
セキスイかわらUは1970年代~2000年代初期にかけて多くの住宅で採用された屋根材です。
見た目は瓦に似ていますが、実際はスレート系の軽量屋根で、現在では製造が終了しています。
このページでは、セキスイかわらUの特徴や危険性、葺き替えを検討すべき理由を解説します。
セキスイかわらUとは(概要と特徴)
セキスイかわらUは、当時の住宅市場で軽量かつデザイン性の高い屋根材として広く普及しました。ここではその特徴を簡単に説明します。

■1975年、セキスイかわらU登場
軽い、強い、美しい。屋根に求められる3つの条件を満たした屋根材として販売開始されました。
1975年~1990年の製品は、石綿混入(アスベスト含有)
耐火性・断熱性の他、耐荷重120g以上、60mの強風にも耐える耐久性がありました。
セキスイかわらUの屋根構造

■ 積水化学工業が製造していたスレート系屋根材
材質は有機繊維強化セメント瓦で一般的な瓦に比べて軽く、施工しやすいことから多くの一般住宅や住宅メーカーでも採用されました。
■ 見た目は瓦風で軽量、当時は人気の屋根材
波形状の曲面デザインによる高級感と、軽量による耐震性の高さが評価されていました。
■ しかし現在は製造終了・メンテナンス困難
廃盤となったため、交換用部材が入手しづらく、メンテナンスにも注意が必要です。
かわらUは、なぜ廃盤になったのか?|無石綿化による弊害
「かわらU」は、1975年に登場して以降、屋根を葺き替えるなら「セキスイのかわらU」と言われるほど需要の多かった屋根でしたが
■1991年に完全無石綿化(ゼロアスベスト=ノンアスベスト)されました。


「かわらU」は、台風や地震に強く非常に優れた屋根でした。
しかし、環境問題を考え他の屋根材に先駆け無石綿化した事で様々な問題が起こりました。
無石綿化されて以降、塗膜・基材の剥がれ、ひび割れ、陥没
などの問題が起こるようになってしまったのです。↓

塗膜の剥がれ、基材の剥がれ、ひび割れ、陥没(雪止め下の黒く見える所)など様々な症状が表れた「セキスイかわらU」。
この状態の「かわらU」は、屋根を歩くとがバリバリに割れてしまうため細心の注意が必要です。
(かわらU」の専門業者以外は屋根に上がらせないようにして下さい。雨漏り原因になります)
アスベストを含む?含まない?|劣化症状の違い
有機繊維強化セメント瓦の「かわらU」。
含まれる繊維が石綿(アスベスト)からビニロンに変わったことで、塗膜が剥がれやすくなり年数が経過するほど急速に劣化していきます。
アスベストを含む(石綿入り=アスベスト含有)
石綿入り(アスベスト含有)タイプは、屋根材表面の塗膜はほとんど剥がれておらず、未だ綺麗な状態を保っています。

「笠釘の抜け、雨の侵入を防ぐ補助面戸の欠損、笠木の腐食」など修理の必要はありますが、丸棟など役物の一部に塗膜の剥がれが見られる程度で本体瓦はしっかりしています。
数が経過しているため表面にコケが生え、汚れて見栄えが悪くなったりもしますが、上を歩いても屋根が割れるような事はありません。
アスベストを含まない(無石綿=ゼロアスベスト)
無石綿タイプは、数年経過した頃から表面の塗膜が剥がれはじめ白く変色していきます。

表面の塗膜が白くポツポツと剥がれはじめた程度の状態なら塗装でも大丈夫ですが・・・
2番目の写真のように、塗膜の剥がれが広範囲になると塗装が不可能になるだけでなく、上を歩くと屋根がバリバリ割れるようになります(3番目の写真)。
かわらUの保証・保証内容の変遷、廃盤理由
2009年9月に廃盤。
積水化学工業は当初、劣化が激しくなった「かわらU」を無償で取り換えていました。
当初は、工事会社に関係なく保証していましたが、その後、保証要件を変更。
「かわらU」の標準工法が守らていない工事は保証対象外として、積水化学の屋根診断士が担当し、保証書が発行された案件のみが保証対象になりました。
保証内容は、傷んだ「かわらU」の無償交換でしたが、ただ新しくなるだけで劣化症状の改善は一時的だった事もあり、2009年9月に廃盤になりました。
アスベストを含まない「かわらU」の劣化症状と危険性
かわらUは経年による、塗膜剥がれ・ひび割れが生じやすく、放置すると雨漏りの原因になります。
- 塗膜の剥がれ(白化現象)
- ひび割れによる隙間からの雨水侵入
- 陥没による雨漏り・下地材の腐食
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セキスイかわらUの屋根工事50例(葺き替え、再カバー工法) かわらUにする前の屋根材、施工方法は葺き替え・カバー工法? かわらUは屋根勾配によって変更可能な屋根材が決まる。 |
症状1: 塗膜・基材剥がれの白化現象(雨漏り危険性:軽度)
広範囲に広がった表面の塗膜剥がれ

屋根が白く見える原因は、表面の化粧層としての塗膜が剥がれて中の基材が露出しているからです。
塗膜が剥がれると、降った雨水を含みやすくなるため天気が回復しても乾燥が遅れ、屋根材の表面にコケが生えやすくなり劣化が促進される危険性があります。
症状2: ひび割れ・割れ(雨漏り危険性:軽度~重度)

ひび割れ→割れ→陥没の順に進行していきます。
2.1 ひび割れ(雨漏り危険性:軽度)

「かわらU」の表面を良く見てみると、ひびが入っていることが分かります。
これは屋根材を補強する役目の有機繊維ビニロンとセメント基材の結合が弱くなった事で起こります。
軽度のひび割れであれば、コーキングを塗る事で雨が入り込むのを一時的に止める事も可能です。
2.2 割れ(雨漏り危険性:重度)

ひび割れが進行して屋根が割れています。
この状態になると、割れた所から雨水が入り込み雨漏りする危険性があります。
この状態になった屋根は、他にも割れている所がある場合も多く、一時的な修理でなく屋根全体に手を入れる時期になっています。
ひび割れ・割れが、起きやすい部分は?

かわらUは波形状をした屋根材で、高くなった山部と、低くなった谷部で構成されています。

高くなった山部は、空気層の役目として中が空洞になっているため、上から重量が加わると支えきれなくなった影響で割れてしまいます。
ひび割れ・割れは、なぜ起きる?

かわらUの割れは何故起きるのか?
その原因は、屋根の上を歩く事で起きています。
かわらUを修理するために点検を頼んだり、屋根塗装、テレビアンテナ等のメンテナンスなど。
屋根を歩いた時の踏み割れによる影響が殆どです。
ひび割れ・割れは、屋根塗装で直る?

これは、ひび割れ・割れをコーキング修理して塗装しましたが、きちんと直っていませんでした。
なぜ直らないかと言うと、劣化した塗膜や基材とキーキングや塗料とは接合しにくく強度を高めることが出来ないからです。
こちらのかわらUは塗装して半年後に屋根を葺き替えになりました。
症状3: 陥没(雨漏り危険性:最重度、下地腐食の危険性:高)
陥没は、ひび割れや割れの次段階として起こります。

「かわらU」の表面にヒビが入り、基材の結合が弱くなった状態で屋根の上を歩くと割れて陥没してしてしまいます。
陥没した部分からは下にある元の屋根材や下地が見える状態になっているため、雨が直接入り込む事で雨漏りや下地が腐食する危険性が高くなります。
かわらUの陥没は、塗膜剥がれ・ひび割れの次の段階として現れる症状なの、陥没する前に対策する必要があります。
屋根を歩く時の注意点:かわわUが脆くなった状態で屋根上を歩くとバリバリに割れてしまうため、歩く時は体重を分散させるなど細心の注意が必要です。
葺き替えのすすめ(葺き替えを検討すべき3つの理由)
地震の危険性|軽量金属屋根に葺き替えることで耐震性が向上
実は、セキスイかわらUで最も危険なのは屋根重量とも言えます。

かわらUは、スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)の上にカバー工法している場合も多く、屋根は想像以上の重さになっています。
屋根が重いと地震による揺れ幅が大きくなり倒壊リスクが高まります。
かわらUの重量は、45~46kg/坪(販売時期により違いがあります)、スレート屋根は68kg/坪あるため合計で113kg/坪になります。
一見軽そうに見えるので気にしていないかもしれませんが、かわらUをスレート屋根に載せてある場合は、瓦より少し軽い程度の重量になっているという事です。
瓦を載せる事を想定しないで作られている家の躯体強度を考えると非常に危険な状態だと言え、地震による倒壊リスクも高くなっています。
そのため、両方の屋根材を撤去して、16.5kg/坪の金属屋根に葺き替えると屋根材自体の重さは、1/6へと軽量化されます。
二重になった屋根を軽量の金属屋根(ガルバリウム鋼鈑屋根)に葺き替えることで耐震性も向上します。
かわらUの劣化が進むと塗装できない

塗膜の剥がれやひび割れが多い場合、塗装してもすぐに剥がれてしまいます。
その理由は、塗装することで一時的に表面は綺麗になったように見えますが、脆くなった「かわらU」の基材部分が強化されることはないからです
下地の腐食が進むと雨漏りリスクが高まる

かわらUの雨漏りは、屋根の雨樋に近い軒先部分やケラバ部分など屋根の左右にある端部で起こり易いです。
この部分は雨漏りしても室内に雨漏りしてくる事が少ないため気付き難い。
知らないうちに下地の腐食が進行して屋根の骨組みまで腐ってしまう事もありますが、この時点で雨漏りに気付く事も多く葺き替え費用が高額になりがちです。
かわらU葺き替えで、おすすめの代替屋根材と施工事例
- 金属屋根の横葺きタイプ(軽量・長寿命)
- 金属屋根の縦葺き(屋根勾配に問題ありの場合)
- 金属屋根の瓦型(外観重視の方におすすめ)
- スレート屋根(コストを抑えたい方向け)
1. 金属屋根(横葺きタイプ)施工事例|横浜市金沢区

割れ、陥没、補助面戸欠損などが見られた「かわらU」を横葺きタイプのガルバリウム鋼鈑へ。
お客様が悩んでいたこと:表面が白くなって業者から痛みを指摘された。
新しく葺き替えた屋根材:横暖ルーフ。
新しい屋根材の選定理由:台風でも安心な屋根にしたい。 この施工事例へ
2. 金属屋根(縦葺きタイプ)施工事例|東京都三鷹市

屋根勾配が原因で雨漏りしている場合は、勾配に適した屋根への葺き替えないが必要です。
お客様が悩んでいたこと:雨漏り。
新しく葺き替えた屋根材:たてひら葺き。
新しい屋根材の選定理由:勾配が緩い屋根にも対応可能なので。 この施工例へ
3.金属屋根(瓦型タイプ)施工事例|埼玉県蓮田市

かわらUの痛みは酷く、踏み割れによる陥没で下に残るコロニアル屋根が見える状態になっている。
お客様が悩んでいたこと:かわらUの陥没、屋根裏面への雨漏り。
新しく葺き替えた屋根材:クラシックタイル。
新しい屋根材の選定理由:かわらUから葺き替えても違和感を感じにくい外観。 この施工例へ
4.スレート屋根施工事例|埼玉県所沢市

U瓦をコロニアルの上に張ったが全面的にコロニアルに戻したい。
お客様が悩んでいたこと:U瓦一部が割れている?ようなので。
新しく葺き替えた屋根材:コロニアルグラッサ。
新しい屋根材の選定理由:コストを抑えたい。 この施工例へ
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セキスイかわらUの屋根工事50例(葺き替え、再カバー工法) かわらUにする前の屋根材、施工方法は葺き替え・カバー工法? かわらUは屋根勾配によって変更可能な屋根材が決まる。 |
かわらUは塗装できる?

セキスイかわらUは、アスベストを含んでいるかどうか?製造年や屋根表面の劣化症状によって塗装できるかどうかが分かります。
→ 詳しくは、「セキスイかわらUは塗装できる?塗装の可否と注意点」をご覧ください。
かわらU →金属屋根葺き替えの注意点

金属屋根(ガルバリウム屋根)には、正しい工事方法があります。

(金属屋根への葺き替えは正しい施工を行わないと屋根寿命が短くなります)
「セキスイのかわらU」の葺き替えでは、「どんな屋根材を選ぶのが最適で、どんな施工法をすれば良いのか?」の判断は、かわらUに精通した業者に判断してもらう必要があります。
注意点1:工事方法
「かわらU」からガルバリウム鋼板葺き替え後の雨漏り原因は、工事方法の間違いで起こります。

金属屋根に葺き替えても、「かわらU」より短命に終わる可能性があります。
その理由は「金属屋根の正しい工事方法」を知らずに間違った方法で工事している業者が多いからです。
中には見積依頼した7社全てが、とても専門と言えるレベルでは無かったという相談例もありました。
注意点2:屋根勾配にご注意
「かわらU」葺き替え後の雨漏り原因は、屋根勾配の間違い。

「かわらU」は、構造的に1.5寸勾配から施工可能な屋根材でした。
しかし通常の横葺きタイプは、2.5寸以上の勾配がないと雨漏りするので施工してはダメというメーカー規定があります。
この事を知らずに同じ横葺きだから横葺きタイプで問題ないと勘違いし、屋根勾配に合わない屋根材を勧める業者が意外と多くいます。
勧められるまま工事してしまうと、雨漏りして修理を繰り返す事になりますが、勾配に合わない屋根なので修理しても直ることはありません。
再葺き替えが必要になるため想定外の出費につながます。
屋根勾配2.5寸以下の「かわらU」は縦葺きタイプのみ
2.5寸勾配以下の屋根は、縦葺きタイプのガルバリウム屋根にしなくてはなりませんが、業者の勘違いではなく、技術的な問題で縦葺きタイプを施工出来ないから横葺きタイプを勧める業者も多く見られます。
業者の言うことを決して鵜呑みにせずお客様自身でもご注意ください。
元がトタン屋根だった場合や、ご近所と比べて屋根勾配が緩いと感じる場合は、施工しても問題が起きないか?勾配計で調べてくれる業者なら安心です。
<屋根勾配が1寸未満のトタンに「かわらU」が施工された例が多く見られますが、1寸未満の屋根は工事が難しく雨漏りし易いので専門業者へ依頼するようにしてください>
「セキスイかわらU」についてのよくある質問
今回落ちた所以外も同じ状態になる可能性が高いため、棟瓦を全て取り外し、板金棟仕様に変更することで修理が可能です。 |
![]() 白化現象・ひび割れに加え、基材剥離による剥がれなど様々な劣化症状も見られます。 この状態になると修理や塗装では対応できないため寿命と言えますので屋根の取り換えが必要です。 |
![]() 部分的な屋根材の剥がれや苔が生えている程度で痛みは殆ど見られませんので、塗装して大丈夫です。 ただ、塗装前に修理が必要になりますので、かわらUの構造を良く知る業者に依頼するようにしてください。 |
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