ガルバリウム鋼板屋根、工事後に雨漏りが起こる原因
一般的な屋根業者と当サイト専門業者、施工法の違い。
屋根をガルバリウム鋼板に変えて数年しか経っていないのに、台風で棟包みが剥がれ飛んでしまいました。
『原因は何でしょうか?』
という問い合わせと共に3枚の写真が東京から送られてきました。
そのうちの1枚が下に載せた1枚目の写真(左側のA)です。
これは頻繁に起きている工事後の施工トラブルの1つです。
その原因を説明します。
AもBも工事完了後の外見からでは分かりませんが、問題はその内部構造にあります。
Aの工事方法は、
多くの屋根業者で行われている方法ですが、横から雨が入り込み下地(野地板)が腐る原因になっています。
これは、メーカー保証対象外の施工法でもありますが、数年~10年程度で修理・再葺き替えが確実に必要になるため100万円単位の追加費用が掛かります。(修理の場合、定期的な修理が必要です)
【ご注意】
屋根材メーカーには施工仕様や施工規準がありますが、これを守らなければならないという決まりはありません。
実際の施工法は業者によって違いがあり、独自の施工法で工事している業者がほとんど。これが工事後のトラブルが増える原因になっています。
一般的な屋根業者の間違った工事方法。
この施工法は信じられないほど多く殆どの業者で行われています。
◎ A:の工事方法は、
ガルバリウム本体の上に、笠木を取り付けています。(上写真参照)
⇒これは、コロニアル(スレート屋根)の施工法であり、ガルバリウムの施工法ではありません。
この施行の問題点は。
◎ 横方向から雨が入り込み、まず笠木が腐ります。
◎ 笠木が腐ると、笠木に被せた棟包みを固定する釘が抜けてしまい棟包みが剥がれます。
⇒この状態であれば取り合えず修理で済むため数万~数十万円の出費で済みますが・・・
そもそも間違った施工法なので葺き替える事でしか根本的な問題を解決できません。
⇒そのため修理対応の場合は、定期的な修理が必要になります。
●正しい施工法は下図です。↓
(下の立ち上げ加工は、切妻屋根の平棟部でも必須です)
(こちらの例は寄棟屋根ですが、切妻屋根でも同じです)
コロニアル屋根と同じ方法で工事してしまうと、
ガルバリウム鋼板では絶対に回避出来ない新たな大問題が発生します。
雨漏りする構造的な原因。
雨水は通常、上から下方向へ流れます。
また、屋根が重なり合った部分では横方向へも雨水は流れて行きます。
↓
コロニアルが雨漏りする原因。
横方向から流れてきた雨水が棟の中心部から入り込み、さらに屋根材裏面へ流れ込む事で雨漏りが起こります。
雨漏りを防ぐには、棟中心部へ流れ込む雨水を止める必要があり、コロニアルの場合は隅切り(切り落とし)という加工を行う事で雨水が棟中心部へ流れ込まないよう方向を変えることが出来ます。
この加工をする事で、棟の中心部へ流れ込む雨水の横走り(白色点線、横方向への流れ)を防ぐ事が出来、棟中心部からの雨水侵入を防ぐ事が出来るのです。(隅切りしない=手抜き工事も多く見られます)
●隅切りとは、
棟廻りの中心部にあるコロニアル本体の端を三角形に140~150mmほど斜めに切断(赤色の三角部分)する加工の事です。
コロニアルは、屋根材同士が上下に重なり合う構造になっていて重ね部分は約20cmあります。
●屋根構造が違うから雨漏りするのは当然!
隅切り加工が出来るのは、屋根が上下に20cm重なり合うコロニアル屋根の場合だけ!
ガルバリウム鋼板では、この加工が出来ません。
ガルバリウム鋼板は、屋根材同士がお互いに重なり合う構造では無いため、この加工が出来ないのです。
ガルバリウム鋼板を、コロニアルと同じ方法で施工してしまい。
なおかつ隅切り加工が出来ないまま工事するという事は、
棟中心部から雨水が入り込んでしまう。
↓
つまり、
『スレート屋根より雨漏りし易く!⇒確実に雨漏りする!』という事なのです。
これは、再葺き替えが確実に必要になる致命的な原因になっています。
屋根をガルバリウム鋼板にする場合は、棟部の本体立ち上げ加工をきちんと行っている業者に依頼しなければ修理や再葺き替えが必要になり、数年~10年程度で数十万~100万単位の余計な費用が必要になります。
(隅切りは、寄棟屋根の場合に必要ですが、切妻屋根ではケラバ部で肩落としという加工が必要です。ケラバ部の雨漏りは、肩落としされていないことが原因です。)
右写真は、ガルバリウム鋼板へ葺き替えて雨漏りした例です。
棟包みと笠木を取り外すと、雨水が入り込んだ所が広範囲に白くなっており、棟中心部は黒く変色しています。
「工事した業者がコーキングで何度修理しても直らないので」と当サイトへ連絡頂きました。
お客様のご要望として、
「今度は足場に上がって自分の眼で不具合を確認したい」「前回と今回の工事方法の違いを教えて欲しい」とご依頼頂き再葺き替えになりました。
何とか修理出来ないの?と問い合わせ頂く事もありますが、一度間違った工事をされてしまうと一からやり直すしか方法がありません。
ガルバリウム鋼板の屋根工事を依頼する場合は、専門の施工法に従い、きちんと工事できる専門業者に依頼しないと施工後のトラブルを避けられません。
屋根材メーカーの施工仕様を守る業者は1割程度。
ガルバリウム鋼板での屋根工事を勧める業者は多くいますが、屋根材メーカーの施工仕様を守って工事している業者は全体の1割以下しかいません。
ネットやチラシで目にする業者の多く→信じられないほど多くの業者がメーカー仕様を守った工事をしていません。
(ホームページに堂々と間違った施工写真を載せている業者もいるので、良く見ると見分けが付く場合もありますので見てみて下さい)
因みに、N様から送られた「棟が剥がれた写真」では、雨水が横から入り込まないよう隙間にケミカル面戸を取り付け、コーキングもされていましたが何の効果もありませんでした。
樹脂笠木だから腐らないという業者もいますが、腐りはしませんが雨漏りは防げません。
上記の棟廻り工事は、ほんの一例でしかありません。
下画像の役物工事でも、工事方法の違いによる雨漏りリスクは飛躍的に高まります。
屋根材の下に防水シート(ルーフィング)があるから雨漏りしない?
多くの業者が防水シート頼みの低品質な屋根工事をしています。
そのぶん見積額も安く提示されることもあり、お客様は「良心的な業者」だと勘違いしがちですが、これは非常に危険です。
いつ雨漏りが始まるのか?大きな賭けと言えるからです。
業者によって工事方法に雲泥の差があるガルバリウム鋼鈑の役物工事。
棟部のように本来行ってはならない工事方法が、それ以外の役物工事でも多く行われています。
屋根の形が複雑になるほど雨漏りする可能性は飛躍的に高まり工事費用も高額になるため、施工不良が起きた時の損失額も多くなってしまうため注意が必要です。
コロニアルへのガルバリウム屋根カバー工法例。
「雨漏りし易い形の屋根なので技術の高い職人さんに担当してもらいたい」 施工例へ
瓦からガルバリウムへの葺き替え施工例。
「屋根は専門のところに任せた方が良い」 施工例へ
本物の屋根専門業者を当サイトでは以下のように定義しています。
・屋根工事の専門資格を持っている。
(ガルバリウム鋼板なら金属屋根資格、瓦系なら瓦の専門資格など)
・または親方の下で長年修行した経験がある。(確かな施工技術を身に付けている)
・メーカー基準を厳守し、尚且つそれ以上の安全策を講じている。
(ガルバリウム鋼板においては、ネットで見る殆どの業者がメーカー基準を守っていません!)
こんな表現に注意!(ガルバリウム鋼板の場合)
★屋根専門です!:本物の専門業者は、わざわざ専門などと書きせん。書いてあれば素人業者の可能性大!
ガルバリウムの場合、もともと金属屋根を工事していた業者だけが専門業者です。
ネットで見る9割以上の業者は専門とは言えず、メーカー基準も守らず工事しています、ご注意下さい。(見分けるコツは上写真棟部の施工方法。右写真のような工事をどうどうと掲載している業者は間違っていることに気づいてもいないということです。)
★相見積もりがお得!:他のリフォーム工事では以前から使われていたフレーズですが、専門性が高く、本来専門職人が行う屋根工事においては全く当てはまりません!
こんな表現を使っている業者は、専門業者ではなく屋根とは無縁の業界から参入してきた業者です。
安さを売りにする業者は、ほとんどが素人で、施工内容や技術で勝負できないぶん手抜き工事で費用が安くなっているだけなので、施工後のトラブルが発生し結果的に大損します。
本物の専門業者は、10年後・20年後でも雨漏りさせないためメーカー基準以下の工事を行うことは決してありません。そのため安さで勝負はできませんが、手抜きをせず費用を抑える方法をご提案することは可能です。
★施工件数〇〇件! 多くのお客様から支持されています。:営業目的で件数の多さを記載している例も見られますが、一般客からの依頼ではなく下請工事で件数が増えているだけ、技術も低い傾向にあります。
当サイトは、お客様の不利益につながる低品質な工事を減らすため日本屋根業者サポート協会に加盟する全国の屋根専門業者さんにより運営されています。
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