トタン屋根の雨漏り原因と屋根寿命

「最近、天井にシミが…もしかして雨漏り?」
トタン屋根は、経年とともに雨漏りのリスクが高まります
このページでは、トタン屋根で雨漏りが起こる原因を、劣化しやすい箇所の特徴や台風などの外的要因も交えて解説します。

トタン屋根で雨漏りが発生する原因とは?

トタン屋根は、耐久性や耐火性に優れ、比較的安価であることから多くの住宅で使用されています。
しかし、経年劣化や自然災害の影響により雨漏りが発生することがあります。
雨漏りを放置すると、建物の構造材を腐食させたり、シロアリの発生原因となったりするなど深刻な被害に繋がる可能性があります。
ここでは、トタン屋根で雨漏りが発生する原因について解説します。

経年劣化による腐食

トタン屋根の雨漏り状況確認
トタン屋根は、鉄板を亜鉛でメッキした素材です。
経年劣化により、メッキ層が徐々に腐食し錆が発生します。
錆が進行すると、屋根材に穴が開き雨漏りに繋がります。
特に、築年数が経過した住宅では、腐食が進んでいる可能性が高いため注意が必要です。
また、海岸部など塩害の影響を受けやすい地域では腐食が加速する傾向があります。

主な腐食箇所

屋根材の重なり部分
雨水が溜まりやすく、腐食しやすい箇所です。
特に、釘穴周辺は腐食しやすいので注意が必要です。
棟板金の下
棟板金は、屋根の頂上部分に設置される役物です。
棟板金の下は、雨水が溜まりやすく、腐食しやすい箇所です。
谷樋周辺
谷樋は、屋根の傾斜が合わさる谷部分に設置される役物です。
谷樋周辺は、雨水が集中しやすく、腐食しやすい箇所です。

屋根材の破損

トタン屋根の破損
強風や飛来物などにより、屋根材が破損し雨漏りが発生することがあります。
特に、台風や竜巻などの自然災害後は屋根材の破損がないか点検することが重要です。
また、築年数が経過した住宅では、屋根材の劣化によりヒビ割れやすくなっているため注意が必要です。

屋根材破損の原因

強風による飛散物
強風で飛んできた瓦や木片などが、屋根材に当たり破損することがあります。
積雪
豪雪地帯では、屋根に積もった雪の重みで、屋根材が破損することがあります。
地震
地震の揺れにより、屋根材がずれたり、落下したりすることがあります。
施工不良
屋根材の固定が不十分であったり、防水シートの施工が適切でなかったりすると、雨漏りの原因になります。
これは、施工業者の技術不足や手抜き工事が考えられます。

棟板金の劣化

強風飛ばされたトタン屋根の棟包み
棟板金は、屋根の頂上部分に取り付けられる板金です。
屋根材の隙間を塞ぎ、雨水の侵入を防ぐ役割があります。
棟板金が経年劣化や強風により、釘が浮いたり歪んだりすると隙間から雨水が侵入し、雨漏りに繋がります。
また、棟板金の固定に使用されているシーリング材の劣化も、雨漏りの原因になります。

台風などの自然災害

強風飛ばされなくなったトタン屋根の棟包み
台風や豪雨などにより、屋根に大きな負荷がかかり雨漏りが発生することがあります。
強風で屋根材が剥がれたり、飛来物が当たって破損したりするケースが多く見られます。
また、豪雨により雨樋が詰まったり、オーバーフローしたりして影響することもあります。
自然災害後は、速やかに屋根の点検を行うことが大切です。

関連記事
トタン屋根の種類と2つの施工方法(張り替え・重ね張り)、修理方法について詳しくはコチラ

知っておきたい!トタン屋根の寿命

トタン屋根の寿命は、建物の立地条件やメンテナンス状況によって大きく変わるため、一概に何年とは言えません。
しかし、適切なメンテナンスを行えば、40年以上 長持ちするケースもある丈夫な屋根材です。

材質による寿命の違い

ひとくちにトタン屋根といっても、材質によって寿命は異なります。
ここでは、代表的なトタン屋根の材質とそれぞれの寿命の目安について解説します。

材質 寿命の目安 特徴
亜鉛鉄板(トタン) 10~20年 かつて主流だった素材。安価だが錆びやすく、寿命は短め。
ガルバリウム鋼板 20~30年 アルミニウムと亜鉛の合金メッキ鋼板。耐食性に優れ、現在主流の素材。
ステンレス鋼板 30年以上 錆びにくく、耐久性に非常に優れている。高価な点がネック。

上記はあくまでも目安であり、実際の寿命はメンテナンス状況や環境によって大きく左右されます。
例えば、海沿いの地域では塩害の影響を受けやすく、内陸部に比べて寿命が短くなる傾向があります。
また、屋根の勾配が緩いと水が溜まりやすく、劣化が早まる可能性があります。

メンテナンス状況による屋根寿命の変化

トタン屋根の寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
主なメンテナンス内容は以下の通りです。

塗装

トタン屋根の表面を保護する塗膜が劣化すると、錆びやすくなり寿命が短くなります。
定期的な塗装によって塗膜を維持することで、屋根材を保護し寿命を延ばすことができます。
一般的には、10~15年に一度の塗装が推奨されますが、塗装回数を重ねる毎に塗装間隔が短くなっていきます。

雨樋清掃

雨樋が落ち葉などで詰まると、雨水が適切に排水されず屋根に水が溜まりやすくなります。
これが原因で、軒先部分からの劣化が早まり寿命を縮めることにつながります。
定期的に雨樋を清掃することで、詰まりを防ぎ、屋根への負担を軽減することができます。
一般的には、年に1~2回の清掃が推奨されています。

破損箇所の修理

屋根材の破損や棟板金の浮きなどは、雨漏り原因になるだけでなく屋根全体の劣化を早める原因になります。
早期に修理することで、被害を最小限に抑え屋根の寿命を延ばすことができます。
少しでも気になる点があれば、専門業者に点検を依頼することをおすすめします。

ケース別に解説!トタン屋根の修理費用相場

トタン屋根の修理費用は、修理箇所や範囲、使用する屋根材の種類、そして業者によって大きく異なります。
ここでは、具体的なケース別に費用相場を見ていきましょう。

部分修理

部分的に修理が必要な場合は、以下のような費用相場になります。

修理箇所 費用相場 解説
屋根材の交換 1㎡あたり約5,000円~15,000円

部分的な屋根材の交換は、傷んだ箇所だけの交換となるため比較的費用を抑えられます。
ただし、足場設置費用や廃材処理費用などが別途かかる場合があるので注意が必要です。

棟板金の交換 1mあたり約10,000円~20,000円

棟板金は屋根の頂上部分に取り付けられる板金で、雨水の侵入を防ぐ役割を担っています。
経年劣化によって錆びたり、台風などで破損したりすることがあります。
棟板金の交換費用は、使用する板金の種類や長さによって異なります。

雨樋の修理 約10,000円~50,000円

雨樋の修理は、詰まりや破損の程度によって費用が異なります。
軽度の詰まりであれば高圧洗浄などで対応できますが、破損がひどい場合は部分的に交換する必要があります。
また、雨樋の修理は足場設置が必要となる場合があり、その場合は別途費用がかかります。

屋根全体の張り替え(葺き替え)

トタン屋根全体の張り替えが必要な場合は、以下のような費用相場になります。

屋根材の種類 費用相場(30坪の場合) 解説
ガルバリウム鋼板 約70万円~150万円

ガルバリウム鋼板は、耐久性が高く、軽量で耐震性に優れているため近年人気が高まっている屋根材です。
ガルバリウム鋼板の張り替え費用は、使用するガルバリウム鋼板の種類や、屋根の形状、施工業者によって異なります。

重ね張り(カバー工法)

既存のトタン屋根の上に新しい屋根材を被せる重ね張りの場合、以下のような費用相場になります。

屋根材の種類 費用相場(30坪の場合) 解説
ガルバリウム鋼板 約50万円~120万円

重ね張りは、既存の屋根材を解体する必要がないため、張り替えよりも費用を抑えることができます。
また、工期も短縮できます。

トタン屋根の雨漏りは、経年劣化や台風などの自然災害によって発生する可能性があります。
日頃から適切なメンテナンスを行うことで、屋根の寿命を延ばし雨漏りを防ぐことが重要です。

屋根の雨漏り原因は施工不良?修理しても直らない原因

屋根無料見積のお申し込みは電話0120710988、フォームからのお申し込みはコチラ

この記事を書いた人

市川 清信
市川 清信屋根無料見積.com運営責任者
屋根材メーカー(積水化学工業)直属の屋根診断士として活動し屋根工事・見積り経験35年・5,000件以上。
屋根工事の裏側を知り尽くした運営責任者が経験で得た専門情報をお伝えします。

また、専門資格や専門技術を持つ屋根職人が減った影響で起きている「低品質な屋根工事による被害」を減らすことを目的に日本屋根業者サポート協会に加盟する屋根職人とお客様との橋渡しをする活動を行っており、悪質業者による被害を減らすため900件以上の屋根相談、ボッタクリ被害を減らすための見積書診断サービスを180件以上行っています。