金属屋根とは?(鋼板屋根の基本)

金属屋根とは、金属素材を使用した屋根の総称で「鋼板屋根(こうはんやね)」とも呼ばれます。
現在の住宅で主に使用されている金属屋根には、ガルバリウム鋼板(GL鋼板)やSGL鋼板(次世代ガルバ)、銅板、ステンレス鋼板などがあり、それぞれ耐久性や特性に違いがあります。

金属屋根が近年多くの住宅で採用されている理由の一つが非常に軽量であることです。
屋根の重量は建物全体の耐震性に大きく影響するため、瓦屋根などに比べて軽い金属屋根は、建物への負担を抑えやすい屋根材として注目されています。
また、金属屋根は素材自体の耐久性が高く、適切な施工とメンテナンスが行われていれば長期間使用できる点も特徴です。

一方で、金属屋根の性能は屋根材の種類だけでなく、下地の状態や施工方法によって大きく左右されるため、すべての住宅に同じ効果が得られるわけではありません。
さらに、「金属屋根」と一口に言っても、鋼板の厚みや表面のメッキ量、塗膜の種類、屋根の形状や固定方法などによって、耐久性やメンテナンス性には大きな差が生じます。
そのため、金属屋根を検討する際は、素材だけで判断するのではなく、屋根の構造や施工内容まで含めて理解することが重要です。

このページでは、金属屋根全体のメリット・デメリットに加え、ガルバリウム鋼板・SGL鋼板・銅板・ステンレス鋼板といった種類ごとの特徴や注意点について分かりやすく解説していきます。

金属屋根のメリット

金属屋根には、他の屋根材と比較して多くのメリットがあります。
特に近年の住宅リフォームや屋根改修工事において、金属屋根が選ばれる理由は明確です。

まず大きな特長として挙げられるのが、屋根材自体が非常に軽量であることです。
瓦屋根などと比べると建物にかかる負担が小さく、耐震性の観点からも有利とされています。
屋根の重量を抑えることで、地震時の揺れを軽減しやすくなる点は、金属屋根の代表的なメリットです。
どれくらい軽くなるか?と言うと。(屋根の広さ30坪=100㎡での屋根重量で比較)

●日本瓦を ⇒金属屋根に張り替え(葺き替え)た場合。
瓦屋根を金属屋根に変えると屋根が1/10へ軽くなる
5,000kgが ⇒500kgまで軽くなります。
瓦の重さは、1㎡当たり約50kgで、板金・金属屋根は約5kgなので1/10と軽量化されます。

●スレート屋根を ⇒金属屋根に張り替え(葺き替え)た場合。
(スレート屋根とは、カラーベスト・コロニアルのことです)
スレート屋根を金属屋根に変えると屋根が1/4へと軽くなる
2,000kgが ⇒500kgまで軽くなります。
瓦の重さは、1㎡当たり約20kgで、板金・金属屋根は約5kgなので1/4と軽量化されます。

次に、耐久性の高さも金属屋根の魅力です。
現在主流となっているガルバリウム鋼板やSGL鋼板は、防錆性能に優れており、適切な施工と定期的な点検を行うことで長期間使用することができます。
素材自体の劣化が比較的緩やかなため、屋根材として安定した性能を発揮しやすい点も評価されています。
スレート屋根に金属屋根カバー工法
また、金属屋根は施工性に優れていることもメリットの一つです。
屋根材が軽いため、葺き替え工事やカバー工法に適しており、工事期間や建物への負担を抑えやすい特徴があります。
既存屋根の状態によっては、解体を最小限に抑えた施工が可能なケースもあります。

さらに、デザイン性の面でも金属屋根は進化しています。
現在は色や形状のバリエーションが豊富で、住宅の外観や周囲の景観に合わせた選択がしやすくなっています。
機能性と意匠性を両立できる点も、金属屋根が多くの住宅で採用されている理由の一つです。


金属屋根のデメリットと注意点

一方で、金属屋根にはデメリットや注意すべき点も存在します。
これらを正しく理解せずに採用すると、**「思っていた性能と違った」「後悔した」**と感じる原因になりかねません。

金属屋根の雨漏り
まず注意したいのが、施工品質による影響が非常に大きい屋根材であることです。
金属屋根は素材自体の性能が高い反面、下地処理や固定方法、通気構造などの施工内容が適切でない場合、本来の耐久性を発揮できません。
施工直後は問題がなく見えても、数年後に浮きや音鳴り、雨仕舞いの不具合が発生するケースもあります。

また、環境条件による影響にも注意が必要です。
沿岸部や工業地帯などでは、塩害や外部環境の影響を受けやすく、屋根材の選定やメンテナンス方法を誤ると劣化が早まることがあります。
金属屋根は「錆びにくい」と言われますが、どの環境でも無条件に安心できるわけではありません。
さらに、金属屋根は断熱性や遮音性が屋根材単体では決まらない点も理解しておく必要があります。

屋根の快適性は、断熱材や通気層、防水層などを含めた屋根全体の構造によって左右されます。
そのため、「金属屋根だから暑い・寒い」「雨音がうるさい」といった問題は、屋根材そのものよりも施工方法に起因している場合が多いのが実情です。
金属屋根の再葺き替え例
加えて、金属屋根はメンテナンスが不要な屋根材ではありません。
塗膜や固定部材、棟部分などは経年劣化するため、定期的な点検を行い、必要に応じた補修を行うことが長持ちさせるためには欠かせません。
金属屋根は万能な屋根材ではなく、建物の状態や施工内容によって評価が大きく変わる屋根材です。
メリットだけで判断するのではなく、デメリットや注意点を理解したうえで検討することが重要です。

金属屋根の種類と特徴

金属屋根には複数の種類があり、使用される金属素材や表面処理の違いによって、耐久性や価格、メンテナンス性が大きく異なります。
ここでは、住宅で使用されることの多い代表的な金属屋根について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。

ガルバリウム鋼鈑(GL鋼板)のメリット・デメリット

ガルバリウム鋼板(GL鋼板)は、現在もっとも多くの住宅で採用されている金属屋根材です。 アルミニウム・亜鉛・シリコンからなるメッキ層を持ち、従来のトタン屋根と比べて耐食性が大幅に向上しています。

【メリット】
• 防錆性能が高く、耐久性に優れている
• 軽量で建物への負担が少ない
• 製品バリエーションが豊富で選択肢が多い
• 鋼板自体が薄く、加工しやすいという特徴があります。そのため、複雑な形状の屋根にも対応可能です。

【デメリット】
• 製品ごとに板厚や塗膜性能に差がある
• 施工方法によって耐久性が大きく左右される
• 環境条件によってはメンテナンスが必要になる
• メッキ層が傷つくと、そこから錆が発生する可能性があります。

ガルバリウム鋼板は、価格と性能のバランスに優れた屋根材ですが「どの製品を、どのように施工するか」が重要なポイントになります。

ガルバリウム鋼鈑への工事例

●雨漏りが止まらない。
平葺き金属屋根の雨漏り
平葺きの金属屋根:店舗入り口、トタン屋根が雨漏りした。
根本原因を解消するため、屋根構造を変更して緩勾配に適した立平葺きに変更。

●屋根材表面のサビ。
瓦型金属屋根材の表面が錆びて
瓦型(波形状)の金属屋根:屋根全体がサビて台風で剥がれました。
防水シートが張られておらず雨漏りしてもおかしくない状態。縦葺き金属屋根(スタンビー)へ葺き替え。

●サビて穴が空いた。
横葺き金属屋根がサビて穴が開いた
横葺き金属屋根に穴が空き雨漏り、縦葺きのトタン瓦棒へ葺き替え。
屋根に天窓がある場合は確かな技術を備えた専門業者による雨仕舞が必要です。

●勾配に適さない屋根材。
横葺き金属屋根の工事がいい加減
訪販業者に勧められたフッ素塗装の横葺き金属屋根。
屋根勾配に適さない屋根材で、工事もいい加減だったので下地まで腐食。
縦葺きのトタン瓦棒へ葺き替え。

●2回目の葺き替え。
横葺き金属屋根の劣化。
14年前に瓦から金属屋根に変更。
一度塗装したが再度劣化してきたので1階瓦屋根と一緒にガルバリウム鋼板へ葺き替えたいとのご希望。金属屋根本来の工事方法が行われていませんでした。

●ハウスメーカーの屋根。
ハウスメーカーの折半屋根カバー工法
39年前の折板屋根、修理や塗装を繰り返してきた。
何社かに見積もり依頼したが、やはり専門業者に頼みたいとご依頼頂き、ルーフデッキでカバー工法しました。

エスジーエル鋼鈑(SGL鋼板・次世代ガルバ)の特徴と違い

SGL鋼板は、ガルバリウム鋼板を改良した次世代型の金属屋根材です。
メッキ層に2%のマグネシウムを添加することで、さらに高い耐食性能を実現しています。

【特徴・メリット】
• ガルバリウム鋼板よりも耐食性が高い
• 厳しい環境下でも劣化しにくい
• 長期的な耐久性を重視する住宅に向いている

【注意点】
• ガルバリウム鋼板より価格がやや高め
• 施工品質が重要である点はGL鋼板と同様

SGL鋼板は、耐久性を最優先したい場合に選ばれることが多い屋根材であり、将来的なメンテナンス負担を抑えたい方に適しています。

エスジーエル鋼鈑への工事例

●瓦を金属屋根に
瓦屋根を金属屋根に葺き替え
地震対策として屋根を軽くしたいとのご依頼。
土葺き瓦屋根を金属屋根に変更したことで、屋根の重さが15トン→1トンに軽量化されました。

●コロニアル屋根の葺き替え
コロニアル屋根をSGL鋼板へ葺き替え
経年劣化で下地が腐っている所もあったコロニアル(スレート)屋根。
ガルバリウム鋼板に興味があるが海が近く塩害が気になる。ガルバより3倍腐りにくいSGL鋼板へ。

銅板屋根のメリット・デメリット

銅板屋根は、古くから寺社仏閣などで使用されてきた金属屋根材です。
経年変化によって表面に緑青(ろくしょう)が生じ、独特の風合いを持つ点が特徴です。

【メリット】
• 非常に高い耐久性を持つ
• 適切な施工で数十年以上使用可能
• メンテナンス頻度が比較的少ない

【デメリット】
• 材料費・施工費が高額になりやすい
• 施工できる業者が限られる
• 建物や地域の景観との相性を考慮する必要がある

銅板屋根は、コストよりも耐久性や意匠性を重視する場合に適した屋根材です。

銅板屋根の工事例

●亜鉛メッキから銅板へ
トタン波板を銅板屋根に張り替え
かやぶき屋根に被せた波トタンが古くなった。最低でも50~100年維持できる屋根にしたいと銅板へ。

銅板屋根への葺き替え事例
神社やお寺の銅板屋根葺き替え事例。

ステンレス鋼板屋根の特徴と注意点

ステンレス鋼板は、鉄をベースにクロムやニッケルなどを添加した合金鋼板で非常に高い耐食性を持つ金属屋根材す。錆びにくく、過酷な環境下でも安定した性能を発揮します。

【特徴・メリット】
• 極めて高い耐食性
• 塩害地域などでも使用しやすい
• 長期使用を前提とした屋根材

【注意点】
• 材料費が高く、施工費も上がりやすい
• 加工や施工に高度な技術が必要

ステンレス鋼板屋根は、環境条件が厳しい立地や長寿命を最優先する場合に選択されることが多い屋根材です。

ステンレス鋼鈑屋根の工事例

●亜鉛メッキからステンレスへ
亜鉛メッキ鋼板をステンレス鋼鈑屋根に張り替え
見た目は同じですが、亜鉛メッキからカラーステンレスに変わりました。
納屋のトタン波板がサビてきた。塗装しなくて良いステンレスに葺き替えたいとのご希望でした。

亜鉛メッキ鋼板の破風板をステンレスの破風板に交換
5階建てビル屋上の屋根をガルバリウム鋼鈑に変更、一緒に亜鉛メッキ鋼板の破風板をステンレスに張り替えました。

同じ金属屋根でも耐久性に大きな差が出る理由

一口に金属屋根と言っても、施工後の耐久性には大きな差が生じます。
これは屋根材そのものだけでなく、施工方法や下地処理の違いが寿命に直結するためです。

例えば、板厚が薄い製品を使用した場合や、固定方法が簡略化されている施工では、強風時の浮きや変形が起こりやすくなります。
また、通気層を設けずに施工すると、屋根内部に湿気がこもり、結果的に下地の腐食や結露トラブルにつながることもあります。

施工直後は見た目に差が出にくいため、数年経過してから初めて施工品質の違いが表面化するケースが多いのが金属屋根の特徴です。
そのため、価格や見た目だけで判断するのではなく、施工内容まで確認することが重要です。

金属屋根が必ずしも最適とは言えない住宅条件

金属屋根は軽量で耐久性にも優れた屋根材ですが、すべての住宅にとって最適とは限りません。
実際の現場では、建物の状態を十分に確認せずに金属屋根を勧められ、後から問題が発生するケースも少なくありません。
例えば、築年数が40年以上経過している住宅で、野地板(下地)が著しく劣化している場合、金属屋根を施工しても本来の性能を発揮できないことがあります。
また、過去に雨漏りを繰り返している住宅では、原因を解消しないまま金属屋根を被せることで、内部の劣化が見えなくなり、将来的に大きな補修が必要になることもあります。
金属屋根は「軽いから安心」「新しいから大丈夫」という理由だけで選ぶ屋根材ではありません。
建物の構造・下地の状態・過去の不具合履歴を総合的に確認したうえで採用することが重要です。

金属屋根で後悔しないためのポイント

金属屋根は施工後「何年目」から差が出始めるのか?

年数別のイメージ。
• 1〜5年:ほぼ差は出ない(だから怖い)
• 7〜10年:施工品質の差が表面化する
• 12〜15年:安価施工は不具合が出始める
• 20年〜:良施工と悪施工で「別物」

金属屋根の施工品質の差は、施工直後にはほとんど分かりません。
しかし、年数の経過とともに徐々に違いが現れてきます。
一般的に、施工から5年程度までは大きな問題が起きにくい期間です(施工不良がない場合

しかし7〜10年を過ぎた頃から、固定不良や下地処理の甘さが原因で、浮き・音鳴り・雨仕舞いの不具合が発生しやすくなります。
さらに15年を超えると、適切な施工がされていない金属屋根では修繕が必要になるケースが増加します。
一方で、下地・通気・固定方法まで配慮された施工であれば、20年以上経過しても大きなトラブルなく使用できることも珍しくありません。

金属屋根は「素材の耐久性」ではなく、施工品質が寿命を左右する屋根材であることを理解しておく必要があります。

なぜ、ガルバリウム屋根で後悔するのか?事前に確認したい雨漏り・施工不良の原因

金属屋根工事で確認すべき重要なポイント

金属屋根工事では、見積書や説明内容から施工品質を判断することが重要です。
具体的には、使用する屋根材の商品名や板厚、下地工事の内容が明確に記載されているかを確認しましょう。
金属屋根の施工不良例
説明が曖昧なまま工事が進むと、本来必要な工程が省略されてしまう可能性があります。
特に金属屋根は施工後に見えなくなる部分が多いため、事前の説明と確認が住宅の寿命を左右します。
金属屋根が雨漏りする原因
適切な説明を行い、建物の状態に合わせた提案をする業者を選ぶことが、後悔しない金属屋根工事につながります。

金属屋根は、種類や施工方法によって性能や耐久性が大きく変わる屋根材です。 メリットだけで判断するのではなく、建物の状態や将来的なメンテナンスまで考慮したうえで選ぶことが重要です。

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など工事業者に頼る事を諦めて、屋根を再度張り替える事例が増えています。

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この記事を書いた人

市川 清信
市川 清信屋根無料見積.com運営責任者
屋根材メーカー(積水化学工業)直属の屋根診断士として活動し屋根工事・見積り経験35年・5,000件以上。
屋根工事の裏側を知り尽くした運営責任者が経験で得た専門情報をお伝えします。

また、専門資格や専門技術を持つ屋根職人が減った影響で起きている「低品質な屋根工事による被害」を減らすことを目的に日本屋根業者サポート協会に加盟する屋根職人とお客様との橋渡しをする活動を行っており、悪質業者による被害を減らすため900件以上の屋根相談、ボッタクリ被害を減らすための見積書診断サービスを180件以上行っています。