
瓦屋根の雨漏りと地震対策のため新しい瓦へ葺き替え
昨年の一部葺き替えに不安があり、信頼できる施工方法を知りたい
茨城県取手市のお客様から「雨漏りしているので瓦を新しく葺き替えたい」とご相談をいただきました。
昨年、別業者によって屋根の一部を葺き替えたものの、工事方法に疑問が残り、同じ業者には依頼したくないとのこと。
今回は、瓦屋根診断結果報告書をもとに、適切な葺き替え方法と防災瓦の選定をご提案し、耐震性・防水性を高める施工を行いました。
瓦屋根は重量があり、地震時に建物へ大きな負荷がかかるため、近年は「防災瓦」への葺き替えが増えています。
特に、既存の下地が土葺き・杉皮の場合は、施工方法の選択が屋根の寿命を左右します。
下地の杉皮を残して防災瓦AN-3へ葺き替え
杉皮下地の特徴と、縦桟+コンパネによる新しい下地構造

既存の瓦は土葺きで施工されており、下地には杉皮が張られていました。
杉皮は昔ながらの防水材として優れていますが、現代の瓦施工ではそのままでは固定力が不足するため、縦桟を打ち、構造用合板(コンパネ)を増し張りして新しい下地を構築しました。
杉皮を撤去せずに残すことで、屋根内部の湿気調整機能を維持しつつ、現代の防災瓦を確実に固定できる強固な下地が完成します。
防災瓦AN-3の性能と施工方法
今回採用した 防災瓦AN-3 は、地震・台風に強い最新の防災瓦で、以下の特徴があります。
• 二重防水壁構造
瓦の重ね部分に二重の防水壁を設け、雨水の侵入を大幅に抑制。 毛細管現象による雨水の吸い上げにも強い構造です。
• 台風フックによる固定強化
強風時に瓦が持ち上がる「浮き上がり」を防ぎ、ズレや落下を防止。
• ガイドライン工法に準拠
「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に基づき、釘位置・固定方法・重ね寸法を厳密に管理。
さらに、棟部には 棟補強金具を使用し、地震時の揺れによる棟瓦の崩落を防ぐ耐震仕様で施工しました。
棟は瓦屋根の中でも最も地震被害が出やすい部分であり、補強金具の有無で耐震性能が大きく変わります。
入母屋部分の瓦屋根工事
化粧棟をなくし、シンプルで耐久性の高い構造へ変更

入母屋屋根の化粧棟は装飾性が高い反面、地震時に崩れやすく、雨漏りの原因にもなりやすい部位です。
今回は「化粧棟はいらない」とのご要望により、構造をシンプルに変更しました。
隅棟部は段差が大きく、瓦の納まりが複雑になるため、段差を丁寧に解消し、ガルバリウム鋼板で包む板金仕上げを採用。
これにより、耐久性・防水性が向上し、メンテナンス性も大きく改善されています。
和洋折衷の雰囲気を出す防災瓦AN-3
一階部分のみの葺き替えでも違和感のない仕上がり

今回葺き替えたのは一階部分の瓦のみですが、場所によっては二階と同じほどの高さがあり、施工には慎重な足場計画が必要でした。
防災瓦AN-3は、和瓦の重厚感を残しつつ、平板瓦特有のシャープなラインを持つため、和洋折衷の外観に自然に馴染むデザインです。
葺き替えていない二階部分の瓦とも違和感なく調和し、全体の景観を損なわない仕上がりとなりました。
今回は費用面のご都合により一階部分のみの施工となり、撤去した古い瓦や葺き土はお客様ご自身で処分されました。
工事概要
• 工事内容:防災瓦AN-3への葺き替え
• 施工範囲:一階屋根 100㎡
• 工事金額:163万円
• 付帯工事:雪止め設置、木工事、破風板板金、足場工事
• 施工地域:茨城県取手市
瓦屋根診断結果の報告書
担当業者さんからの「瓦屋根診断結果報告書」、画像と内容詳細。

↓
| 屋根診断日 | 屋根面積:213.4㎡(65坪) 屋根勾配:5寸 |
| 所在地:取手市●● | 依頼者:●●様 |
| 建築物:木造在来(真壁・化粧垂木) | 屋根材:いぶし瓦(土葺き工法) |
| 補修履歴:有 | 1F:一部葺き替え、ズレ補修工事 |
| 相談内容 | ・陶器瓦での葺き替えを考えているが、どの様な方法があるか? ・どのくらいの金額がかかるのか? ・以前部分的に葺替え工事を行った工事店の工法と金額に疑問がある。 |
| 現状況 | ・土葺き工法により、平部にズレ(特に1F北西部)。雨漏り発生ヶ所多数。 ・2F隅棟に大きなズレ(紐のし積み) ・下葺き材に杉皮使用(2重葺き) ・野地板は2分程度しかない耳付き。 |
| ご希望 | ・とりあえず雨漏りが発生している1Fの北西部を直したい。 ・先々、他の部分も葺き替えようと思っているので和瓦で無くても良い。 ・出来れば棟を何段も積みたく無い(入母屋の化粧棟は要らない) ・父の建てた意志を尊重したいので、建て替えるのでは無く手入れして残したい。 ・古い瓦と葺き土は敷地内で処分したい。 |
| 考察 | ・出来るだけ安価でという件と軽くという件では、思い切って平板系でも良いのではないか?(一部和形で葺き替え済みだが別棟に近い) ・2重の杉皮は剥がさずに行かせないか?(野地の上張りは必要だが直接張ると野地ムラが出る)。断熱と考えると勿体無い気がする。 ・箕甲付きの入母屋はケラバ入母屋に変えてはどうか?(破風板を上張りして板金で覆う方法なら安価で可能) |
| ご提案 | ・比較的和瓦のイメージに近い平板瓦(山平AN-3)を使用材に提案。 ・野地は、杉皮は剥がさず垂木なりに貫を打ち(縦残)、その上に野地ベニヤを施工する方法を提案(野地ムラの軽減と同時に通気層も作れる) |
| 保険等 | 無し |
| 診断者 ・・会社名・・ ・・担当者名・・ |
毎回、このように詳細な診断報告を送ってきてくれる担当業者さん。
この業者さんも、技術だけでなく人間性においても間違いなくトップレベルの業者さんです。
後日、お客様よりお礼の電話を頂き、手紙でお声を頂きましたの掲載させて頂きました。
お客様の声をお送り頂きました
お客様の声。
昨年一部の瓦を他の業者に葺き替えてもらったが、その全部が不満だった。日本中の人にA屋根店を知って頂きたいと思います。
もちろん、友人、親戚関係にも紹介致します。
これから寒くなって来ますのでカゼに気を付けて前進して頂き、またAさんと出会える日を楽しみにしております。
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