
パミール屋根は、1990〜2008年にニチハ株式会社が製造していたスレート屋根材です。
無石綿化された1996年以降、全国で「層状剥離」「欠け」「ズレ落ち」「落下」などの深刻な劣化が多発し、現在では補修できない屋根材として知られています。
このページでは、パミール屋根の特徴・見分け方・危険性・補修できない理由・正しいリフォーム方法・実際の施工事例を専門家が分かりやすく解説します。
パミール屋根とは?

パミールは発売当初(1990年)はアスベストを含む屋根材でしたが、1996年12月に無石綿化されました。
この材料変更により、屋根材の強度が低下し、以下のような劣化が発生しやすくなりました。
- 屋根材がミルフィーユ状に剥がれる「層状剥離」
- 表面の欠け・剥がれ
- 屋根材のズレ・抜け落ち
- 釘腐食による落下
これらはパミール特有の症状で、他のスレート屋根ではほぼ見られません。
パミール屋根の見分け方
外観で見分ける方法(劣化が少ない場合)

屋根材下部の凹凸の中心が等間隔になっているかどうかで判別できます。
ただし、この方法は初期状態のパミールに限った見分け方です。
劣化症状で見分ける方法(劣化が進んでいる場合)

劣化が進むと形が崩れ、外観では判別できません。
ここまで崩れるスレート屋根はパミール以外に存在しないため、劣化症状で判断するのが確実です。
代表的な劣化症状は以下の3つです。
- 層状剥離(ミルフィーユ状の剥がれ)
- 表面の欠け・剥がれ
- 屋根材のズレ落ち(釘腐食による抜け落ち)
パミール屋根の代表的な劣化症状(3つ)
パミール屋根は、他のスレート屋根ではほとんど見られない特有の劣化症状が発生します。
ここでは、特に多い3つの症状を専門家の視点で解説します。

パミールは、屋根表面の露出した部分に劣化症状が表れます。
1. 層状剥離(ミルフィーユ状の剥がれ)

パミール屋根の最も特徴的な劣化が層状剥離(ミルフィーユ状の剥がれ)です。
屋根材が層になって剥がれ、ボロボロと崩れ落ちるような状態になります。
この症状は、1996年の無石綿化によって補強繊維が減り、材料の接着力が低下したことが主な原因です。
アスベストを含んでいた頃のパミールは強度が高かったものの、無石綿化後は経年劣化によって層がめくれやすくなりました。
層状剥離が進行すると、屋根材の表面強度がほぼ失われ、風が吹くだけで剥がれ落ちる危険があります。
2. 表面の剥がれ・欠け

パミール屋根では、屋根材の表面が部分的に剥がれたり欠けたりする症状も多く見られます。
劣化した部分以外は正常なため気付きにくいのですが、台風や強風の際には広範囲に剥がれ飛ぶ危険があります。
欠けた破片が落下すると、敷地内の車や植木だけでなく、隣家や道路へ飛散する可能性もあり、早めの点検が必要です。
3. 屋根材のズレ落ち(釘腐食による抜け落ち)

パミール屋根のズレ落ちは、屋根材を固定する釘の腐食が原因です。
パミール販売時に無償配布された釘の一部は、耐食性表面処理(ラスパート処理)のメッキ厚が薄く、通常より早く腐食する問題がありました。
釘が腐ると屋根材を固定できなくなり、ズレたり抜け落ちたりします。
実際に、道路側へ落下しそうになった例や、強風で剥がれ飛びカーポートを破損した例も報告されています。
ズレ落ちが発生している場合は、早急な対応が必要です。
放置すると、人的被害や物的被害につながる危険があります。
釘腐食の原因(専門家による解説)

パミール用釘の一部は、耐食性のために施されたメッキ層が薄く、正常な釘よりも腐食が早く進行します。
結露が起こりやすいパミール屋根では、釘が常に湿気にさらされるため、腐食がさらに加速します。
釘が腐食すると、屋根材が浮き上がり、ズレ落ち・抜け落ち・飛散といった危険な症状が発生します。
劣化症状のまとめ
- 層状剥離はパミール特有の深刻な劣化
- 欠け・剥がれは台風時に広範囲へ飛散する危険あり
- ズレ落ちは釘腐食が原因で、落下事故につながる可能性あり
- 劣化が進むと外観では判別できず、症状で判断する必要がある
パミール屋根の危険性(落下・飛散・内部結露)
パミール屋根は、他のスレート屋根と比べて落下・飛散・内部結露のリスクが極めて高い屋根材です。特に以下の3つは、専門業者でも注意を要する重大な危険性です。
1. 屋根材の落下(釘腐食による抜け落ち)

パミール販売時に無償配布された釘の一部は、耐食性表面処理(ラスパート処理)のメッキ厚が薄く、通常より早く腐食する問題がありました。
釘が腐ると屋根材を固定できなくなり、ズレ落ち・抜け落ちが発生します。

実際に、道路側へ落下しそうになった例や、強風で剥がれ飛びカーポートを破損した例も報告されています。人的被害につながる可能性があるため、早急な対応が必要です。
2. 層状剥離による飛散(ミルフィーユ状の剥がれ)

パミール特有の層状剥離は、屋根材がミルフィーユ状にめくれ、風が吹くだけで破片が飛散する危険があります。
剥離が進行すると、屋根材の表面強度がほぼ失われ、台風時には広範囲に飛散する可能性があります。
隣家の敷地や道路へ破片が落下するケースもあり、早めの点検が重要です。
3. 結露による内部腐食(下地・釘・防水シートへの影響)

パミール屋根は結露が非常に起こりやすい屋根材です。
屋根材裏面に水滴が大量に付着し、以下のような問題が発生します。
- 釘が常に湿気にさらされ腐食が加速する
- 防水シートに水滴が付着し続ける
- 野地板が腐朽する可能性がある
- 雨漏りと結露の判別が難しくなる
結露が進行すると、カバー工法では改善できず、むしろ内部の腐食を加速させる危険があります。
パミール屋根はなぜ補修できないのか(塗装不可の理由)
パミール屋根は、表面塗膜ではなく屋根材本体が層状に剥離するため、一般的な塗装では改善できません。
塗装しても、以下の問題が残ります。
- 屋根材本体の剥離は止まらない
- 釘腐食によるズレ落ちは改善できない
- 結露による内部腐食は解決しない
- 塗膜だけが乗るため、数年で再劣化する
そのため、パミール屋根は塗装してはいけない屋根材として専門業者の間でも共通認識となっています。
パミール屋根の正しいリフォーム方法(葺き替えが最適)

パミール屋根の根本的な改善方法は葺き替えです。
葺き替えでは、以下の工程で進みます。
- パミール本体を撤去
- 野地板の状態を確認
- 必要に応じて野地板を増し張り
- 防水シート(ルーフィング)を新設
- 新しい屋根材へ葺き替え
パミールは野地板が傷んでいないケースも多く、費用を抑えた葺き替えが可能な場合もあります。
カバー工法が不向きな理由(専門家による解説)

カバー工法は、古い屋根材の上に新しい屋根材を重ねる工法ですが、パミール屋根には以下の理由で不向きです。
- 結露でパミール本体が濡れ続ける
- 既存釘が腐食し続ける
- 新しい屋根材を固定する釘・ネジまで腐食する可能性
- パミール本体が割れて固定できなくなる
- 断熱性・防音性のメリットが得られない
そのため、パミール屋根のリフォームは葺き替えが最適です。
葺き替えで選ばれる屋根材(ガルバリウム鋼板が人気)
パミール屋根の葺き替えでは、耐久性・軽量性・防錆性に優れたガルバリウム鋼板が選ばれることが多く、以下の屋根材が人気です。
- スーパーガルテクト
- 横暖ルーフ
- ヒランビー
- ディプロマット
- エコグラーニ
お客様の希望(耐久性・外観・予算・ソーラーの有無)に合わせて最適な屋根材を選定します。
パミール屋根の施工事例(症状別に専門家が解説)
パミール屋根は、劣化症状・結露・釘腐食などの問題が複合的に起こるため、症状ごとに最適な工事方法が異なります。
ここでは、実際に当サイトへご相談いただいた施工事例を症状別に分類して紹介します。
■ 層状剥離(ミルフィーユ状の剥がれ)
すぐ葺き替えたい|スーパーガルテクトに葺き替え(横浜市)

屋根表面がボロボロで層がめくれ落ちてくる状態。剥離が屋根全体に広がり、表面強度がほぼ失われていたため葺き替えをご提案しました。 施工例へ
できるだけ早く葺き替えたい|スーパーガルテクトに葺き替え(練馬区)

風が吹くとバタつき、剥がれが加速度的に進行。すでに数枚が欠けて落下していたため、早期の葺き替え判断は正解でした。 施工例へ
長い寿命の屋根にしたい|横暖ルーフへ(横浜市)

以前パミールへ変更したが数年で剥離が発生し後悔。耐久性30〜40年クラスのガルバリウム鋼板へ葺き替え。 施工例へ
同じメーカーの屋根は使いたくない|断熱ヒランビーへ(相模原市)

屋根材の下部が塊で剥がれている状態。ニチハ以外のガルバリウム鋼板で葺き替え。 施工例へ
細かい剥離が不安になって|横暖ルーフへ(横浜市)

点検では「問題なし」だったが、端部の細かな剥離が不安で葺き替えを希望されたケース。
■ 表面の欠け・剥がれ
小さな屋根の欠片が落ちてきた|横暖ルーフでカバー工法(伊勢原市)

コロニアルだと思っていたが欠片が落下。屋根全体の欠けが多く、風で破片が落下する危険があったため金属屋根でカバー工法。
とにかく早く屋根を変えたい|ローマンでカバー工法(横浜市)

剥離が毎週のように進行し、風が吹くたび破片が落下。下地が健全だったため短期施工のカバー工法で対応。
■ 屋根材のズレ落ち・落下(釘腐食)
屋根がズレていた事例(藤沢市)

屋根材が抜け落ちており「道路に落ちると危ない」と葺き替えた例。 施工例へ
屋根が落下した事例(越谷市)

強風で剥がれ飛び、カーポートを破損。再落下の危険性が高く葺き替え以外の選択肢はありませんでした。 施工例へ
■ 結露による影響(釘腐食・湿気・天井シミ)
結露が気になるので葺き替え希望|スーパーガルテクトへ(座間市)

結露で釘が腐食し屋根内部の湿気が多い状態。葺き替えを希望され、適切な工事を実施。 施工例へ
天井にシミがある|ダンネツトップ8-1でカバー工法(野田市)

コロニアルがめくれ、天井にシミ。結露で湿気が抜けにくく雨漏りと判別しづらい状態。
下地が腐っていた|ディプロマットに葺き替え(相模原市)

屋根下部の剥がれは軽度だったが、下地腐朽が進行。野地板を増し張りして葺き替え。
■ カバー工法で対応できたケース
できるだけ費用は抑えたい|スーパーガルテクトへ(さいたま市)

全体剥離が進行していたが、下地が健全だったためカバー工法で対応。
カバー工法してソーラーを載せたい|シルキーG2へ(松戸市)

下地が健全だったためカバー工法OK。その後太陽光を再設置。
屋根専門で外壁塗装にも対応してほしい|スーパーガルテクトへ(松戸市)

屋根カバー工法と外壁塗装を同時施工し、足場費を節約。
カバー工法したい|ヒランビーへ(佐野市)

屋根がボロボロだったが下地強度は問題なし。希望どおりカバー工法で施工。
野地板の重ね張りを勧められている|エコグラーニでカバー工法(土浦市)

野地板は健全で、余計な追加工事は不要。カバー工法のみで十分でした。
■ 葺き替えが最適だったケース
ガルバリウム専門の業者に頼みたい|スーパーガルテクトへ(横浜市)

金属屋根で後悔したくないとのご相談。施工品質が寿命に直結するため、専門業者による葺き替えを実施。 施工例へ
専門業者でないと寿命に差が出ると知り|スーパーガルテクトへ(横浜市)

一度塗装したが屋根表面が浮き上がっていた。カバー工法契約を解除し葺き替えへ変更。 施工例へ
カバー工法のつもりだったが葺き替えに変更|スーパーガルテクトへ(横浜市)

当初はカバー工法希望だったが、点検で湿気・釘腐食が判明。将来の再劣化リスクを説明し葺き替えに変更。 施工例へ
隣の家が葺き替えたので気になっている|横暖ルーフへ(横浜市)

近隣が次々と屋根工事しており不安に。表面剥離が全体に及び、時期として妥当と判断。
金属屋根より重厚感のある外観を希望|コロニアルグラッサへ(茅ヶ崎市)

金属屋根より重厚感を求め、塗膜耐久の高いグラッサを選択。
当サイトで紹介した屋根材が良いと言われた|ヒランビーへ(横浜市)

ソーラーの載せ替え希望。耐久性と重量のバランスを考慮し葺き替え。 施工例へ
【屋根材】パミールに関する質問(FAQ)
Q1:パミール屋根にメーカー保証はありますか?
パミールはすでに製造終了しており、現在はメーカー保証の対象外となっています。
劣化症状が進行している場合は、早めの点検と工事計画が必要です。
Q2:火災保険は適用されますか?
台風・強風による破損の場合、火災保険が適用されるケースがあります。
ただし、経年劣化による剥離・欠け・ズレ落ちは保険対象外となることが多いため、症状の原因を正確に診断する必要があります。
Q3:パミール屋根は塗装できますか?
パミール屋根は塗装できません。
屋根材本体が層状に剥離するため、塗膜を乗せても根本改善にならず、数年で再劣化します。
Q4:カバー工法はできますか?
結露・釘腐食・内部湿気の問題があるため、基本的には葺き替えが推奨です。
ただし、下地が健全な場合はカバー工法が可能なケースもあります(施工事例に複数あり)。
Q5:葺き替えに向いている屋根材は?
耐久性・軽量性・防錆性に優れたガルバリウム鋼板が最も選ばれています。
スーパーガルテクト・横暖ルーフ・ヒランビーなどが人気です。
パミール屋根のまとめ
- パミールは無石綿化後に深刻な劣化が起こる屋根材
- 釘腐食による落下リスクが最も危険
- 層状剥離・欠け・ズレ落ちはパミール特有の症状
- 結露が起こりやすく、内部腐食が進行しやすい
- 塗装では改善できず、葺き替えが根本解決
- 下地が健全な場合はカバー工法が可能なケースもある
- 専門知識を持つ屋根業者への相談が必須
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