
屋根カバー工法の台風・強風トラブル
屋根カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねることで、コストを抑えつつ耐久性を向上させる方法です。
しかし、カバー工法は葺き替えと比べて台風や強風による被害が起こり易い施工法とも言えます。
このページでは、台風被害が発生しやすい部位や症状について。
カバー工法した屋根が台風・強風で剥がれた場合の再カバー工法のメリット・デメリットについて説明します。
1.屋根本体の剥がれ・飛散
強風によって屋根材が浮き上がることがあります。
これは施工不良や経年劣化が原因で起こりますが、強風により剥がれた屋根が飛散するリスクもあります。
屋根が飛散すると、近隣の建物に被害を及ぼす可能性があるだけでなく、補修が完了するまでの間も雨漏りするリスクがあります。
原因 | 影響 |
---|---|
風向きと風速 | 特に局所的に強い風が吹く地域では飛散のリスクが高まる。 |
接着不足 | 強風で屋根材が飛びやすくなる。 |
固定金具 | 固定金具の本数、正しい位置に固定しないと屋根が飛散しやすくなる。 |
屋根材の飛散を防ぐ対策として以下の点が重要です。
■ 風対策の強化。
風の強い地域では、屋根材の固定強度を上げるなどの対策が必要です。
■ 施工不良。
施工会社が適切な施工を行わなかった場合に起こることが多いです。
■ 経年劣化。
固定する釘の腐食や接着材が劣化して起こります。
■ 適切な施工。
信頼できる業者に依頼し、正しい施工方法をする。
2.棟包みの剥がれ
棟包みの被害は、特に強風時に発生します。
台風や強風時の最大風速が30メートルを超えると、棟包みが剥がれやすくなり、特に勾配の急な屋根は強風による被害が大きくなります。
棟包みの剥がれも近隣の建物に被害を及ぼす可能性があります。
3.軒先部分
棟包みの被害は、特に強風時に発生します。
台風や強風時の最大風速が30メートルを超えると、棟包みが剥がれやすくなり、特に勾配の急な屋根は強風による被害が大きくなります。
棟包みの剥がれも近隣の建物に被害を及ぼす可能性があります。
4.ケラバ部分
ケラバ部分は、屋根の端に位置し特に風圧が強くかかる部分です。
風の影響で屋根材が浮きやすく、最悪の場合には飛散することがあります。
ケラバ部分の固定に問題があると大きな被害を受けやすいです。
5.谷樋部分
屋根の谷樋部分は、雨水が集まりやすい場所のため台風時には大雨と強風が相まって被害が集中することが多いです。
谷樋と屋根本体の接続部の施工に問題があると雨漏りの原因になるだけでなく、屋根裏面へ雨水が流れ込むことで下地が腐る原因にもなります。
6.雨漏りの発生
カバー工法後に強風による屋根材の浮き上がりや飛散が起こると、建物内部へ雨漏りするリスクがあります。
雨漏り被害の特徴と対策方法をについて。
部位 | 被害の特徴 | 対策方法 |
---|---|---|
屋根本体 | 広範囲に剥がれやすい | メーカー規定に沿った固定 |
棟部分 | 強風により剥がれやすい | 棟部分のしっかりとした固定 |
軒先部分 | 風に直接さらされるため剥がれやすい | 軒先部分の強固な固定 |
ケラバ部分 | 風圧で屋根材が浮きやすい | ケラバ部分の確実な固定 |
谷部分 | 雨水が集まりやすく被害が集中 | 排水機構の整備と補強 |
雨漏りの主な原因は次の通りです。
■ 破損した屋根材。
飛散や破損した屋根材が原因で隙間が生じ、そこから雨水が浸入します。
■ 釘・接着剤の劣化。
屋根材を固定する釘や接着剤は、強風でダメージを受けたり経年劣化で効果が低下し、雨水が浸入します。
■ 排水機能の低下。
谷部分や軒先部分の排水機能が低下すると、浸入の原因になります。
カバー工法後に台風・強風被害を受けた屋根の再カバー工法
1.再カバー工法のメリット
再カバー工法とは、カバー工法した屋根にトラブルが起きた場合や劣化した場合に、カバー工法した屋根を剥がし、下にある屋根材を残したまま、その上に新しい屋根を重ね葺きする工事方法です。
以下が再カバー工法のメリットです。
■ 通常のカバー工法よりコストダウン。
カバー工法された屋根の撤去・廃棄は必要ですが、下地の張り替えが必要ないため屋根葺き替えと比べてコストが安く済みます。
■ 施工期間が短い。
カバー工法してある屋根だけを張り替えるため葺き替えと比べて施工期間が短く済みます。
2.再カバー工法のデメリット
再カバー工法には一定のデメリットも存在します。
以下がその代表的な例です。
■ 通常のカバー工法よりコストアップ。
再カバー工法は、カバー工法してあった屋根材の撤去・廃棄費用が掛かるため、通常のカバー工法よりもコストが高くなります。
■ 施工ミスによる影響があると・・・
施工が不適切で下地まで腐ってしまった場合は、元々あった屋根も剥がす必要があるため工事費用が高額になります。
3.再カバー工法の注意点
再カバー工法を行う際には、いくつかの注意点があります。
これを無視すると、思わぬ問題が発生することがありますのでご注意下さい。
注意点 | 詳細 |
---|---|
専門業者の選定 | 再カバー工法は難易度が高いため、経験豊富な専門業者に依頼することが重要です。 |
下地の痛み | カバー工法された屋根は、屋根材が二重に施工されており下地の痛みを確認するのが難しいため天井裏から下地の痛みを確認する必要があります。 再カバー工法は下地が傷んでいない場合のみ施工が可能で、傷んでいる場合は再カバー工法ではなく葺き替えが必要です。 |
メンテナンス計画 | 再カバー工法を行った後も定期的なメンテナンスを怠らないように計画を立てることが重要です。 |
屋根カバー工法は既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる手法で、コスト削減や工期短縮のメリットがありますが、台風などの強風による被害も考えなければなりません。
特に棟部分や谷部分、ケラバ部分、軒先部分は風の影響を受けやすく、屋根材の浮き上がりや飛散、雨漏りのリスクがあります。
これらのトラブルを防ぐためには、適切な施工と定期的なメンテナンスが重要です。
もし屋根カバー工法した屋根が劣化した場合は、再カバー工法も一つの選択肢となります。
ただし、再カバー工法にはメリットだけでなくデメリットや注意点もあるので専門家の意見を参考にすることが推奨されます。
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