屋根葺き替えのメリット・デメリット、注意点
瓦からガルバリウム鋼鈑への屋根葺き替え
屋根葺き替え後のトラブルを防ぐ専門業者の技術(瓦屋根の葺き替え)
スレートからガルバリウム鋼鈑への屋根葺き替え
葺き替えか、カバー工法か?下地の痛みを的確に診断(スレート葺き替え)
トタン屋根の屋根葺き替え
三晃式トタン屋根も施工可能な高い専門技術(トタン屋根の葺き替え)

屋根の葺き替え(張り替え)とカバー工法

葺き替えとカバー工法、工事方法の違い。

葺き替えの工事工程
屋根葺き替え工程写真
葺き替えは、上写真のように古い屋根を剥がして廃棄します。
古い下地(野地板)の上に新しい下地を増し張り、または張り替えて補強。
下地の上に防水シート(ルーフィング)を施工し、新しい屋根材を取り付ける工事方法です。 葺き替え費用についてはコチラをご覧ください。
カバー工法の工事工程
屋根カバー工法の工程写真
カバー工法は、古い屋根を残したまま上に防水シート(ルーフィング)を施工し、新しい屋根材を取り付ける工事方法です。屋根葺き替えと比べて2工程少なくなります。

葺き替えは、↓こんな場合に適しています。

屋根の痛みが激しい場合。

酷く傷んだ屋根の葺き替え
屋根の痛みが激しい場合はカバー工法は出来ません。
また、下地(野地板)が傷んでいる場合も葺き替えしか出来ません。
野地板の杉板や合板は雨漏りで腐りますが、合板の場合は腐っていなくても薄く張り合わせた合板同士の接着強度が低下して剥がれてしまう「老ける=脆くなる」という現象も起こります。

下地(野地板)が傷んでいる場合。

下地が傷んでいた屋根の葺き替え
下地が傷んでいる場合は葺き替えしかできません。
下地が傷んだ屋根にカバー工法すると引き抜き強度が低下するため屋根材を止めるネジや釘がきちんと固定されず台風や強風で屋根が剥がれてしまいます。
下地に杉のバラ板が使われている場合は強度不足のため葺き替えが必要です。

● 下地が合板の場合は、腐っていなくても「老ける=脆くなる」という現象も起こります。(合板は、薄い板を張り合わせて1枚の板になっていますが、接着強度が低下するとバラバラに剥がれてしまいます)

屋根が雨漏りしている場合。

ガルバリウムへの屋根葺き替えで雨漏りトラブル
瓦屋根やスレート屋根をガルバリウム鋼鈑で葺き替えたり、カバー工法した屋根が雨漏りしている場合の話ですが。
雨漏り原因は、基本的に工事内容の問題なので修理で直ることはありません、屋根を全て剥がしての再葺き替えが必要です。

● 下地が腐っていなければ再カバー工法が可能な場合もあります

地震に備えて屋根を軽くしたい場合。

屋根葺き替えは地震対策として屋根を軽くしたい場合に適した施工法です。
まず現在の屋根がどれ位の重さがあるのか説明します。
ガルバリウム鋼板と瓦の屋根重量の違い
【屋根材別の重さ(1坪=3.3㎡)】
・瓦屋根の重さは、1坪(3.3㎡)当たり165kg。
・スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)は、1坪当たり68kg。
・ガルバリウム鋼板は、1坪当たり16.5kg。(横葺き断熱材付きタイプの場合)

葺き替えによる軽量化(屋根面積80㎡と仮定した場合)
瓦屋根を ⇒ガルバリウム鋼板に葺き替えた場合。
4,000kg → 400kg(約1/10に軽量化されます)
瓦屋根を ⇒スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)に葺き替えた場合。
4,000kg → 1,650kg(約1/2以下に軽量化されます)
スレート屋根を ⇒ガルバリウム鋼板に葺き替えた場合。
1,650kg →  400kg(約1/4に軽量化されます)

● 屋根を軽くすることで重心が低くなり地震による揺れを軽減できます。

瓦屋根の地震対策についてはコチラ

勾配に適した屋根材が施工されていなかった場合。

屋根勾配に適さない屋根の葺き替え
屋根材には施工して良い屋根勾配が決められています。
勾配に合わない屋根材が取り付けられている場合は、雨漏りを防ぐため勾配に適した屋根材への葺き替えが必要です。

カバー工法が可能かどうかは屋根勾配で決まる瓦屋根では殆どありませんが、スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)、トタン屋根(亜鉛メッキ鋼板)や横葺きのガルバリウム鋼板など金属系の横葺き屋根の場合、適正勾配を守らず施工された屋根の殆どが雨漏りによる葺き替えにつながっています。

ソーラー(太陽光発電)を取り付ける予定がある場合。

屋根にソーラー付ける場合は屋根葺き替えが必要
ソーラーシステムは、カバー工法で施工された屋根には取り付けできない場合もあります。
取り付け前に予め屋根を綺麗にしておこうなどと考えると後悔することもありますので事前に確認しておきましょう。

葺き替えのメリット・デメリット

屋根葺き替えのメリット
○屋根が、軽くなります
(瓦屋根やスレートなど、屋根が傷んでいなくても地震対策で葺き替える例が増えています)
○雨漏りなど根本的な原因を解決できます。
○今までと違う屋根材への変更も可能です。

屋根葺き替えのデメリット
×古い屋根材の撤去や野地板工事が必要なため、カバー工法に比べ費用が少し高くなります
×工程が増える分、カバー工法に比べ工期が少しだけ長くなります

【動画で説明】屋根葺き替えのメリット・デメリットと工事の方法。

業者に依頼する時に注意点すべき事。

● カバー工法しか勧めない業者にご注意下さい。

・カバー工法だと古い屋根と防水シート(ルーフィング)が二重になって残るので、少々工事がいい加減でも「雨漏りしにくいだろう」と考える業者が意外と多くいます。

・また「技術が未熟で葺き替え工事が出来ない」、 または「 アスベストが入った屋根材を処理する資格が無い」 という理由で、下地が傷んでいるにも関わらずカバー工法しか勧めない業者もいます。

・費用が安い方が成約に至り易いという理由で「カバー工法で大丈夫ですよ。費用も安く済むし!」など、適切な工事方法を勧めない業者もいるのでご注意下さい。
わずか数年で再葺き替えになった例が少なくありません。
「カバー工法は適切な施工法だったか?」は、コチラ

● 事前調査は重要です!

下地(野地板)の痛みをきちんと見極められる業者に依頼しましょう!
下地が弱っているにも関わらずカバー工法してしまうと、屋根を固定するネジや釘が効かなくなり強風で屋根が飛んでしまいます。

● 施工方法を守らない業者。

メーカーで決められた施工方を守らない、または技術不足で守れないなど独自の方法で工事してしまう業者が非常に多くいるので注意下さい、確実に雨漏りします。【メーカー保証の対象外です。】

● 屋根形状・屋根勾配を考慮しない業者。

屋根形状や屋根勾配に適した屋根材ではなく、自社に都合良い不適格な屋根材しか勧めない業者もいます、工事後の雨漏り原因になるので注意しましょう。

● 屋根葺き替えは、屋根材ごとの専門業者へ。

屋根には100以上の種類があり、一社で全ての屋根を扱う事は不可能。屋根材毎の専門業者に依頼するのが一番安心です。
また、単純な形状の屋根工事は出来ても、少し複雑な形状の屋根になると、まともに工事できない未熟な業者も多く存在します、確実に雨漏りしてしまうのでご注意ください。

◆『屋根葺き替え費用』については、コチラのページを参考にしてください◆

どんな屋根への葺き替えをお考えですか?

屋根材は大きく分けると
スレート(コロニアル)・金属屋根(ガルバリウム鋼板など)】の3種類。

葺き替え方法も大きく分けて次の3パターンに分かれます。
屋根勾配で変わる葺き替えて良い屋根・悪い屋根

どんな屋根に葺き替え可能なのか?
それは上図に記したように屋根勾配で決まります。

大きく分けると、屋根勾配が2.5寸~3寸以上あるか?(勾配角度14°~16.69°以上)
2.5寸以下なのか?(勾配角度14°以下)によって施工可能な屋根材が限定されてしまいます。
屋根勾配に適した屋根材への葺き替えは非常に重要で工事後に雨漏りするかどうかの分岐点になります。

また、屋根葺き替えはカバー工法と比べ 多くの費用が掛かります
工事後の雨漏りトラブルでお金が無駄にならないよう、出来るだけ 施工技術の高い職人 に依頼するようにして下さい。

瓦屋根の葺き替え工事例

<屋根勾配の制限なし>
瓦屋根を →金属屋根(ガルバリウム鋼板)・スレート屋根・瓦屋根へ。

瓦屋根を ⇒ガルバリウム鋼板に葺き替え。

瓦からガルバリウム鋼板への屋根葺き替え事例
地震対策で瓦屋根をガルバリウム鋼鈑屋根へ。
土葺き瓦の総重量15トン⇒約1トンに軽量化。 屋根工事例へ

瓦屋根を ⇒スレート屋根に葺き替え。

瓦からスレートへの屋根葺き替え事例
地震で崩れ強風で飛ばされ瓦屋根をカラーベスト・コロニアルへ。
地震で瓦が崩れ、強風で飛ばされ1階の屋根が割れた。屋根工事例へ

瓦屋根を ⇒瓦屋根に葺き替え。

瓦から瓦への屋根葺き替え事例
瓦屋根の地震対策。
防災瓦に葺き替えて棟部は地震・耐風対策として棟補強金具取り付け。この施工例へ


スレート屋根の葺き替え事例(屋根勾配に要注意)

<屋根勾配2.5寸以下は施工不可の屋根材あり>
スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)から →スレート・ガルバリウム鋼板(金属屋根)へ。

ご注意:カラーベスト・コロニアル)は規準勾配2.5以上から施工可能になっていますが、規準勾配以下に施工されたスレート屋根もあるため注意が必要です。
スレート屋根の葺き替えをする場合は、工事後の雨漏りを防ぐため勾配を確認して下さい。

スレート屋根を ⇒ガルバリウム鋼鈑(横葺きタイプ)へ。

スレートからガルバリウム鋼板横葺きへの屋根葺き替え事例
屋根重量を考えガルバリウム鋼鈑へ。
近所の業者にカバー工法を勧められているが屋根葺き替えに変更。屋根工事例へ

スレート屋根を ⇒ガルバリウム鋼鈑(縦葺きタイプ)へ。

スレートからガルバリウム鋼板縦葺きへの屋根葺き替え事例
屋根勾配の問題で縦葺きガルバリウム鋼鈑へ。
施工してはダメなスレート屋根が施工されていたが、また施工してはダメな横葺き屋根を勧められた。屋根勾配、2.5寸勾配以下に該当(実質勾配2寸)屋根工事例へ

ガルバリウム鋼鈑の屋根葺き替え工事例

<屋根勾配2.5寸以下は縦葺きタイプのみ施工可能>
ガルバリウム鋼板(金属屋根)から →ガルバリウム鋼板へ。

ご注意:ガルバリウム鋼鈑は横葺き・縦葺きタイプで施工可能な規準勾配に違いがあります。
横葺きタイプは、2.5寸という規準勾配以下の屋根に施工されてしまうと雨漏りして再葺き替えが必要になります。

雨漏りトラブルでの再葺き替え:横葺きタイプを縦葺きに変更。

ガルバリウム鋼板屋根の再葺き替え事例1
トタン屋根を横葺きタイプにしたら雨漏り。
工事したリフォーム業者に屋根塗装すれば直ると言われ塗装したが直らないので専門業者に見てもらいたい。屋根勾配、2.5寸勾配以下に該当(実質勾配2寸)屋根工事例へ

雨漏りトラブルでの再葺き替え:横葺きタイプを横葺きで。

ガルバリウム鋼板屋根の再葺き替え事例2
瓦屋根をガルバリウム鋼鈑に葺き替えたら直ぐに雨漏り。工事した業者が何度修理しても直らない。 屋根工事例へ

それぞれの屋根材についての説明ページへ移動します。
瓦屋根の説明ページへ カラーベスト・コロニアルの説明ページへ トタン・金属屋根の説明ページへ

気を付けるべきポイントと葺き替えトラブル

お客様からの相談内容。
「トタンをスレートに屋根葺き替えしたら雨漏りするようになった」
「コストを抑えながら、あと20年は持たせたい」とご相談頂いた経緯。

不適切な屋根材を勧められ、再葺き替えになった例

【元々の屋根は、1.5寸勾配のトタン屋根でした】
トタン屋根をコロニアルへ葺き替え、雨漏りで腐った野地板
(スレート屋根を剥がしてみると野地板がボロボロに腐っていました)

➊ 近所の工務店に依頼したら。
施工してはダメな「スレート屋根(コロニアル)」を勧められて工事。
(施工不可な屋根材でした)
↓矢印
結果:雨漏り

❷ リフォーム業者に電話した。
リフォーム業者も施工不可な「横葺きガルバリウム鋼板」でのカバー工法を勧めた。
当サイトの説明を読んでリフォーム業者の提案内容にも疑問を感じた。

❸ 屋根無料見積.comに電話相談。
この屋根に 唯一施工可能な縦葺きガルバリウム鋼板 へ葺き替え。
結果:雨漏り原因が解消されました。

スレート屋根の下にあったトタン屋根の腐食。 →屋根葺き替え完成写真。
屋根勾配に適した屋根材への屋根葺き替え事例

【屋根の現状】
元のスレート屋根は、屋根材を固定する釘穴から雨が侵入して野地板がボロボロに腐り、釘が効かない状態でした。
野地板を剥がすとトタン屋根が残っていて、さらにその下に元々あった野地板まで腐っていました。

【お客様の感想】
近所の工務店もリフォーム業者の提案も思ったのと違ったというお客様は
■「きちんとした工事をしている業者が少ない事が分かった。」
■「初めから頼んでいれば余計なお金を使わずに済んだのに・・・」
と言っていらっしゃいましたが、きちんとした工事や提案の出来る業者は非常に少ないです。

屋根葺き替え後に修理が必要になり数10万、再葺き替えで100万円単位のお金が無駄になるケースも多く発生しています。
たとえ見積額が10万・20万円安かったとしても、「きちんとした技術を持つ業者か?」「適切な工事方法を提案しているか?」を見極めることが重要です。

ガルバリウム鋼鈑屋根葺き替えで、なぜ後悔する人が増えているのか?

ガルバリウムへの葺き替えで、雨漏りトラブルが増えた原因

ガルバリウム鋼板屋根は、もともと金属屋根職人が専門的に行っていた工事です。
しかし、地震による影響から屋根の軽量化=ガルバリウム鋼板の需要が急増した事を契機に、今まで金属屋根をやったことのない屋根業者や屋根以外の業者が多く参入、これが雨漏りトラブルが増えた原因になっています。

圧倒的な差が出るガルバリウムの役物工事
屋根葺き替えで重要、雨漏りが起こる役物部分画像
↓
役物は非常に雨漏りし易く、工事内容の差が屋根寿命に影響を与える重要な工事です。
屋根葺き替え雨漏りし易い部分

金属屋根のガルバリウム鋼板は非常に専門性が高く、他のリフォーム工事と同じように考えることは出来ません。
正しいガルバリウム鋼板屋根の施工法を知らない業者を紹介された結果、工事直後~10年未満で再葺き替えが必要になるなどのトラブルが全国で激増、屋根材メーカー施工規準を守る本物の専門業者は業界に1割程度しかいないと言われているため業者選びは重要です。

<屋根葺き替えの関連情報>
屋根葺き替えの良くある質問FAQはコチラ
屋根葺き替え費用についてはコチラ
屋根の部分葺き替え(張り替え)についてはコチラ
屋根カバー工法(重ね葺き)のメリット・デメリットについてはコチラ

 

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