
屋根カバー工法は、既存の屋根材を撤去せずにその上から新たな防水層を設けることで、雨漏り防止や美観の向上を図る工法です。
カバー工法は費用が安く、葺き替えと比べ手軽にできる施工法ですが、工事後に後悔するお客様が増えています。なぜ後悔することになるのか?このページではカバー工法のリスクと注意点について解説します。
屋根カバー工法のリスク
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カバー工法は、葺き替えと比べて2つの工程を省略した施工法です。
そのため最も重要なのは、新しく載せるガルバリウム屋根の工事内容です。
カバー工法した後に起こる雨漏りは、ガルバリウム屋根の下に残った古い屋根と、その下にある下地(野地板)を通過して起こります。
雨漏りに気づいた時には下地がボロボロに腐っていることも少なくありません。→右写真参照
雨漏りリスクが高い!
カバー工法は、本体工事の割合がほぼ全てと言えるため、葺き替えと比べて雨漏りリスクの非常に高い工法。
工事完了後に雨漏りトラブルが起こるかどうか?は、工事内容と施工技術に掛かっているため専門業者に依頼する必要があります。
屋根カバー工法で重要な3つのポイントは、
1:下地の状態確認。
2:屋根勾配の確認。
3:ガルバリウム鋼鈑屋根の工事内容。
です。
カバー工法は、上記1・2のポイントを的確に診断することが事前確認が重要で、1・2が問題なく工事できたとしても、3の工事内容が悪いと工事後に雨漏りなどの問題が発生します。
| 屋根勾配について。 屋根勾配は非常に重要です。 ガルバリウム鋼鈑の横葺きタイプでカバー工法するには基本的に2.5寸以上の勾配が必要ですが、この勾配以下の屋根にカバー工法すると必ず雨漏りします。もともと勾配に合わない屋根材が施工されていた場合は、既に雨漏りしている可能性があるため下地の痛みをチェックする必要があります。 |
カバー工法の内容については、「屋根カバー工法とは?」のページをご覧ください。
カバー工法した屋根が台風で剥がれ飛んだ。
カバー工法したお客様からの相談例。
この写真は、スレート屋根(コロニアル)にシングル屋根でカバー工法した4例です。

【お客様からのお問合せ内容】(左上写真のお客様から)
2年前の台風でスレートが飛び(2度目)、風速50mに耐えると言われ屋根をカバー工法したのですが、今年の台風で屋根の半分以上が飛ばされました。
最近、屋根業者に修理をお願いしまして、はじめの見積もりが191万円だったため、予算的に難しいという趣旨の事をお話したら、割引で150万円の見積もりを提示されました。
金額的にとても魅力的なのですが、果たして適切な工事をしていただけるのかとても心配で、ご相談のメールをさせていただきました。
お客様から送られてきた見積書の内容
【屋根カバー工法の再工事見積書】(割引前の見積り書。有効期間1ヶ月)
| 名称 | 数量 | 単価 | 金額 |
| 仮設足場(養生シート含む) | 290㎡ | 900 | 261,000 |
| 昇降階段 | 3基 | 10,000 | 30,000 |
| 既存屋根撤去 | 95㎡ | 2,500 | 237,500 |
| 防水シート(粘着式) 【割引後の見積で削除されていた】 |
95㎡ | 3,500 | 332,500 |
| アスファルトシングル | 95㎡ | 6,900 | 655,500 |
| 棟 | 19m | 4,300 | 81,700 |
| 谷 | 3.5m | 5,000 | 17,500 |
| 換気棟 | 1 | 30,000 | 30,000 |
| 廃材処分費 | 1 | 45,000 | 45,000 |
| 諸経費 | 1 | 50,000 | 50,000 |
| 合計 | 1,740,700円 | ||
| 税込み合計 | 1,914,770円 |
【見積もり内容を見ての感想】
上の見積書には、防水シートの記載があるのですが、 値引後の見積書にはその記載がありませんでした、どうしてでしょうか?
【お客様から】
その事を業者に問い合わせたところ、予算内でやるために今屋根にある既存の防水シートの上から新しい屋根を付けるとのことでした。
ビスや釘などの穴が大きいところは、その個所に新たに防水シートを貼るとのことでした。
雨漏りとかの心配はないのでしょうか?その工事が適切なのかも知りたいです。
ちなみに、台風で飛んでしまった元の屋根は糊がちゃんと貼られていないために飛んでしまったとの事だったので、今回思い切って屋根を変えることにしました。
でも、素人では工事の内容が全くわからないため、ご相談させていただきました。
正直、どうすればいいのか途方に暮れております。
適切なアドバイスをいただければ大変ありがたいです。
【屋根の再カバー工法について】
アスファルトシングルは通常の工事方法では記載頂いた強風に耐えることができないため強風対策を施す必要があります。
ですが、そもそも強風に強い屋根材ではないため、通常のガルバリウム鋼板屋根でカバー工法する事をお勧め致します。
今回飛んでしまった原因は野地板が傷んでいた可能性も考えらえますし、屋根材の固定方法に問題がなかったのかも含めてカバー工法で良いのか?葺き替えが必要なのか?を判断する必要があります。
ガルバリウム鋼鈑で屋根をカバー工法する場合は、今回のように再工事が必要にならないよう屋根材メーカーの施工規準を守って工事している専門業者に依頼するようにして下さい。
当サイトとしては適切な工事方法を直接訪問させて頂いた上で提案させて頂きたいのですが、現在非常に混んでいるため相当時間が掛かる状況になっております。
屋根カバー工法の注意点。
カバー工法は、下地(野地板)の痛みを的確に診断できる業者に依頼して下さい。
下地が腐っていないか?

屋根をカバー工法をする時に注意すべき下地の腐り。
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下地が傷んで(腐って)いると屋根材を固定するネジや釘が効かず、
強風で屋根が剥がれ飛んでしまいます。
「カバー工法で大丈夫!」って言われたけど下地が腐ってた。

外見からでは分かりづらいですが、当サイト担当は下地が傷んでいると判断し葺き替えを提案。
コロニアル本体を剥がしてみると完全に腐っていました。施工例へ
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業者に言わるまま工事していたら数年で再葺き替えになるところでした。
屋根点検時に下地の痛みを的確に診断できる業者は少なく注意が必要です。
下地が、老けていないか?

下地は腐っていなくても【老け】と言う現象も起こります。
下地の合板は、1枚板ではなく5枚の薄い単板を繊維方向を互い違いに重ね合わせて接着し貼り合わせる構造になっています。
しかし湿気や熱気により接着力が落ちると単板同士が剥がれ合板強度が低下してしまう。
これがいわゆる【老け】と呼ばれる現象です。
しかし、この現象を判断出来ない業者。
または「老け」という現象を知らない業者も多く、そのまま施工されてしまうと屋根材を固定するネジが効かず剥がれてしまいます。
【下地が老けていた実例】

下地が老けて傷んでいるのに、カバー工法(重ね葺き)してしまうと下地は放湿性能がないため、さらに下地の傷みが進行してしまい屋根を固定していた釘やネジが徐々に抜けていくため強風で屋根が剥がれ飛んでしまいます。
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【屋根材メーカーの設計基準には】 【必須確認事項】 |
カバー工法しか勧めない業者にご注意下さい。
1:「アスベストの処理費用が高いから」と言ってカバー工法しか勧めない業者がいます。
このような業者は「費用が安い方が依頼を受け易い」からとしか考えていません。
2:「アスベストを処理する資格を持っていない」または「技術が未熟で葺き替え工事が出来ないからカバー工法を勧めている」など、 下地が傷んでいるのを知っていながらカバー工法しか勧めない業者もいます。(再葺き替えになるケースが少なくありません)
3: 葺き替えと比べて工事工程が少ないぶん「専門職人でなくても工事できるだろう!」などと考える業者も少なくありません。
このような業者が「屋根専門!」と宣伝している例も多く見られますが、一般のお客様では見分けが付きません。(工事後にトラブルが続出しています)
<カバー工法した後で葺き替えが必要になると>
通常の葺き替えと比べて、費用はかなり高額になります。
二重になった屋根の ⇒ ①撤去費用+②廃棄費用+③野地板交換費用が加算されるため。
(カバー工法をきちんと工事している業者は1割程度、後悔しないよう専門業者に依頼しましょう)
屋根カバー工法・屋根重ね葺きで悩んだら屋根無料見積.comへ。
様々な屋根材を扱う業者が加盟しているため適切な業者選びが可能です。

日本屋根業者サポート協会とは。
お住まいの地域によって対応できない場合もございます。
この記事を書いた人

- 屋根無料見積.com運営責任者
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屋根材メーカー(積水化学工業)直属の屋根診断士として活動し屋根工事・見積り経験35年・5,000件以上。
屋根工事の裏側を知り尽くした運営責任者が経験で得た専門情報をお伝えします。
また、専門資格や専門技術を持つ屋根職人が減った影響で起きている「低品質な屋根工事による被害」を減らすことを目的に日本屋根業者サポート協会に加盟する屋根職人とお客様との橋渡しをする活動を行っており、悪質業者による被害を減らすため900件以上の屋根相談、ボッタクリ被害を減らすための見積書診断サービスを180件以上行っています。

ガルバリウム鋼鈑の横葺きタイプでカバー工法するには基本的に2.5寸以上の勾配が必要ですが、この勾配以下の屋根にカバー工法すると必ず雨漏りします。


