
他社の見積内容に不安があり、専門の目でお意見頂きたい。
お客様のご要望。
「他社の見積り内容に不安があり、専門の目でお意見頂きたい」とのご依頼でした。
こちらのお客様は他業者からカバー工法を勧められていましたが、業者から提案された屋根材や工事内容に問題があり、価格も高く二重取りされていたり面積も多く計算されていました。
家を建ててから20年近く経過した屋根の状態(藤沢市)
屋根の状況説明。

1:屋根は一度塗装されていましたが、その時に浮き上がった棟包みを固定し直したようです。
その方法は本来固定すべき実線の白丸部分でなく点線の赤丸部分に鉄ネジで屋根本体に脳天打ち。
その影響でコロニアル本体にヒビワレが生じ(点線の白丸部分)、鉄ネジもサビていました。
2:屋根全体に変色が見られ、屋根材の欠けやひび割れが見られます。
3:棟包みが浮き上がり強風で飛ぶ可能性がありました。
結論:家を建ててから20年近く経過、屋根の痛みとしてはそれほど酷く傷んでいる訳ではありませんでした。
屋根全体が変色しているため、傷んだ部分を修理して2度目の塗装をする事も可能でしたが、その次の3度目になると塗装による雨漏りが考えられるので、塗装してもこれが最後。
あと30年くらいは屋根を持たせたい。
ご希望の工事方法として「どうすれば良いか分からない」とのことでしたが、「あと30年くらいは屋根を持たせたい」とお考えでしたので、年数経過による躯体強度の低下と地震対策を考えカバー工法ではなく屋根を軽量化できる葺き替えをお勧めしました。
ガルバリウム鋼板は、屋根自体には「赤さび」や「穴あき」など20~25年の製品保証が付いていますが、工事完了後10年以内の雨漏りで再葺き替えになるケースが激増しています。
屋根を長持ちさせるには、工事の内容と職人の技術が不可欠です。
お客様は、「あと30年くらいは屋根を持たせたい」とのご希望でしたが、一般屋根業者の工事は屋根材メーカーの施工規準を守った工事をしていないため、どんなに持っても屋根材下のルーフィングが劣化するまで(これは真実です)。ルーフィングの貼り方が悪く工事後直ぐから雨漏りすることも稀ではありません。
今回の工事は、下の工事内容を良く見比べて頂くと分かりますが屋根材メーカーの施工規準を遥かに超える施工がなされているため、お客様が希望された30年を余裕でクリアーする工事内容になっています。
2F屋根の葺き替え(あと30年、余裕でクリアーする工事とは)

1:既存コロニアルの撤去と廃棄。この屋根材にはアスベストが入っていません。
2:構造用合板を重ね張りしました。
3:屋根材本体の施工。
棟中心部まで本体が葺かれていますが、この上に笠木は取り付けません。
4:谷廻りの施工。
棟頂上部は雨が入らないよう一時的に養生テープを貼っています。
5:養生テープを剥がし、棟部から雨水が入り込むのを防ぐため受木の手前で本体を立ち上げ加工。
6:棟部の特別仕様工事。
強風や毛細管現象による棟部からの雨水侵入を完全にシャットアウトするため棟包みを二重構造にしました。
右写真はガルバリウム鋼板で施工された隣家の屋根。
上記工程写真の2と4に少し見える、点線で囲んだ屋根です。
施工された屋根材の種類から見て、工事したのは今工事中のこちらのお客様にカバー工法を提案した業者なのかもしれませんが不安な工事ヵ所がありました。
隣家の施工業者と当サイト専門職人の工事法を比較。

1:平棟から降り棟へ続く三つ又部分。(左側の2枚)
他業者。
三つ又部で接する棟包みの切断がいい加減。
切断面がお互いに合っておらず空いた隙間にコーキングを大量に塗って埋めている。
平棟部と三つ又接続部の中心線がズレて見栄えが悪い。
棟包みを固定する釘を屋根材に脳天打ちで直接止めているため確実に雨漏りする。
当サイト。
棟包みがお互いに噛み合うよう加工してあり、コーキングを塗らなくても雨水が入り込まないよう工事してあります。コーキングはあくまで最後の化粧でしかありません。
棟包みを固定する釘は、棟包み側面から受け木に固定してあります。
2:曲がり棟部分。(右側の2枚)
他業者。
本来、切断して接続する位置が根本的に違う。
そのため角度の変わる部分に5cm程の隙間が空いてしまい端材で蓋をしたが隙間は完全に埋まっていない。→雨水が入り込み笠木が腐ってしまう。
棟包みを固定する釘を屋根材に脳天打ちで直接止めているため確実に雨漏りする。
当サイト。
切断、接続が綺麗にされており、雨水が入り込まない加工がされています。コーキングはあくまで最後の化粧でしかありません。
棟包みを固定する釘は、本来打つべき横方向からステンレスのスクリュー釘で止められている。
隣家の屋根と比べて何の問題もないように感じるかもしれません。
ですが一般的な屋根業者と本物の金属屋根専門業者との工事方法には雲泥の差があります。
10年以内の雨漏り→再葺き替えが増えているガルバリウム鋼板屋根は、業者選びが非常に重要です。
1F屋根の葺き替え。

1F屋根も2Fと同じように変色が見られましたので構造用合板を増し張り。
工事前の屋根には壁際に壁捨て板しか取り付けられていませんでしたが、今回は捨て板に加え雨押えも取り付けました。
今回葺き替えさせて頂いた屋根材はガルバリウム鋼板に断熱材のついたニチハの横暖ルーフ。
屋根面積61㎡ 工事合計金額130万円(アンテナ撤去、雪止め、足場・メッシュシート代含む)
▶ コロニアル屋根についてはコチラ
▶ 屋根職人の技術レベルが違う理由
この記事を書いた人

- 屋根無料見積.com運営責任者
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屋根材メーカー(積水化学工業)直属の屋根診断士として活動し屋根工事・見積り経験35年・5,000件以上。
屋根工事の裏側を知り尽くした運営責任者が経験で得た専門情報をお伝えします。
また、専門資格や専門技術を持つ屋根職人が減った影響で起きている「低品質な屋根工事による被害」を減らすことを目的に日本屋根業者サポート協会に加盟する屋根職人とお客様との橋渡しをする活動を行っており、悪質業者による被害を減らすため900件以上の屋根相談、ボッタクリ被害を減らすための見積書診断サービスを180件以上行っています。
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