
パミール屋根にズレが発生、2週間後の台風で剥がれ飛んだ。
「現在パミールが使われていますが、ズレが発生しているため、ガルバリウム鋼板での葺き替えを考えています。」とお申込みいただきました。
ズレていた屋根が台風で剥がれ落下(埼玉県越谷市の事例)

訪問時、ズレていた西面のパミールが落下しないよう簡単に修理しておきました。
南面は落下の可能性が低いように思えましたが、2週間後の台風で広範囲に剥がれ飛んで、カーポートを破壊してしまいました。
ズレで剥がれる原因は、パミール釘の腐食。

台風で剥がれたパミール屋根が道路に滑り落ちる危険性があったので工事までの間、ネジを打って固定し雨が入らないようネジ頭にコーキングを塗っておきました。
パミールがズレた原因は、屋根材を固定するために使われていたパミール釘が錆びで腐ってしまったからです。
パミール釘は、メーカーのニチハから無償配布されていたものですが、メッキ処理がきちんとされていなかったため腐食が早まり屋根材のズレや落下などの現象が起こります。
2枚目の写真を見て頂くと釘が錆びている事が分かると思いますが、3枚目の写真では錆びた釘が無くなっている所もありました。
2つの劣化症状。
パミール屋根に見られる劣化症状には2つのタイプがあります。

1:今回はパミール釘による屋根材のズレ・落下症状でした。
2:もう一つの症状としては、屋根材を無石綿化(ノンアスベスト)にしたことで起きる層状剥離。これは屋根材の表面が剥がれてボロボロになる症状です。
こちらの屋根にもその症状が少し見られました。
1枚目が屋根材が下部の剥がれ初めている状態。
2枚目は屋根材の強度が弱くなって起きたヒビ割れです。
▶ ニチハ・パミール屋根の劣化症状についてはコチラ
▶ ニチハ・パミール屋根の工事例はコチラ
予算を抑えた葺き替えも可能なパミール屋根。

屋根を剥がしてみると防水シートには結露による多くのシミ跡がありました。
パミールは結露を起こす屋根材なので、屋根工事の方法としてはカバー工法より葺き替えが適した工事方法ですが、今回は剥がれて飛んでしまったこともあり葺き替える事になりました。
既存屋根材を撤去、家が建ってからまだ10年ちょっとしか経っていないので野地板はしっかりしており、そのまま使うことが出来たので防水シート(ルーフィング)だけ新しくしてから新しい屋根材を施工していきます。
今回使用した屋根材は、ガルバリウム鋼板と殆ど組成が同じジンカリウム鋼板で屋根表面に自然石粒仕上げされたディーズルーフィングのクラシックタイルです。
屋根裏の熱を逃がす換気棟も新たに取り付けました。
屋根面積82㎡ 工事合計金額126万円(換気棟、カーポート屋根と破損部材取り換え、足場・メッシュシート代含む)
この記事を書いた人

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屋根材メーカー(積水化学工業)直属の屋根診断士として活動し屋根工事・見積り経験35年・5,000件以上。
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また、専門資格や専門技術を持つ屋根職人が減った影響で起きている「低品質な屋根工事による被害」を減らすことを目的に日本屋根業者サポート協会に加盟する屋根職人とお客様との橋渡しをする活動を行っており、悪質業者による被害を減らすため900件以上の屋根相談、ボッタクリ被害を減らすための見積書診断サービスを180件以上行っています。
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