スレート屋根の修理が必要な

スレート屋根とは。特徴とメンテナンスの重要性

スレート屋根の外観
スレート屋根は、日本の多くの戸建て住宅で採用されている屋根材の一種です。
薄い板状の材料を重ねて葺くことで美しく機能的な屋根を形成しますが、その特性上、経年劣化は避けられず定期的なメンテナンスが不可欠です。

スレート屋根の基礎知識(コロニアルやカラーベスト)

スレート屋根商品の表面デザイン
スレート屋根には、大きく分けて「天然スレート」と「化粧スレート」の2種類がありますが、一般的に「スレート屋根」と言う場合は「化粧スレート」を指します。

化粧スレートは、セメントに繊維材料を混ぜて薄い板状に成形した人工の屋根材です。
軽量で施工しやすく、カラーバリエーションも豊富なため新築住宅やリフォームで広く普及しています。
代表的な商品名として、ケイミュー株式会社の「コロニアル」や「カラーベスト」があり、これらが化粧スレートの代名詞のように使われることもあります。(参考:ケイミュー株式会社 屋根材
化粧スレートの特徴をまとめると以下のようになります。

項目 特徴
主成分 セメント、繊維材料
メリット 軽量で建物への負担が少ない、比較的安価、デザインや色が豊富、施工しやすい
デメリット 衝撃に弱く割れやすい、定期的な塗装メンテナンスが必要(約10年ごと)、経年劣化で反りやひび割れが生じやすい

これらの特性を理解しておくことが適切なメンテナンス計画を立てる上で重要になります。

スレート屋根の耐用年数と定期的な点検の必要性

スレート屋根の点検
化粧スレートの屋根材自体の耐用年数は一般的に20年~30年程度と言われています。
しかし、これはあくまで屋根材そのものの寿命であり、表面を保護している塗膜は紫外線や雨風の影響で徐々に劣化し約10年程度で防水機能が低下し始めます。

塗膜の劣化を放置すると、屋根材自体が水分を吸収しやすくなり反りやひび割れ、コケの発生といった問題を引き起こします。
これがさらに進行すると雨漏りにつながり、建物内部にまで被害が及ぶ可能性があります。
そのため、スレート屋根の性能を維持し、寿命を延ばすためには定期的な点検と適切なタイミングでのメンテナンスが不可欠です。

専門業者による点検は、新築後または前回のメンテナンスから5年~10年を目安に実施することをおすすめします。
特に、屋根塗装の目安となる築10年、または前回の塗装から10年が経過したタイミングでは、専門家の目でしっかりと状態を確認してもらうことが重要です。
もちろん、台風や強風の後など、屋根にダメージが疑われる場合は、その都度点検を依頼しましょう。

定期的な点検によって劣化のサインを早期に発見し、 適切な補修や塗装を行うことで屋根の寿命を最大限に延ばし、結果的に大規模な修繕費用を抑えることにも繋がります。

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スレート屋根修理が必要な劣化のサインを見逃さない

スレート屋根の劣化サイン
スレート屋根は、新築時には美しく機能的ですが、経年劣化や自然環境の影響により徐々にダメージが蓄積していきます。
屋根の劣化は普段目につきにくい場所であるため、気づかないうちに進行していることも少なくありません。
しかし、劣化のサインを早期に発見し適切な修理を行うことで、屋根の寿命を延ばし、住まい全体の安全性を保つことができます。
ここでは、スレート屋根修理が必要となる代表的な劣化のサインについて、その原因と放置するリスクを具体的に解説します。

ひび割れや欠け、スレート屋根材の破損

スレート本体のひび割れと欠け
スレート屋根材に見られるひび割れ(クラック)や角の欠けは、屋根材が物理的なダメージを受けている証拠です。これらの破損は、主に以下のような原因で発生します。

  • 経年劣化:長年の紫外線や風雨により、スレート材が硬化し、もろくなることで発生しやすくなります。
  • 飛来物:台風や強風時に飛んできた物が屋根に衝突することで、ひび割れや欠けが生じることがあります。
  • 凍害:スレート材が吸水し、冬場にその水分が凍結と融解を繰り返すことで、内部から破壊されひび割れが起こります。特に寒冷地で注意が必要です。
  • 施工不良:新築時や過去のメンテナンス時の施工に問題があった場合、早期に破損が生じることもあります。

小さなひび割れや欠けであっても放置するとそこから雨水が浸入し、屋根材自体の劣化を早めるだけでなく屋根下地や防水シート(ルーフィング)にまでダメージが及ぶ可能性があります。
結果として雨漏りを引き起こし、修理範囲が拡大してしまうため早期の補修が重要です。

色あせや塗膜の剥がれは、防水機能低下の兆候です

スレート屋根の色褪せ、塗膜はがれ
スレート屋根の表面が 新築時と比較して明らかに色が薄くなったり、まだら模様になったりする「色あせ」や、塗膜がパリパリと剥がれてくる「塗膜の剥がれ」は、屋根を保護している塗料の劣化サインです。
スレート屋根は、その表面に塗装を施すことで防水性や耐久性を高めています。

この塗膜は、紫外線・雨・温度変化などの影響で徐々に劣化し、その保護機能が低下していきます。
塗膜が劣化すると、スレート屋根材自体が水分を吸収しやすくなり、屋根材の反りやひび割れ、コケの発生などを引き起こす原因になります。
防水機能が低下した状態を放置すると最終的には雨漏りにつながるため、定期的な屋根塗装によるメンテナンスが必要です。

コケやカビの発生は、屋根の美観と耐久性を損なう

スレート屋根の苔・カビ
スレート屋根の表面に 緑色のコケや黒ずんだカビが発生しているのを見つけたら、注意が必要です。
これらは屋根の美観を損なうだけでなく屋根材の劣化を促進させる要因になります。

コケやカビは、屋根表面の塗膜が劣化し、防水性が低下することで屋根材が水分を含みやすくなった状態や、屋根の日当たりが悪く湿気が溜まりやすい環境で繁殖しやすくなります。
コケやカビは水分を保持し続けるため、スレート屋根を常に湿った状態にし、屋根の劣化を早めます。
また、根を張ることで屋根材の表面を傷つけ、微細なひび割れを引き起こすこともあります。
美観の問題だけでなく、屋根の耐久性維持のためにも、高圧洗浄や専用の薬剤で除去し、必要に応じて再塗装を行うことが推奨されます。

棟板金の浮きや釘抜け。強風による被害リスク

スレート屋根の棟板金の浮き
屋根の頂部(棟)や斜面の交差部分(隅棟・降棟)に取り付けられている金属製の板金を「棟板金(むねばんきん)」と呼びます。
この棟板金が浮いていたり、固定している釘が抜けかかっていたりするのは非常に危険な劣化症状です。

棟板金は、屋根材の隙間からの雨水の浸入を防ぐ重要な役割を担っています。
経年劣化による板金の変形、下地木材(貫板)の腐食、固定釘のサビや緩みなどが原因で、浮きや釘抜けが発生します。
これらの症状を放置すると、強風時に棟板金がめくれ上がったり、最悪の場合は飛散して近隣に被害を及ぼす可能性があります。
また、浮いた隙間から雨水が浸入し、屋根の下地を腐食させ、雨漏りの直接的な原因となることも少なくありません。
定期的な点検と、釘の増し打ちやシーリング補修、貫板の交換といったメンテナンスが必要です。

雨漏りの発生。最も深刻なスレート屋根のトラブル

スレート屋根雨漏りで天井にシミが出てきた
天井のシミ、壁紙の剥がれ、室内へのポタポタとした水滴の落下など「雨漏り」はスレート屋根の劣化がかなり進行していることを示す最も深刻なサインです。
雨漏りは、これまで述べてきたようなスレート屋根材のひび割れや欠け、塗膜の劣化、棟板金の不具合などが複合的に絡み合い、屋根の防水機能が完全に失われた結果として発生します。
雨漏りを放置すると、以下のような深刻な被害を引き起こす可能性があります。

被害の種類 具体的な内容
建物内部への被害 天井裏や壁内部の断熱材の濡れ、カビの発生、内装材の汚損・剥がれ
構造躯体へのダメージ 柱や梁などの木材の腐食、鉄骨のサビ、建物の耐久性低下
健康被害 カビによるアレルギー症状や呼吸器系疾患のリスク
シロアリ発生リスク 湿った木材を好むシロアリを呼び寄せ、建物の構造に深刻な被害を与える
漏電リスク 電気配線に雨水が触れることによる漏電や火災の危険性

雨漏りのサインを発見したら、被害が拡大する前に、一刻も早く専門の屋根修理業者に調査と修理を依頼することが極めて重要です。
自己判断で放置したり、不適切な応急処置を施したりすると、かえって状況を悪化させる可能性があります。

スレート屋根修理を放置する危険なリスクとは

スレート屋根を修理しなかった結果
スレート屋根の劣化サインを見逃し、修理を先延ばしにすると想像以上に深刻な事態を引き起こす可能性があります。
放置することで、建物の寿命を縮めるだけでなく、最終的には高額な修繕費用が必要になることも少なくありません。
ここでは、スレート屋根修理を放置することで生じる具体的なリスクについて詳しく解説します。

雨漏りによる建物内部への被害拡大

屋根からの雨漏りによる建物内部への影響
スレート屋根のひび割れやズレ、棟板金の浮きといった初期の劣化を放置すると、雨水が建物内部に浸入し、雨漏りを引き起こします。
最初は天井に小さなシミができる程度かもしれませんが、放置すればするほど雨漏りの範囲は拡大し、壁紙の剥がれやカビの発生、さらには照明器具の故障や大切な家財への被害にもつながります。
特に梅雨の長雨や台風による強風雨の際には、被害が一気に深刻化する恐れがあります。

雨漏りは、単に水が浸入するだけでなく、湿気によって室内の空気が悪化し、健康への影響も懸念されます。
また、漏電を引き起こし、最悪の場合は火災につながるリスクも潜んでいます。

野地板や垂木など屋根下地の腐食

スレート屋根雨漏りで下地野地板と垂木が腐っていた
雨漏りが慢性化すると、スレート屋根の下に敷かれている野地板(のじいた)や、屋根を支える垂木(たるき)といった木製の下地材が腐食し始めます。
これらの部材は水分に非常に弱く、常に湿った状態が続くと強度が著しく低下し、徐々に腐ってしまいます。
下地の腐食が進行すると、屋根全体の耐久性が損なわれ屋根材のズレや脱落、さらには屋根の陥没や崩落といった重大な事故につながる危険性も高まります。

屋根下地の腐食は、普段目に見えない部分で進行するため、気づいた時には深刻な状態になっているケースも少なくありません。
下地の修繕や交換には大掛かりな工事が必要となり費用も高額になります。

シロアリ発生のリスクと構造体への影響

屋根雨漏りによる白アリ発生のリスク
湿気を含んで腐食し始めた木材は、 シロアリにとって格好の餌場となり繁殖しやすい環境を提供してしまいます。
屋根の下地が雨漏りによって湿った状態が続くと、シロアリを呼び寄せてしまうリスクが格段に高まります。
シロアリは木材を内部から食い荒らし下地だけでなく、柱や梁(はり)、土台といった建物の主要な構造部分にまで被害を及ぼすことがあります。
構造体の強度が低下すると、地震や台風などの自然災害時に建物が倒壊するリスクも高まり、住まいの安全性が著しく損なわれます。

シロアリ被害の修繕には、被害箇所の補修や交換だけでなく、シロアリの駆除費用も必要になり、経済的な負担が大きくなります。

建物全体の資産価値低下と修繕費用の増大

屋根の雨漏りを放置すると修繕費用が増える
スレート屋根の劣化を放置し、雨漏りや屋根下地の腐食、シロアリ被害などが発生すると、建物全体の美観が損なわれるだけでなく、構造的な問題も抱えることになり資産価値は著しく低下します。
将来的に建物の売却や賃貸を考えている場合、査定額に大きく影響する可能性があります。
また、問題を先送りにすればするほど被害は拡大し、修理箇所が増え、工事の規模も大きくなるため結果的に修繕費用も高額になってしまいます。
初期の小さなひび割れであれば数万円程度の部分補修で済んだものが、放置した結果、数百万円規模の屋根葺き替え工事や構造体の補修が必要になるケースも珍しくありません。

定期的な点検と適切な時期のメンテナンスは、 長期的に見てトータルの修繕コストを抑え、大切な住まいの寿命を延ばすことにつながります。
■関連ページ:「屋根雨漏り、修理しても直らない本当の原因とは?」

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スレート屋根修理の種類と費用相場を解説

スレート屋根の修理方法
スレート屋根の劣化状況やご予算に応じて修理方法は多岐にわたります。
ここでは代表的なスレート屋根の修理方法と、それぞれの費用相場、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
ご自宅の屋根の状態と照らし合わせながら最適な修理方法を選ぶための参考にしてください。

部分的な補修(ひび割れ補修や差し替え)

スレート屋根の部分修理例
部分補修は、スレート屋根に見られる軽微なひび割れや小さな欠け、一部の屋根材のズレや浮きなどに対して行われる最も手軽な修理方法です。
被害が拡大する前に対処することで大規模な工事を防ぐことができます。

スレート屋根の部分修理費用と作業内容

部分補修の費用は、補修範囲や内容によって変動しますが、一般的には数万円から20万円程度が目安となります。主な作業内容は以下の通りです。

  • ひび割れ補修:専用のコーキング材や補修材を使用して、スレート材のひび割れを埋めます。
  • 屋根材の差し替え:割れや欠けが大きいスレート材を部分的に新しいものと交換します。
  • 棟板金の補修:浮きや釘抜けが見られる棟板金を固定し直したり、部分的に交換したりします。

ただし、広範囲に劣化が見られる場合や下地にまで影響が及んでいる場合は、部分補修では対応しきれないこともあります。
■関連ページ:「屋根修理の方法、修理トラブルの原因と実例」

屋根塗装(スレート屋根の美観と防水性の回復)

スレート屋根塗装
屋根塗装は、スレート屋根の表面に塗装を施すことで、美観を回復させるとともに、防水機能を再生させるメンテナンス方法です。
一般的に新築から10年程度で最初の塗装時期を迎えます。
定期的な塗装は、スレート屋根材自体の寿命を延ばす効果も期待できます。

スレート屋根塗装の費用相場と塗料の種類

スレート屋根塗装の費用相場は、一般的な30坪程度の戸建て住宅で40万円~80万円程度です。
使用する塗料の種類によって、耐久性や価格が大きく異なります。

/上記費用には、足場設置費用、高圧洗浄、下地処理、養生などの費用も含まれるのが一般的です。見積もり時には内訳を確認しましょう。

屋根塗装の縁切り、タスペーサーの重要性

スレート屋根塗装に必要なタスペーサーとは
スレート屋根を塗装する際には、「縁切り(えんぎり)」または「タスペーサーの設置」が非常に重要です。
スレート材は一枚一枚が重なり合って施工されており、その隙間は雨水の排出経路や通気口としての役割を担っています。
塗装によってこの隙間が塗料で埋まってしまうと、雨水が排出されずに屋根材の裏側に回り込み毛細管現象によって内部に浸水し雨漏りや下地の腐食を引き起こす原因となります。

タスペーサーは、スレート材の間に適切な隙間を確保するための部材です。
塗装前にタスペーサーを差し込むことで塗料で隙間が塞がれるのを防ぎます。
縁切り作業を怠ると、せっかく塗装しても屋根の寿命を縮めることになりかねないため、業者に見積もりを依頼する際は、縁切りやタスペーサー設置が含まれているか必ず確認しましょう。
■関連ページ:「屋根塗装も屋根工事も専門のハイブリット屋根業者に依頼するメリット」

カバー工法=重ね葺き(既存屋根の上に新しい屋根材を設置)

スレート屋根カバー工法とは
カバー工法は、既存のスレート屋根を撤去せずに、その上から新しい軽量な屋根材を被せて設置する修理方法です。
廃材の発生を抑えられ、工期も比較的短いため近年人気の高い工法です。
ただし、屋根の劣化状態によっては適用できない場合もあります。

スレート屋根カバー工法の費用相場とメリットデメリット

スレート屋根のカバー工法の費用相場は、一般的な30坪程度の戸建て住宅で 80万円~180万円程度です。使用する新しい屋根材の種類によって費用が変動します。

項目 内容
メリット
  • 既存屋根の解体・撤去費用や廃材処理費用が抑えられる(アスベスト含有屋根の場合、特に有効)
  • 工期が比較的短い
  • 屋根が二重になるため、断熱性や遮音性が向上する場合がある
  • 葺き替えに比べて費用が安い傾向がある
デメリット
  • 屋根の総重量が増加するため、建物の耐震性に影響がないか確認が必要
  • 既存屋根の下地の状態を直接確認・補修できない
  • 屋根材の選択肢が軽量なものに限られる
  • 将来的に再度屋根修理が必要になった場合、二重の屋根材を撤去する費用が高額になる可能性がある
  • 屋根の野地板の劣化が著しい場合は施工できない

カバー工法で使われる屋根材の種類と特徴

カバー工法では、建物への負担を考慮して軽量な屋根材が選ばれます。代表的なものには以下のような屋根材があります。

  • ガルバリウム鋼板:非常に軽量で耐久性が高く、サビにも強い金属屋根材です。デザインも豊富で現在のカバー工法の主流となっています。
  • SGL鋼板(次世代ガルバリウム鋼板):ガルバリウム鋼板にマグネシウムを添加し、さらに耐食性を高めたものです。
  • アスファルトシングル:ガラス繊維基材にアスファルトを塗布し、石粒を表面に吹き付けたシート状の屋根材です。
    軽量で柔軟性があり、複雑な形状の屋根にも対応しやすいですが強風にやや弱い面もあります。

■関連ページ。
「ガルバリウム鋼板屋根の種類とタイプ、構造とメリット・デメリット」
「屋根カバー工法(重ね葺き)の工事方法とメリット・デメリット、注意点」

葺き替え工事(古い屋根材を撤去し新しい屋根材に交換)

スレート屋根の葺き替えとは
葺き替え工事は、既存のスレート屋根材と下地の一部(防水紙など)を全て撤去し新しい屋根材に交換する最も根本的な修理方法です。
屋根の下地状態を確認し、必要であれば補修も行えるため雨漏りが進行している場合や、屋根全体の耐久性をリセットしたい場合に適しています。

スレート屋根葺き替えの費用相場とメリットデメリット

スレート屋根の葺き替え工事の費用相場は、一般的な30坪程度の戸建て住宅で100万円~250万円程度です。
撤去する既存屋根材の種類(特にアスベスト含有の場合)や、新しく使用する屋根材の種類、下地の補修範囲によって費用が大きく変動します。

項目 内容
メリット
  • 屋根下地(野地板や防水紙)の状態を直接確認し劣化していれば補修・交換ができる
  • 新しい屋根材を自由に選べる(重量制限がカバー工法より緩やか)
  • 屋根の軽量化も可能で、耐震性が向上する場合がある
  • 根本的な解決策であり最も安心感が高い
デメリット
  • 他の工法に比べて費用が最も高額になる
  • 工期が比較的長くなる
  • 既存屋根の解体・撤去費用や廃材処理費用が発生する

アスベスト含有スレート屋根の葺き替え注意点

2004年(平成16年)以前に製造されたスレート屋根材(特に「化粧スレート」と呼ばれるもの)にはアスベスト(石綿)が含まれている可能性があります。
アスベスト含有屋根材の葺き替え工事を行う際には、大気汚染防止法や石綿障害予防規則に基づき、飛散防止対策や適切な廃材処理が義務付けられています。

これには専門的な知識と設備が必要であり、通常の解体費用に加えてアスベスト処理費用が追加で発生します。
アスベストレベルによって処理費用は異なりますが、一般的に数万円から数十万円程度が上乗せされることがあります。
アスベスト含有の可能性がある場合は、必ず専門の業者に調査を依頼し、法令を遵守した適切な工事を行ってもらうようにしましょう。
無許可業者や不適切な処理は健康被害や法的な罰則のリスクを伴います。
■関連ページ:「屋根葺き替えはどんな場合に適した工事方法か?メリット・デメリット」

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スレート屋根修理の見積もり前に確認すべき重要ポイント

スレート屋根の修理見積もり
スレート屋根の修理は、決して安い買い物ではありません。だからこそ後悔しないためには業者選びと見積もりの確認が非常に重要になります。
この章では安心してスレート屋根修理を依頼するため、見積もり取得前に押さえておくべき大切なポイントを解説します。

見積書の内容をしっかりチェックするポイント

屋根修理の見積書
複数の業者から見積もり(相見積もり)を取り、内容を比較検討することが基本です。
見積書は専門用語も多く分かりにくい部分もありますが、以下のポイントを押さえてしっかりチェックしましょう。

工事内容の詳細と使用材料の明記

見積書には、どのような工事をどの範囲で行うのか具体的に記載されているかを確認します。
例えば、屋根塗装であれば下地処理の内容(高圧洗浄、ケレン作業など)、使用する塗料のメーカー名、製品名、塗布回数などが明記されているべきです。
カバー工法や葺き替えの場合は、使用する屋根材の種類、防水シートの種類なども確認しましょう。
「スレート屋根修理工事一式」のような曖昧な記載しかない場合は詳細な内訳を求めるべきです。

数量や単価が適正か確認する

屋根の面積(平方メートル)、使用する材料の数量、それぞれの単価が明記されているかを確認します。
数量や単価が「一式」とまとめられていたり、不明瞭だったりする場合は注意が必要です。
可能であれば、ご自宅の図面などからおおよその屋根面積を把握しておくと見積もりの妥当性を判断するのに役立ちます。
極端に安い単価や高すぎる単価には理由があるはずなので業者に説明を求めましょう。
見積書で確認すべき主な項目は以下の通りです。

確認項目 チェックポイント
工事名・工事範囲 どの部分をどのような工法で修理するのか、具体的に記載されているか?
使用材料 屋根材、塗料、防水シートなどのメーカー名、製品名、グレード、色などが明記されているか?
数量・単位・単価・金額 各項目(足場、屋根材、塗装面積など)の数量、単位、単価、金額がそれぞれ明記され、合計金額と一致しているか?
諸経費 足場設置・解体費用、廃材処理費用、運搬費、現場管理費などの内訳が明確か?
追加費用の可能性 予期せぬ下地の劣化など、追加費用が発生する可能性とその条件、概算費用について説明があるか?
保証内容・期間 工事保証や製品保証の内容、期間、免責事項などが記載されているか?
支払い条件 契約金、中間金、最終金の支払いタイミングや方法が明記されているか?
工事期間 着工から完工までの予定期間が記載されているか?

諸経費や追加費用の有無を確認

見積もりには、工事費本体以外に足場代・廃材処理費・現場管理費などの諸経費が含まれます。
これらの諸経費の内訳が明確になっているかを確認しましょう。
また、工事を進める中で、見積もり時には予測できなかった下地の著しい腐食などが発見され、追加工事や追加費用が発生する可能性もあります。
そのような場合に備えて、追加費用が発生する条件やその際の連絡・確認手順についても事前に業者と取り決めておくことがトラブル防止につながります。

保証制度やアフターフォローの充実度

工事後の保証制度やアフターフォロー体制も重要なチェックポイントです。
工事保証(施工保証)の有無・保証期間・保証内容を必ず確認しましょう。
口約束ではなく書面で保証書を発行してもらえるかどうかも確認が必要です。
また、定期的な点検サービスなど、工事後のアフターフォローが充実している業者を選ぶと、長期的に安心です。

火災保険がスレート屋根修理に適用できるケース

屋根修理と火災保険
スレート屋根の修理理由によっては、加入している火災保険(住宅総合保険など)が適用できる場合があります。
全てのケースで適用されるわけではありませんが確認してみる価値はあります。

自然災害による屋根被害と保険申請の流れ

火災保険が適用されるのは、主に台風、強風、突風、雪害、雹(ひょう)害などの自然災害によってスレート屋根が破損した場合です。
例えば、「台風で棟板金が飛散した」「強風でスレートが割れた・飛ばされた」「雪の重みでスレートが破損した」といったケースが該当します。
重要なのは、経年劣化や人的な過失による損傷は原則として対象外となる点です。保険申請の一般的な流れは以下の通りです。

  1. 被害発生後、速やかに保険会社または代理店に連絡する。
  2. 被害状況を写真や動画で記録する。(修理前の状況証拠として重要です)
  3. 信頼できる修理業者に被害状況の調査と修理見積もりを依頼する。
  4. 保険会社へ保険金請求書、修理見積書、被害写真などの必要書類を提出する。
  5. 保険会社による損害調査(鑑定人による現地調査など)が行われる。
  6. 審査後、保険金額が決定され、支払われる。

保険の契約内容によって補償範囲や免責金額(自己負担額)が異なりますので、まずはご自身の保険証券を確認し保険会社に相談してみましょう。
火災保険の適用について詳しくは、ご加入の保険会社、または一般社団法人 日本損害保険協会のウェブサイトなども参考にしてください。

まとめ

スレート屋根の劣化サインを見逃さず、放置するリスクを理解することが重要です。
ひび割れや色あせ、雨漏りなどのサインに気づいたら早めの対処が建物を守り、結果的に修繕費用を抑えることに繋がります。
修理方法には塗装やカバー工法、葺き替えなどがあり状況に応じた選択が必要です。
信頼できる専門業者に相談し、適切な診断と見積もりを受けることが後悔しないスレート屋根修理の第一歩です。

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この記事を書いた人

市川 清信
市川 清信屋根無料見積.com運営責任者
屋根材メーカー(積水化学工業)直属の屋根診断士として活動し屋根工事・見積り経験35年・5,000件以上。
屋根工事の裏側を知り尽くした運営責任者が経験で得た専門情報をお伝えします。

また、専門資格や専門技術を持つ屋根職人が減った影響で起きている「低品質な屋根工事による被害」を減らすことを目的に日本屋根業者サポート協会に加盟する屋根職人とお客様との橋渡しをする活動を行っており、悪質業者による被害を減らすため900件以上の屋根相談、ボッタクリ被害を減らすための見積書診断サービスを180件以上行っています。