1:カラーベスト(コロニアル)のメリット・デメリット
メリット
屋根の減震効果(瓦屋根と比べて)
屋根材別の重量、1坪(3.3㎡)あたりの屋根材本体の重さ。
平形屋根用スレートのカラーベストは陶器瓦の約1/2以下と軽量のため、屋根を軽くすると建物の総重量も軽くなり、重心が低くなるため減震効果が期待できます。
瓦の重量は坪当たり約165kg、カラーベストは約68kgです。
例えば屋根の広さが30坪(100㎡)の場合、瓦屋根は5トンもの重量がありますが、カラーベストに変えることで約2トンと1/2以下に軽量化でき、地震による揺れを小さくできるため倒壊のリスクを軽減できます。
工事費用が安い。
カラーベストの製造メーカーKMEW(ケイミュー)には、
【コロニアルクアッド、グラッサ、遮熱グラッサ、グランデグラッサ、プレミアムグラッサ】などのバリエーションがあります。
多く使われているコロニアルクアッドの工事費用は。
1㎡(平米)あたり4,000~5,000円程度(材工)と安く、屋根材の機能としても断熱性や遮音性も備えた経済的な屋根材と言えます。
カラーベストの製造メーカー:KMEW小田原工場の屋根を施行中の当サイト専門業者さん。縦葺きガルバリウム鋼板工事
デメリット(屋根材、工事のデメリット)
屋根材としてのデメリット
カラーベストは、コケ・カビが生えやすいというデメリットがあります。
コケ・カビの発生状況は、立地環境や屋根面の方角などでも違いがあります。
コケ・カビの影響:屋根材裏面に入り込んだ雨水は、屋根材下部(写真1枚目の横ライン)から逃げる構造になっていますが、コケで埋まってしまうと雨水が逃げにくくなり毛細管現象の影響でさらに奥まで入り込んでしまうため雨漏りが起こり易くなってしまいます。
写真1枚目はコケにより雨漏り発生。⇒修理を依頼された業者は、雨漏りを止めるためにコーキングを塗りましたが、コケがコーキングに変わっただけのこと、雨漏りは止まりませんでした。
棟包みの浮き:棟包みの浮きや剥がれは15年前後で起こり、強風により棟包みが飛んでしまうと近隣へ被害を与えたり、雨漏りの原因になります。
工事によるデメリット
屋根材のひび割れ・浮き(口開き)・瓦のズレ落ちなど。
これは、カラーベストのデメリットのように思えるかもしれません。
でも実は、屋根自体の問題というより工事業者によって引き起こされている問題です。
●カラーベスト(コロニアル)の屋根寿命
カラーベストは、施工不良の起こり易い屋根です。
きちんと工事されているかどうかで屋根寿命が変わりますが、だいたい20年前後。
施工不良が有るか無いかで10年程度の差が出るようですが、雨漏りの影響もあり15年~20年程度で葺き替えるお宅が多いようです。
施工不良が何故起こるかというと、多くの業者がメーカーから出された施工に関わる「留意事項」を守っていない。=工事規定を守っていないからです。
カラーベストで多く起きている施工不良ですが、ガリバリウム鋼板への変更を考えている場合は、カラーベスト以上に施工不良が多いので注意が必要です。
2:工事方法別のメリット・デメリット
カラーベスト屋根を取り替える場合の工事方法には、
カバー工法(重ね葺き)と葺き替えの2つの方法があります。
カバー工法は⇒ 今の屋根を残し、その上にガルバリウム鋼板の屋根を被せる工事方法。
葺き替えは⇒ 今の屋根を剥がして、今と同じカラーベスト屋根やガルバリウム鋼板に張り替える工事方法です。
カバー工法(重ね葺き)のメリット・デメリット
【カバー工法の工事内容】
カバー工法は、古い屋根を剥がさず残しガルバリウム鋼板屋根を重ね葺き(かぶせる)する工事方法。
● 古い屋根を剥がして廃棄する必要が無く、下地(野地板)も直さないので葺き替えと比べて費用を安く抑えることが出来ます。
● 工事工程が少ないぶん工期を短く出来ます。
■ 屋根が二重になるため重くなります。(地震対策にはなりません)
カバー工法だと2,000kg→ 2,500kg
(屋根の広さ30坪=100㎡で計算)
■ 下地が傷んでいると施工出来ません。
■ 雨漏りして再葺き替えが必要になると二重になった屋根材の撤去・廃棄に倍の費用が掛かります。
屋根の傷み具合や予算などから、どちらの方法が適しているかを良くお考え下さい。
葺き替えのメリット・デメリット
【葺き替えの工事内容】
葺き替えは、古い屋根を剥がし下地(野地板)を補強して新しい屋根材に取り換える工事方法。
葺き替えは、屋根の傷みが激しかったり、屋根を軽くしたい場合に適した方法です。
● ガルバリウム鋼板に変更することで屋根を軽く出来ます。(地震対策として最適)
葺き替えだと2,000kg→ 500kg
(屋根の広さ30坪=100㎡で計算)
●下地(野地板)から新しくするため釘の保持力低下が起こりにくく台風で屋根が剥がれにくい、下地の痛みを気にせず安心して過ごせます。
■ 現在の屋根を撤去・廃棄し、下地工事が必要なためカバー工法と比べて費用が高い。
■ カバー工法と比べ工事工程が多いぶん工期が少し長くなります。
業者が勧めたカラーベスト(コロニアル)屋根の工事方法は適切だったか? |
屋根塗装のメリット・デメリット。
【屋根塗装の工事方法】
屋根表面の汚れを高圧洗浄で取り除いてからシーラー、中塗り・上塗りします。
● 汚くなった屋根の見栄えを改善出来ます。
● カバー工法や葺き替えと比べ予算を抑えられます。
■ 屋根塗装が雨漏りの原因になることがあります。
(屋根塗装で骨組みまで腐った例)
2回、3回と塗装を繰り返すことで雨漏りする確率が高まります。
塗装時に縁切りを行わなかったり、不十分な場合は1回目でも雨漏りすることがあります。
(塗装と同時に修理が必要な場合は、屋根専門業者に依頼しないと雨漏り原因になります。
屋根塗装で、雨漏りした施工例はコチラ
3:工事方法別の注意点
カバー工法の注意点。
下地(野地板)が傷んでいないか?
下地が傷んだ屋根は、カバー工法できません。
下地の痛みをきちんと診断できる業者に依頼しましょう。
(屋根材を固定する釘やネジの引き抜き強度が低くなるため、強風・台風で屋根が剥がれます)
↓
他業者から「カバー工法で大丈夫!!」と言われたが・・・(全て腐っていました)
↓
当サイト担当業者は、工事状況や屋根を歩いた感触など総合的に判断した結果。
下地が傷んでいる可能性が高くカバー工法は無理!と診断。
⇒ 案の定、屋根を剥がしてみると下地が腐っていました。
(①・②は、屋根塗装による雨漏り。③・④は、元々の施工不良による雨漏りです)
カバー工法した後の施工トラブル!
カバー工法に多い施工トラブル。
カバー工法は古い屋根の上に新しい屋根を重ねるため、雨漏りで野地板が腐ってしまうと二重になった屋根を剥がさなければならず多くの費用が掛かります。
ガルバリウム鋼板屋根は、スレート屋根と同じ方法で工事してしまう業者が多く施工トラブルの原因になっています。
ガルバリウム鋼板メーカーの工事規定を守らず工事されてしまうと雨漏りし易くなります。
屋根勾配に問題がないか?
屋根勾配が緩く施工できない屋根材があります。
カラーベストやガルバリウム鋼板などの横葺き屋根タイプは、2.5寸以下の屋根勾配に施工すると雨漏りします。
右写真:カラーベストが施工されていましたが、屋根勾配は勾配計で測ってみると ⇒1寸2分しかなく規定の半分しかありませんでした。
もし、この屋根勾配に不向きなガルバリウム鋼板でカバー工法してしまうと、雨漏りしてしまうため施工法としては葺き替えのみで、屋根勾配に適した屋根材を施工する必要があります。
カバー工法した影響で下地まで腐ってしまうと再葺き替えが必要になり、屋根が二重になっているぶん費用が高額になります。
葺き替えの注意点。
葺き替えた後の施工トラブル!
ガルバリウム鋼板への変更は、施工後のトラブルに気を付けて!
ガルバリウム鋼板への葺き替えは、金属屋根専門業者に頼まないと施工トラブルの原因になります!
右写真:多くの業者がスレート屋根とガルバリウム鋼板屋根を同じ方法で工事しています。
実は、これがガルバリウム鋼板屋根で最も多い施工トラブルの原因になっています。
性質が違う屋根を同じ方法で工事することは間違い、雨漏りの原因になるからです。
しかし、一番の問題は他の方法で工事された屋根をきちんと直すには再度葺き替えるしか方法が無いということなのです。
屋根勾配に問題がないか?
葺き替える場合も勾配により施工できない屋根材があります。
横葺き屋根タイプの屋根材は、2.5寸以下の屋根勾配に施工できません。
今の屋根勾配に不向きな屋根材を勧める業者も多く注意がが必要ですが、緩勾配の場合は縦葺きタイプを施工してください。
屋根勾配に不向きな屋根材を施工してしまうと工事後に雨漏りを繰り返した挙句、再葺き替えになる例が少なくありません。お金が無駄になります。
カバー工法・葺き替えに共通する注意点。
専門業者かどうか?
業者によって施工技術に大きな違いがあります。
不慣れな業者への依頼は施工不良の原因になります。
カラーベストは、同じカラーベスト屋根やガルバリウム鋼板・アスファルトシングルなどへも変更可能ですが、ガルバリウムに変更する場合は高い施工技術が必要なため本物の金属屋根専門業者に依頼しないと施工不良による雨漏り原因になります。
屋根の形状
屋根の形が複雑になるほど雨漏りし易くなるため高い施工技術が必要。
屋根の形が複雑になるほど雨漏りの確率が高まります。
複雑なほど対応できる業者の数が減ってくるため、どこに頼んでも同じと考えるのは危険です。
専門資格や確かな施工技術を備える業者は数が少なく捜すのは難しいかもしれませんが、本物の専門業者であれば、雨漏りしやすい部分に二重三重の安全策を施してくれるため施工トラブルを防げます。
カバー工法・葺き替えの相場価格・費用。
●現在、コロナ禍の影響で材料費が下表より高くなっています。
上記は、ガルバリウム鋼板を使用しての例です。
今と同じカラーベスト(コロニアル)屋根で葺き替える場合は、屋根材価格を2,000円/㎡程度安くして計算して下さい。
屋根勾配の緩いトタン屋根を剥がした後にカラーベストやガルバリウム横葺きでの葺き替えを薦めてくる業者は屋根のことを知らない素人または悪質業者です、ご注意下さい。
4:良く見られる8症状の原因・問題点・対応策
カラーベスト(コロニアル)で良く見られる症状と対応策。
症状1:棟包みの浮き・棟飛び(はがれ・飛散)
原因:棟部からの雨水侵入による笠木の腐りです。
築15年前後で棟包み内部の笠木が腐り、棟包みが飛散(棟飛び)し易くなります。
問題点:棟部飛散だけでなく、屋根材が張られていない棟中心部から入り込んだ雨水が野地板(下地)を腐らせます。
対応策:修理または葺き替えが必要です。(状態により変わります)
【近隣の家に与える影響】
棟包みや屋根材本体が強風で飛ぶと近隣へ被害を与えます。
車にキズを付ける、カーポートや窓・外壁を壊す、人的被害が起きてしまうと、屋根の修理費用より与えた被害への賠償が高額になることもあり注意が必要です。
症状2:屋根材の割れ、ヒビ
原因:施工不良・踏み割れによっても起こり易く、ヒビ割れ部分が時間の経過と共に促進され割れが広がり滑落する危険性もあります。
問題点:雨漏り原因。強風で飛散し易い。
対応策:部分差し替え修理。範囲が広い場合や年数が経過している場合は葺き替えが必要です。
症状3:屋根材のズレ・抜け落ち
原因:手抜き工事。
問題点:雨漏り原因。強風で飛散し易く、落下により近隣へ被害を与える可能性大。
対応策:部分差し替え修理、または下部の瓦と接着固定。ズレ・抜け落ちが複数ヶ所ある場合は葺き替えが必要。
症状4:屋根材の反り(口開き)
原因:施工不良。乾燥・吸湿の繰り返しでも発生します。
問題点:隙間の増加により防水性が低下。雨漏りして下地を腐らせるため早急な対応が必要です。
対応策:葺き替え。
症状5:屋根表面のコケ・カビ
原因:立地環境や勾配により発生。けらば付近は瓦裏面の裾板に雨水が溜まり易い。砂、ほこり等が蓄積し易い。
問題点:美観を損なう。横の重ね部をコケがふさぐことで毛細管現象による雨漏りを起こし易い。
対応策:コケ、カビ除去。葺き替え。塗り替え
(この写真は、雨漏りしてコーキング修理(白っぽく見える部分)したが直らず葺き替えになった実例です)
症状6:屋根表面の色あせ、汚れ
原因:屋根勾配が緩く、水切れが悪い。
自然現象。→降雨時のチリ、空気中の汚れ付着。
問題点:美観を損なう。
瓦の隙間に砂、ほこりが溜まり毛細管による雨漏りが起こり易い。
対応策:掃除。葺き替え。塗り替え
症状7:台風(強風)による屋根の剥がれと飛散
原因:野地板の腐り・痛み。施工不良。
問題点:毛細管現象や強風を伴う雨により屋根材裏面に雨水が侵入して野地板を腐らせる。
屋根材が飛散、近隣の家や人に被害を与える。
対応策:葺き替えのみ。
①塗装後の本体。②谷~ケラバ廻りの本体。③谷廻りの本体。④差し棟仕様の棟廻り本体。
症状8:屋根塗装による雨漏り
原因:手抜き塗装、または2~3回以上の繰り返し塗装。
●塗装時に行った修理で雨漏りが直っていない例も多くあります。
問題点:上下で重なる屋根材の塗料密着は縁切りやタスペーサーで切り離せるが、横方向で接する縦ラインは切り離せない雨漏り原因になる。
対応策:野地板の痛み方により葺き替えorカバー工法。
5:カラーベスト(コロニアル)の施工例
カバー工法の施工例:ガルバリウム鋼板へ
断熱材付きガルバリウム鋼板でのカバー工法、破風板もガルバリウム鋼板の平板を加工して包み込みました。施工例へ
■■■カバー工法、その他の施工例へ■■■
葺き替えの施工例
1: カラーベストから → カラーベストへ
カラーベスト屋根の雨漏り、同じカラーベスト(コロニアル)への葺き替え。
ガルバリウム鋼板に葺き替えるより費用を抑えることが出来ます。施工例へ
2: カラーベストから → ガルバリウム鋼板の横葺きへ
カラーベスト屋根の雨漏り、ガルバリウム鋼板【横葺き断熱材付き】への葺き替え。
ガルバリウム鋼板を扱う業者の殆どがカラーベスト屋根と同じ方法で工事しています。
ガルバリウムは金属屋根専門業者に依頼してください。施工例へ
3: カラーベストから → ガルバリウム鋼板の縦葺きへ
カラーベスト屋根の雨漏り、ガルバリウム鋼板【縦葺き】-嵌合式への葺き替え。
勾配不足で横葺き屋根は不可の案件、施工してはダメな屋根材を勧める業者にご注意下さい。
屋根勾配が2.5寸以下の場合に葺き替え可能なのは縦葺きガルバリウム鋼板だけです。施工例へ
■■■葺き替え、その他の施工例へ■■■
屋根塗装で雨漏りした事例
屋根塗装でOKと言われたが、骨組みまでボロボロだった。
5年前に屋根塗装したが雨漏り、防水塗装屋にみてもらったところ屋根塗装でOKと言われたが納得できず屋根裏を見てみたところ・・・施工例へ
前回屋根塗装した時も雨漏りしていた。
いい加減な修理だったため野地板まで傷んでしまいお客様が希望されるカバー工法での施工が出来ませんでした。
カラーベストへのカバー工法をご希望でしたが、前回の修理がいい加減で野地板まで傷んでいました。施工例へ
1年半で屋根取り換えに。
築20年、屋根修理と塗装をしたが雨漏りしてきたので屋根を見て欲しい。施工例へ
階段天井から雨漏りしています。
近所の業者から、下地がブヨブヨだから葺き替えないとダメ!と言われた屋根。実は傷んでいませんでした。施工例へ
カラーベスト(コロニアル)屋根の葺き替え・カバー工法は屋根無料見積.comへ
屋根材の症状、下地の劣化状況を専門職人が的確に診断します。
ガルバリウム鋼板へ変更の場合は、業界に1割しかいない金属屋根専門職人が担当。
工事後の雨漏り、再葺き替えなどの施工トラブルを起こさない安心工事をお届けします。