ飛んでしまいます。

台風や強風

台風や強風によって浮き上がっていた棟板金が剥がれて飛散することがあります。
また、強風によって飛来物が衝突し棟板金が破損することもあります。

棟板金が剥がれ飛んだまま放置しておくと雨漏りの原因になるだけでなく、棟板金が落下して事故が発生する危険性もあります。

棟板金と棟内部の笠木を早急に取り換える必要があります。。

屋根材のズレ・抜け落ち

スレート屋根のズレ、抜け落ち
スレート屋根にズレや抜け落ちがあると雨水が直接防水シートに流れ込んでしまい雨漏りの原因になるだけでなく屋根材が落下して、人身事故につながる危険性もあります。

施工不良

施工時に屋根材が、きちんと釘で固定されていなかったり接着に問題があると屋根材がズレ落ちてくることがあります。
このような場合は、屋根全体の点検を行い被害状況に応じて修理を行う必要があります。

地震や台風・強風

地震による揺れの影響で屋根材がズレ落ちてくることがあり、ズレ落ちたまま放置していると台風や強風で近隣へ飛散する可能性もあります。

雨漏りのだけでなく、落下した屋根材によって人身事故が発生する危険性もありますので早急な修理が必要です。

屋根材の反り(口開き)

スレート屋根の反り(口開き)症状
屋根材に反りがある場合は、隙間から入り込む雨水の影響で既に雨漏りしている事も多く修理で直す事は出来ません。

施工不良

スレート屋根の反りは、下地の強度不足、屋根面が水平でなく凹凸による影響、屋根本体を固定する釘の打ち込み過ぎなどによって起こり、浮き上がった屋根材の隙間を小さくするため釘やネジを打っても問題を解決する事は出来ません。

修理で直すことができないため屋根の葺き替え必要です。

屋根材の劣化(色あせ、コケ・カビの発生)

スレート屋根のコケ、色褪せ
スレート屋根は、紫外線や雨風によって徐々に劣化していきます。
屋根材の劣化のサインとしては、色あせ、コケやカビの発生などがあります。
屋根材が劣化すると防水性能が低下し雨漏りのリスクが高まります。
屋根材の劣化が激しい場合は、屋根の葺き替えを検討する必要があります。
スレート屋根の劣化の原因としては、主に以下の3つが挙げられます。

紫外線による劣化

太陽光に含まれる紫外線は、スレート屋根材の表面を劣化させ色あせやひび割れの原因となります。
特に、南向きの屋根は日照時間が長いため、紫外線の影響を受けやすく劣化しやすい傾向があります。

風雨による劣化

雨や風によって、スレート屋根材の表面が摩耗したり塗膜が剥がれたりすることがあります。

コケやカビの発生

スレート屋根材の表面に、コケやカビが発生することがあります。
コケやカビは、屋根材の表面に水分や栄養を与えるため劣化を促進させる原因となります。
また美観を損ねる原因にもなります。

スレート屋根の劣化を防ぐためには、定期的なメンテナンスが重要です。
具体的には、以下のようなメンテナンスを行うようにしましょう。

  • 定期的な清掃:屋根に積もった落ち葉やゴミなどを定期的に清掃することで、コケやカビの発生を抑制することができます。
  • 屋根塗装:屋根の塗膜が劣化してきたら塗装の塗り替えを行いましょう。
    屋根塗装することで屋根材を紫外線や雨風から保護することができますが、築年数が経過している場合は葺き替え又はカバー工法をお勧め致します。

2.瓦屋根で屋根修理が必要な症状

瓦のひび割れ、破損

瓦屋根にひび割れ、破損
瓦は、強風や飛来物などによって、ひび割れや破損が生じることがあります。
瓦のひび割れや破損は雨漏りの原因になります。
軽度のひび割れであればコーキング材などで補修できますが、破損が激しい場合は瓦の交換が必要になります。
瓦のひび割れや破損の原因は、経年劣化・強風・飛来物の衝突・積雪などが考えられます。

経年劣化

瓦は、陶器やセメントなどで作られていますが、長年の雨風や紫外線によって劣化し強度が低下します。

強風

台風や強風によって瓦がめくれ上がったり飛散したりすることがあります。
また、強風によって飛来物が衝突し瓦が破損することもあります。

瓦のひび割れや破損を放置しておくと、雨漏りの原因になるだけでなく屋根の劣化を加速させる可能性があります。
ひび割れや破損が小さいうちに修理することで被害を最小限に抑えることができます。

瓦のズレ、落下

瓦屋根のズレ、落下
地震や強風などによって、瓦がズレたり落下したりすることがあります。
瓦がズレたり落下したりすると雨漏りの原因になるだけでなく、落下した瓦が人に当たって怪我をさせてしまう可能性もあります。
瓦のズレや落下は早急に修理する必要があります。
瓦のズレや落下の原因は、地震や強風・経年劣化・施工不良などが考えられます。

地震

地震の揺れによって、瓦がずれたり落下したりすることがあります。
特に震度5強以上の地震が発生した場合には、瓦のズレや落下の被害が多発する傾向があります。
また、地震によって屋根の構造体が損傷し、瓦がズレやすくなっていることもあります。

台風・強風

台風や強風によって、瓦がめくれ上がったり飛散したりすることがあります。
特に、古い瓦屋根や瓦の葺き方が悪い場合は、強風による被害を受けやすい傾向があります。

経年劣化

瓦や瓦を固定している漆喰は、経年劣化によって強度が低下します。
瓦本体(桟瓦)のズレは、瓦本体を固定するため瓦の下に取り付けた桟木が傷むことで起こり地震や強風などの影響を受けやすくなります。

施工不良

瓦の葺き方が悪い場合や瓦を固定する漆喰の量が不足している場合など、施工不良が原因で瓦がズレたり落下したりすることがあります。
特に、築年数が経過している住宅では施工不良が原因で瓦のズレや落下が発生するケースが多く見られます。

瓦のズレや落下を放置しておくと雨漏りの原因になるだけでなく、落下した瓦によって人身事故が発生する危険性もあるため早急に修理することが大切です。

漆喰の劣化、剥がれ

瓦屋根、しっくいの劣化、漆喰剥がれ
漆喰は、瓦と瓦の隙間を埋めるために使用される建材です。
漆喰は、経年劣化によって、ひび割れや剥がれが生じることがあります。
漆喰が劣化すると、雨水が屋根内部に浸入しやすくなり雨漏りの原因になります。
漆喰の劣化が激しい場合は、漆喰の詰め直しや屋根の葺き替えが必要になることもあります。
漆喰の劣化や剥がれの原因は、経年劣化・雨風による浸食・地震や強風などが挙げられます。

経年劣化

漆喰は、石灰石を主原料とした自然素材で時間の経過とともに風化し、強度が低下します。
築後10年以上経過すると漆喰の表面が粉状に劣化し始め、ひび割れや剥がれが発生しやすくなります。

雨風による浸食

漆喰は、雨水に弱いため長期間、雨風にさらされることで徐々に溶け出したり、剥がれ落ちたりすることがあります。
特に、台風や強風などによって大量の雨水が屋根に吹き付けられると漆喰の劣化が促進されます。

地震や強風

地震や強風によって屋根が揺さぶられることで、ひび割れや剥がれが発生することがあります。
また、地震や強風によって瓦がずれたり、落下したりすることで漆喰に負担がかかり劣化が促進されることもあります。

漆喰の劣化や剥がれを放置しておくと、雨漏りの原因になるだけでなく屋根の構造材を腐食させる可能性もあります。
劣化が軽度の場合は、部分的な補修で済む場合もありますが、劣化が激しい場合は漆喰の詰め直しや葺き直し、屋根の葺き替えなどの大規模な工事が必要になることもあります。
そのため早期に発見し適切な処置を行うことが大切です。

3.トタン屋根で屋根修理が必要な症状

錆の発生

トタン屋根の錆び
トタン屋根は、鉄を素材としているため錆が発生しやすいという特徴があります。
錆が発生すると、トタン屋根の強度が低下し雨漏りの原因になります。
錆の発生が軽度の場合は、錆止め塗料を塗布することで錆の進行を抑制できますが、錆が進行している場合はトタン屋根の葺き替えが必要になることもあります。
トタン屋根の錆の原因は、湿気・酸性雨・塩害・傷などが挙げられます。

湿気

トタン屋根は鉄でできているため、湿気が多い場所に放置しておくと錆が発生しやすくなります。
特に、屋根裏の換気が悪い場合は湿気がこもりやすく、錆が発生しやすくなります。
また、雨漏りなどで屋根材が濡れたまま放置しておくと錆が発生しやすくなります。

塩害

海岸に近い地域では、海からの潮風によってトタン屋根に塩分が付着し、錆が発生しやすくなります。
塩分は金属の腐食を促進させる性質があるため、海岸に近い地域では特に注意が必要です。

トタン屋根に傷が付くと、そこから錆が発生しやすくなります。
傷は飛来物や積雪、施工時のミスなどによって発生します。
また経年劣化によって、トタン屋根の表面が脆くなり傷が付きやすくなることもあります。

トタン屋根の錆を防ぐためには、定期的なメンテナンスが重要です。
具体的には、以下のようなメンテナンスを行うようにしましょう。

  • 定期的な清掃:屋根に積もった落ち葉やゴミなどを定期的に清掃することで錆の発生を抑制することができます。
  • 屋根の塗り替え:屋根の塗膜が劣化してきたら塗装の塗り替えを行いましょう。
    屋根を塗り替えることでトタン屋根を錆から保護することができます。

穴あき

トタン屋根に穴が空いた
トタン屋根は、経年劣化や飛来物などによって穴が開くことがあります。
穴が開くと雨漏りの原因になります。
穴が小さい場合はコーキング材などで補修できますが、穴が大きい場合はトタン屋根の張替えが必要になることもあります。
トタン屋根の穴あきの原因は、経年劣化・強風による飛来物の衝突などが考えられます。

経年劣化

トタン屋根は、鉄板に亜鉛メッキを施したものでできています。
亜鉛メッキは鉄板を錆から守る役割がありますが、長年の雨風や紫外線によって劣化し、その効果が薄れていきます。
そのため経年劣化が進むとトタン屋根に穴が開きやすくなります。
また、トタン屋根を固定している釘やビスも経年劣化によって錆びてしまい、そこから雨水が浸入して穴が開くこともあります。

トタン屋根の穴あきを放置しておくと雨漏りの原因になるだけでなく、屋根の劣化を加速させる可能性があります。
穴あきが小さいうちに修理することで被害を最小限に抑えることができます。

軒先の腐り

トタン屋根の軒先の腐り、痛み
軒先とは、トタン屋根から雨樋へと続く先端部分を言います。
この部分は、表面から見ても分かり難く見過ごされる事の多い部分ですが、非常に傷み易く屋根寿命を大幅に縮めてしまいます。
痛みとしては、トタンの先端部である鼻隠しの腐り、カッパ内部や下地板、屋根骨組の木材まで腐ってしまい葺き替えが必要になることも多くあります。

経年劣化

軒先廻りは、軒先唐草・ドブ・カッパ・鼻隠しなど複数の役物で構成されていますが、経年劣化により錆びが発生すると雨水が留まり易くなる影響ででトタン屋根だけでなく内部の木材も腐ってしまいます。

軒先の腐りはトタン屋根の専門業者でないと発見するのが難しく、きちんと修理することもできないためトタン屋根専門業者に依頼して下さい。
軒先の腐りが広範囲に及んでいる場合は、屋根の葺き替えが必要です。

屋根の構造と役割

1.屋根の構造

屋根は、いくつかの構造材が組み合わさって構成されています。
住宅の構造や屋根の形状によってその構造は異なりますが、ここでは一般的な木造住宅における勾配屋根を例に、主な構造とその役割について解説します。

構造材 説明
屋根材 雨風を直接防ぐ一番外側の部分。
スレート、瓦、トタンなど様々な種類があります。
屋根材は、美観だけでなく断熱性や遮熱性、防火性、耐久性など、住宅の性能に大きな影響を与えます。
防水シート 屋根材の下に敷かれ、万が一雨水が侵入した場合でも建物の内部に浸透するのを防ぎます。
防水シートには、アスファルトルーフィングやゴムアスルーフィングなど様々な種類があります。
近年では、透湿防水シートと呼ばれる湿気を外部に逃がす機能を持つ防水シートも普及しています。
野地板 屋根材を支える板材で構造用合板などが用いられます。野地板は屋根材からの荷重を分散させ、垂木に伝える役割を担います。
また、屋根の強度を保つ上でも重要な役割を果たします。
垂木 屋根の傾斜を作るために、棟から軒に向かって斜めに架け渡される木材。
垂木の断面寸法や配置間隔は、屋根の形状や積雪量、使用する屋根材の重量などによって異なります。
母屋 垂木を支える屋根の構造を支えるための横木のこと。
母屋は、柱の上に水平に設置され垂木から伝わる荷重を柱に伝えます。
棟木 屋根の一番高い部分にある水平材で垂木を支える役割も担います。
棟木は、屋根の構造上重要な部材であり地震や台風などの外力に耐える強度が求められます。
軒桁 屋根の軒先部分を支える水平材。
軒桁は、垂木を支えるとともに外壁に荷重を伝えます。
破風板 屋根の妻側の端部に縦に取り付けられる板。
雨風を防ぎ、外観の装飾も兼ねています。
破風板は、雨水の侵入を防ぐだけでなく屋根の構造を補強する役割も担います。
鼻隠し 軒先の垂木の先端部分を隠すように取り付けられる板で雨どいを取り付ける役割も担います。
鼻隠しは、雨水を適切に処理するだけでなく屋根の美観を向上させる効果もあります。

これらの部材は、屋根の種類や形状、建物の構造によって異なる場合があります。

2.屋根の役割

屋根は、住宅において重要な役割を担っていますが、主な役割は以下の点が挙げられます。

雨風から住まいを守る

屋根の最も重要な役割は、雨や風・雪・太陽光などの自然災害から住まいを守る事です。
屋根材や防水シートが、雨水の侵入を防ぎ住宅の耐久性を維持します。
また、強風から屋根が吹き飛ばされないように、しっかりと固定されている必要があります。
台風などの強風時に、屋根が破損すると住宅全体に大きな被害が及ぶ可能性があります。

例えば屋根材に瓦を使用する場合、瓦は台風などによる強風で飛散する可能性があります。
これを防ぐために、瓦を固定する漆喰は非常に重要な役割を担います。
漆喰は経年劣化するため定期的なメンテナンスを行い、瓦の飛散を防ぐ必要があります。

断熱・遮熱効果

屋根は、外部の熱を遮断し室内の温度を快適に保つ役割も担います。
夏は太陽光による熱の侵入を防ぎ、冬は室内の熱が逃げるのを防ぐことで冷暖房効率を高め省エネにも貢献します。
断熱材や遮熱シートを屋根材の下に施工することで断熱・遮熱効果をさらに高めることができます。

屋根の断熱性能を高めるためには、屋根材だけでなく断熱材の種類や厚さを適切に選択することが重要です。
断熱材には、グラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材、発泡スチロールなどの発泡プラスチック系断熱材、羊毛などの自然素材系断熱材など様々な種類があります。
それぞれの断熱材には、断熱性能や価格、施工性などに違いがあるため住宅の構造や予算、地域などの条件に合わせて最適な断熱材を選ぶ必要があります。

美観を保つ

屋根は、住宅の外観デザインを大きく左右する要素の一つです。
屋根材の種類や色、形状によって住宅全体の印象が変わります。
屋根は常に風雨にさらされるため、定期的なメンテナンスを行い美観を保つことが大切です。

屋根の美観を保つためには、定期的な清掃や塗装が必要です。
屋根の汚れは、雨水による汚れやコケ、カビなど様々な原因によって発生します。
これらの汚れを放置すると屋根材の劣化を早めるだけでなく、美観を損ねる原因にもなります。
屋根の清掃には高圧洗浄機などを使用する方法もありますが、屋根材によっては高圧洗浄機の水圧によって破損する可能性もあるため注意が必要です。
屋根の塗装は、屋根材を保護するだけでなく美観を向上させる効果もあります。

屋根の構造を理解し、適切な材料を選び、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。
屋根のメンテナンスを怠ると雨漏りや建物の劣化につながる可能性があります。
そのため、屋根に異常を感じたら早めに専門業者に相談することをおすすめします。

屋根の種類別 修理費用相場

1.スレート屋根の修理費用相場

屋根材の修理

工事内容 内容 費用相場
ひび割れ補修 部分的なひび割れを補修材で直す 5,000円~/箇所
部分的な屋根材交換 ひび割れや破損が激しい場合に、部分的に新しい屋根材に交換する 10,000円~/枚
屋根葺き替え 既存のスレート屋根を撤去し、新しい屋根材に葺き替える 800,000円~/100㎡

スレート屋根の修理費用は、症状や工事の規模によって大きく異なります。
軽度のひび割れであれば補修材を充填するだけでも対応できますが、広範囲にわたるひび割れや破損の場合は、屋根材の交換が必要になります。
また屋根の勾配や形状、足場の設置の有無によっても費用は変動します。

棟板金の修理

工事内容 内容 費用相場
棟板金交換 錆びたり腐食したりした棟板金を新しいものに交換する 15,000円~/m
棟板金補修 部分的な破損の場合に、シーリング材などで補修する 5,000円~/箇所

棟板金は、屋根の頂上部分に取り付けられる板金です。
強風や飛来物によって破損したり、経年劣化によって錆びたりすることがあります。
軽度の破損であればシーリング材などで補修できますが、錆がひどい場合は交換が必要になります。
棟板金の交換費用は、使用する板金の材質や形状・屋根の勾配などによって異なります。

雨漏り修理

工事内容 内容 費用相場
雨漏り調査 雨漏りの原因を特定するための調査 無料~50,000円
部分補修 雨漏り箇所を特定し、部分的に補修する 20,000円~
屋根葺き替え 雨漏りが広範囲に及ぶ場合、屋根全体を葺き替える 800,000円~/100㎡

雨漏りは、屋根の劣化や破損によって発生します。
雨漏りを放置すると建物の構造材を腐食させたり、シロアリの発生原因となったりするため早急な修理が必要です。
雨漏り修理の費用は、雨漏りの原因や被害状況によって異なります。
軽度の雨漏りであれば部分的な補修で対応できますが、広範囲にわたる雨漏りの場合は屋根葺き替えが必要になることもあります。

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雨漏り修理が多い屋根の部位と原因について詳しくはコチラ

2.瓦屋根の修理費用相場

瓦の修理

工事内容 内容 費用相場
瓦の差し替え ひび割れや破損した瓦を新しい瓦に交換する 1,000円~/枚
瓦の葺き直し 既存の瓦を再利用して、ズレや隙間を修正する 500,000円~/100㎡
瓦の葺き替え 既存の瓦を撤去し、新しい瓦に葺き替える 1,000,000円~/100㎡

瓦屋根の修理費用は、瓦の種類や状態・屋根の面積・足場の設置の有無などによって大きく異なります。
部分的な修理であれば瓦の差し替えで済む場合もありますが、瓦の劣化が激しい場合は葺き直しや葺き替えが必要になります。
また、瓦屋根の修理は高所作業となるため、足場の設置費用が別途かかる場合もあります。

漆喰の修理

工事内容 内容 費用相場
漆喰の詰め直し 劣化したり剥がれたりした漆喰を新しく詰め直す 10,000円~/m

漆喰は、瓦屋根の瓦同士を固定したり、雨水の侵入を防いだりする役割を担っています。
経年劣化によって、ひび割れや剥がれが生じることがあります。
漆喰の詰め直し費用は、使用する漆喰の種類や量・作業の難易度などによって異なります。
また、足場の設置が必要な場合は別途費用がかかることもあります。

雨漏り修理

工事内容 内容 費用相場
雨漏り調査 雨漏りの原因を特定するための調査 無料~50,000円
部分補修 雨漏り箇所を特定し、瓦の差し替えや漆喰の詰め直しなどを行う 20,000円~
屋根葺き替え 雨漏りが広範囲に及ぶ場合、屋根全体を葺き替える 1,000,000円~/100㎡

瓦屋根の雨漏りは、瓦の破損やズレ、漆喰の劣化などが原因で発生します。
雨漏りを放置すると、建物の構造材を腐食させたり室内にカビを発生させたりするため早急な修理が必要です。
雨漏り修理費用は、雨漏りの原因や被害状況によって異なります。
軽度の雨漏りであれば部分的な補修で対応できますが、広範囲にわたる雨漏りの場合は屋根葺き替えが必要になることもあります。

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瓦屋根の葺き替えついて詳しくはコチラ

3.トタン屋根の修理費用相場

屋根材の修理

工事内容 内容 費用相場
錆止め塗装 錆の発生を防ぐために、専用の塗料を塗布する 3,000円~/㎡
部分的な張り替え 錆や穴あきが激しい場合に、部分的に新しいトタン板に張り替える 10,000円~/㎡
屋根葺き替え 既存のトタン屋根を撤去し、新しい屋根材に葺き替える 500,000円~/100㎡

トタン屋根は、金属製のため錆が発生しやすいという特徴があります。
錆を放置すると屋根材が腐食して穴が開いてしまうため、定期的なメンテナンスが必要です。
錆止め塗装は、屋根材の表面に専用の塗料を塗布することで錆の発生を抑制する効果があります。
部分的な張り替えでは、錆や穴あきが激しい部分のみを新しいトタン板に張り替えることもできます。

雨漏り修理

工事内容 内容 費用相場
雨漏り調査 雨漏りの原因を特定するための調査 無料~30,000円
部分補修 雨漏り箇所を特定し、シーリング材の充填やトタン板の 部分補修などを行う 10,000円~
屋根葺き替え 雨漏りが広範囲に及ぶ場合、屋根全体を葺き替える 500,000円~/100㎡

トタン屋根の雨漏りは、屋根材の錆や穴あき、継ぎ目の劣化などが原因で発生します。
雨漏りを放置すると建物の構造材を腐食させたり、室内にカビを発生させたりするため早急な修理が必要です。
雨漏り修理費用は、雨漏りの原因や被害状況によって異なります。
軽度の雨漏りであれば部分的な補修で対応できますが、広範囲にわたる雨漏りの場合は屋根葺き替えが必要になることもあります。

その他の修理

工事内容 内容 費用相場
雨樋修理・交換 破損したり詰まったりした雨樋の修理や交換 10,000円~/箇所
雪止め設置 屋根からの落雪を防ぐために雪止めを設置する 30,000円~/m

雨樋は、屋根に降った雨水を軒先から排水する役割を担っています。
台風や強風によって破損したり、落ち葉やゴミが詰まったりすることがあります。
雨樋の修理・交換費用は、雨樋の材質や形状、破損状況などによって異なります。

雪止めは、屋根からの落雪を防ぐために設置する金具です。
雪止めがないと、屋根から雪が落下して人身事故や家屋破損の原因となる可能性があります。
雪止め設置費用は雪止めの種類や設置箇所、屋根の形状などによって異なります。

屋根修理の注意点

1.屋根材毎の専門業者へ

屋根は、屋根材毎の専門業者がそれぞれ違います。
屋根業者によって取り扱う屋根材が違う
屋根は、屋根材毎に専門業者が違いますが、そのことを知らず専門外の業者に依頼してしまうことが何度屋根修理して治らない原因になっています。
屋根とは全く関係のない業者が屋根専門などと記載している場合もあるので注意が必要です。

「屋根修理が安い!」などと安さを売りにする業者もいますが、
基本的には屋根修理に安いも高いもありません。
悪徳業者は別ですが、専門業者であれば『材料費+工賃程度』の費用で済むため、屋根修理の費用にそれほど差が出ることはないからです。
また、専門業者は安さを売りにするようなことは決してないので、安さを売りにする業者には注意が必要です。
修理費用は安く済んでも根本的な問題が解決されていない場合が多く、修理を繰り返したあげく結局屋根の葺き替えが必要になってしまうなど、返って屋根寿命を短くしてしまうこともあります。

屋根専門だから良いという訳でもありません。
「屋根専門業者」は「屋根材毎の専門業者」へと、さらに細分化されるます。
屋根専門業者だからといってスレート屋根・瓦屋根・トタン屋根など全てを屋根修理できる訳ではありません。
屋根材毎にそれぞれ構造や工事方法は異なるため、それぞれの屋根材を専門にする業者に依頼するようにしましょう。

2.悪徳屋根業者に注意

屋根修理は高額になりやすく、悪徳業者が横行している分野でもあります。
悪徳業者の手口としては、以下のようなものがあります。

  • 訪問販売で不安を煽り、高額な契約を迫る
  • 不要な工事や部品を計上して費用を水増しする
  • 手抜き工事をする
  • 施工後、追加料金を請求する

このような悪徳業者に騙されないためには、以下の点に注意することが大切です。

  • 訪問販売業者とは安易に契約しない
  • 複数の業者から見積もりを取り比較検討する
  • 契約内容をよく確認し、不明な点は質問する(口約束ではなく、必ず書面で契約を交わしましょう)
  • クーリング・オフ制度を利用する(訪問販売で契約した場合、8日以内であれば無条件で契約を解除できます)

消費者ホットラインの電話番号国民生活センターのウェブサイトでは、悪質業者に関する情報や相談窓口が掲載されています。
不安な場合は相談してみるのも良いでしょう。
国民生活センター消費者ホットライン

3.火災保険の活用

屋根修理は火災保険が適用される場合があります。
例えば台風や豪雨などの自然災害で屋根が破損した場合、火災保険の風災補償や雪災補償を利用できる可能性があります。

火災保険の適用を受けるためには、保険会社に連絡し保険金の請求手続きを行う必要があります。
保険会社によって必要書類や手続きが異なるため、事前に確認しておきましょう。
また屋根修理を行う前に、保険会社に連絡し現場調査を受ける必要がある場合もあります。
保険金請求の手続きは、被害状況の確認、見積書の提出、保険金支払いの査定など、いくつかの段階があります。
これらの手続きは、保険会社や代理店の担当者と連携しながら進めることになります。

火災保険の活用は、屋根修理費用を抑える有効な手段となります。
火災保険の適用範囲や手続きについて事前に確認しておくことをおすすめします。

屋根修理に関するよくある質問

1.屋根修理のタイミング

どんな症状が出たら屋根修理を検討すべきですか?

屋根は雨風や紫外線、気温変化など常に厳しい環境にさらされているため、経年劣化は避けられません。
屋根の修理が必要となる症状としては以下のようなものがあります。

  • 屋根材のひび割れ、ズレ、剥がれ

    スレート屋根や瓦屋根に見られる症状です。
    屋根材の破損は雨漏りの直接的な原因となります。
    また、強風で剥がれ落ちてしまう可能性もあり大変危険です。
    軽度のひび割れであればシーリング材で補修できますが状態によっては屋根材の交換が必要になります。

  • 屋根材の色あせ、コケ・カビの発生

    屋根材の色あせやコケ、カビの発生は屋根材の劣化を示しています。
    これらの症状を放置すると、屋根材の防水性能が低下し、雨漏りのリスクが高まります。
    高圧洗浄でコケやカビを除去する、塗装で防水性能を回復させるなどの対策が必要です。

  • 棟板金の浮きや腐食

    棟板金は屋根の頂上部分に取り付けられる板金です。
    強風や地震などで釘が緩み、浮きや剥がれが生じることがあります。
    また、錆びて腐食することもあります。
    棟板金の浮きや腐食を放置すると、雨水が侵入しやすくなり、雨漏りの原因となります。
    ビスや釘の打ち直し、コーキング材の充填、場合によっては棟板金の交換などの修理が必要です。

  • 雨漏り

    天井や壁にシミができたり、雨の日に天井から水滴が落ちてきたりする場合は、雨漏りが発生している可能性が高いです。
    雨漏りは屋根の劣化がかなり進んでいるサインです。
    放置すると建物の構造材を腐食させ、建物の寿命を縮めることにもなりかねません。
    原因箇所を特定し適切な補修工事が必要です。

これらの症状が出始めたら、屋根修理を検討する必要があります。
これらの症状を放置すると、雨漏りがひどくなったり、建物の構造に影響が出たりする可能性があります。早めの点検と修理が大切です。
また、雨漏りがしていなくても、屋根材の劣化や破損が見られる場合は、修理が必要です。
雨漏りは屋根の劣化が進んでから発生することが多いため、目に見える症状が出ていなくても、定期的な点検と早めの修理が重要です。

築年数で屋根修理の目安はありますか?

屋根材の種類やメンテナンス状況によって異なりますが一般的には10年を目安に点検し、必要があれば修理を行うことが推奨されています。主な屋根材の目安は以下の通りです。

  • スレート屋根:10~15年
  • 瓦屋根:20~30年
  • トタン屋根:10~20年

ただし、台風や地震などの自然災害後は築年数に関わらず点検が必要です。
また屋根の勾配が緩い、日当たりや風通しが悪いなど建物の立地条件によっても劣化速度は異なります。
築年数が目安に達していなくても、少しでも気になる点があれば専門業者に点検を依頼することをおすすめします。

2.屋根修理業者選び

信頼できる屋根修理業者を選ぶポイントは?

屋根修理は高額な費用がかかる工事です。
悪徳業者に騙されないためにも、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
信頼できる屋根修理業者を選ぶポイントは、以下の点が挙げられます。

    • 建設業許可を取得しているか

屋根工事を行うには、建設業法に基づく「建設業許可」が必要です。
無許可の業者に工事を依頼すると、トラブルが発生した場合に適切な対応を受けられない可能性があります。
契約前に必ず建設業許可を取得しているか確認しましょう。

    • 見積もり内容が明確で詳細であるか

工事内容や費用について不明瞭な点がないか、詳細な見積もりを提出してくれる業者を選びましょう。
見積もりは、工事内容ごとに内訳が記載されているものが望ましいです。
口頭だけの説明や、非常に簡素な見積もりしか提示しない業者は避けた方が無難です。
不明瞭な点があれば、納得いくまで説明を求めましょう。

    • アフターフォロー体制が整っているか

工事後の保証期間や定期点検サービスなど、アフターフォロー体制が充実しているかも重要なポイントです。
屋根は定期的なメンテナンスが必要となるため、工事後も長く付き合える業者を選びましょう。
保証期間は業者によって異なりますが一般的には5年~10年程度です。
保証内容も業者によって異なるため事前に確認しておきましょう。

国民生活センターの相談事例は参考になりますか?

国民生活センターには、屋根修理に関する相談が数多く寄せられています。
相談事例を参考に、悪徳業者の手口やトラブルの事例などを知っておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
国民生活センターのウェブサイトで相談事例を閲覧することができます。

3.屋根修理後のメンテナンス

屋根修理後のメンテナンスは必要ですか?

屋根修理後は、定期的なメンテナンスを行うことで、屋根の寿命を延ばし、快適な住環境を保つことができます。
定期的な点検や清掃、必要に応じて塗装やコーキングの補修を行うことが重要です。
定期的なメンテナンスを行うことで、小さな不具合を早期に発見し大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
また、屋根の寿命を延ばすことにもつながり結果的にコスト削減にもなります。

自分でできる屋根のメンテナンスは?

自分でできる屋根のメンテナンスとしては、以下のものがあります。

    • 屋根の表面を目視で確認し、破損や劣化がないかチェックする

屋根に上るのは危険なので地上から目視で確認できる範囲で行いましょう。
屋根材のひび割れ、ズレ、剥がれ、色あせ、コケやカビの発生などがないか確認します。
双眼鏡やデジタルカメラのズーム機能を使うと、より詳しく確認できます。

    • 屋根に落ち葉やゴミが溜まっている場合は、取り除く

落ち葉やゴミが溜まっていると雨水が流れにくくなり、雨漏りの原因となることがあります。
また、屋根材の劣化を早める原因にもなります。
安全に作業できる範囲で、落ち葉やゴミを取り除きましょう。
高所作業になる場合は、無理をせず専門業者に依頼しましょう。

ただし、高所での作業は危険を伴うため、無理をせず専門業者に依頼するようにしましょう。

まとめ

今回は、スレート屋根、瓦屋根、トタン屋根の修理が必要な症状と費用相場について解説しました。屋根の修理は、放置すると雨漏りや家の耐久性に関わる重大な問題に発展する可能性があります。
少しでも異変を感じたら早急に専門業者に相談することをおすすめします。
また、悪徳業者に騙されないよう複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが大切です。
火災保険が適用される場合もあるため事前に確認しておきましょう。

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