アスファルトシングル屋根の雨漏り、台風での屋根はがれ

アスファルトシングル屋根について

アスファルトシングル屋根は、北米発祥の屋根材で、その軽量性や施工性の良さ、デザインの豊富さから日本でも多くの住宅に使用されてきました。
しかし、近年ではその耐用年数の短さやメンテナンスの必要性がクローズアップされ、屋根材としての寿命やメンテナンス費用について改めて検討する必要が出てきています。

経年劣化による問題点

アスファルトシングル屋根の劣化症状
アスファルトシングル屋根は、その名の通りアスファルトを含浸させたシート状の屋根材ですが、経年劣化により以下のような問題が生じます。

表面の砂粒の脱落

表面に石粒を吹き付けることで防水性や耐候性を高めています。
しかし、経年劣化により石粒が脱落し防水性能が低下することがあり美観も損なわれます。

ひび割れ・反り

熱や紫外線に弱いため、長期間の暴露によってひび割れや反りが発生することがあります。
ひび割れや反りは、雨漏りの原因となるだけでなく屋根材の寿命を縮めることにもつながります。

防水層の劣化

防水性能は、表面の石粒と、アスファルト自体に含まれる防水材によって保たれています。
しかし、経年劣化によりこれらの防水機能が低下し、雨漏りのリスクが高まります。
特に、台風など強風を伴う雨の場合、屋根材の隙間から雨水が侵入しやすくなるため注意が必要です。

コケやカビの発生

アスファルトシングルの表面は、経年劣化によって水分を吸収しやすくなり、コケやカビが発生することがあります。
コケやカビは、美観を損なうだけでなく、屋根材の劣化を促進する原因にもなります。

地震や台風などの災害時のリスク

台風で屋根が剥がれたアスファルトシングル屋根
近年、地震や台風などの自然災害が頻発しており、住宅の耐震性や耐風性が問われています。
アスファルトシングル屋根は、軽量であるため地震に強いとされていますが、強風による被害を受けやすいという側面も持ち合わせています。

強風による屋根材の飛散

他の屋根材と比較して軽量であるため、強風によって飛散しやすいという特徴があります。
屋根材が飛散すると、雨漏りの原因となるだけでなく、周囲に被害を及ぼす可能性もあります。
2019年の台風15号では、強風により多くの住宅でアスファルトシングル屋根が被害を受けました。

地震による屋根材のズレや落下

アスファルトシングルは、釘で固定されていますが、経年劣化によって釘が緩み、地震時に屋根材がズレたり落下したりする可能性があります。
屋根材が落下すると、建物自体が損傷するだけでなく、人身事故に繋がる危険性もあります。

アスファルトシングル屋根のリフォーム事例紹介

ここでは、アスファルトシングル屋根からガルバリウム鋼板屋根へのリフォーム事例を具体的に紹介します。

事例1:築25年、二世帯住宅の全面カバー工法

アスファルトシングル屋根のかぶせ工法事例
カバー工法とは、既存のアスファルトシングル屋根を撤去せずに、その上に新しい屋根材を葺く工事方法です。
屋根を撤去する費用や廃材処理費用がかからないため、葺き替え工事と比較して費用を抑えられることがメリットです。工期も短く、騒音や粉塵も抑えられます。

リフォーム前の悩み

* 築25年が経過し屋根が雨漏りしている。
* リフォーム業者に下地がふかふかしていると言われた。
* 天井裏が部屋になっていて晴れると湯気がたつような状態。

リフォーム内容

* 雨漏りで腐った下地の一部を張り替えてからアスファルトシングル屋根の上に、断熱材入りのガルバリウム鋼板を被せるカバー工法を採用。
* 屋根関連工事として軒天・破風板、外壁の幕板を塗装しました。

リフォーム後の変化

* 美観がよみがえり新築のように美しくなった。
* 雨漏りの心配がなくなり、安心して暮らせるようになった。
* 断熱性能が向上したため、夏は涼しく、冬は暖かくなった。
2.1の実際のリフォーム事例はコチラ

事例2:瓦から葺き替えたシングル屋根の再葺き替え工事

アスファルトシングル屋根からガルバリウム鋼板への屋根葺き替え事例
葺き替え工事とは、既存のアスファルトシングル屋根を撤去し、新しい屋根材を葺き直す工事方法です。
アスファルトシングル屋根材を撤去するため、下地の状態を確認することができます。
下地の補修や断熱材の追加など、屋根全体のメンテナンスを行うことが可能です。

リフォーム前の悩み

* 台風で所々屋根が剥がれ雨漏りしている。
* 瓦からアスファルトシングル屋根に葺き替えをしたままメンテナンスは一度もやっていない。

リフォーム内容

* 2階はアスファルトシングル屋根を撤去し、腐った下地を全て張り替えてから断熱材付きガルバリウム鋼板屋根に葺き替えた。
* 1階は、トタン屋根の上にコンパネを載せてアスファルトシングルが施工されていたが、下地板だけでなく屋根骨組みまで腐って落ちそうになっていたので、骨組みから新しくして下地を施工。
* 1階屋根は勾配が緩く縦葺きタイプのガルバリウム鋼鈑屋根へ変更した。

リフォーム後の変化

* 雨漏りが解消され、屋根勾配に合わせた屋根にした事で雨漏りしない状態に。
* 屋根廻りの破風板・軒天・外壁なども一緒にリフォームした事で新築のような外観に変貌。
2.2の実際のリフォーム事例はコチラ

事例3:増築部分の屋根葺き替え工事

アスファルトシングルからガルバリウム鋼板への屋根葺き替え

リフォーム前の悩み

* 増築部分のアスファルトシングルが雨漏りしている。
* 下地の痛みを見て適切な工事方法を提案して欲しい。

リフォーム内容

* 屋根を撤去してみると下地が全て腐っていた。
* 腐った下地板を全て剥がすと屋根の骨組みの施工不良が発覚、問題ヵ所を修正補強したから下地板を取り付け断熱材付きガルバリウム鋼板へ葺き替え。
* 屋根下地の取り換えや屋根重量がアスファルトシングルの半分程度になったため耐震性が高まりました。

リフォーム後の変化

* 雨漏りが解消され、快適な住空間を取り戻せた。
* 地震への不安が軽減された。
2.3の実際のリフォーム事例はコチラ

事例4:5階建てビル屋上の屋根カバー工法

アスファルトシングルのかぶせ工法(屋根カバー工法)

リフォーム前の悩み

* 屋上のアスファルトシングル屋根が劣化してコケが生えて見栄えが悪くなった。
* 業者数件に聞いてみたが屋上の屋根は工事できないと言われた。

リフォーム内容

* 2個の大型天窓を取り換えて、屋根材は断熱材入りのガルバリウム鋼板を施工するカバー工法を採用。
* 道路面に張り出したケラバはステンレスに変更し、垂れ流しになっていた雨水は屋上の箱樋に入るように変更した事で排水問題が解消し、見た目もスッキリしました。

リフォーム後の変化

* 老朽した屋根・天窓が新しくなったことで見た目が劇的に変化した。
* 箱樋廻りの水漏れをガルバリウム鋼鈑の平板を加工し取り付けた事で見た目がスッキリした。
* 屋上の手の届く所に屋根があり、キレイになった屋根を見る度に気分が良くなる。
2.4の実際のリフォーム事例はコチラ

その他の事例

アスファルトシングル屋根にカバー工法した屋根の葺き替え

アスファルトシングル屋根にカバー工法したセキスイかわらUの葺き替え。
セキスイU瓦の下にあったアスファルトシングル屋根

セキスイかわらUからメタルルーフへの再葺き替え
かわらUからメタルルーフへの屋根葺き替えbefore&after施工写真
* カバー工法した「かわらU」の見栄えが悪くなって瓦型ガルバリウム鋼鈑へ葺き替え。
* 瓦調のデザインが、和風住宅の外観と調和し、高級感が増した。
* フッ素樹脂塗装の屋根+専門職人による工事でメンテナンスのいらない屋根リフォーム。
7.5.1の実際のリフォーム事例はコチラ

コロニアル屋根にアスファルトシングルでカバー工法

コロニアルにアスファルトシングル屋根を被せ葺き
* 屋根を支える破風板が腐って金属の破風板カバーが風で破損して落下。
* 破風板・鼻隠し板を新しくしてガルバリウム鋼鈑でカバー。
* 屋根をアスファルトシングル(ファイバーグラスシングル)でカバー工法した屋根廻りのリフォーム。
7.5.2の実際のリフォーム事例はコチラ

アスファルトシングルにスタンビーでカバー工法

アスファルトシングル屋根に縦葺きガルバリウム鋼鈑をカバー工法
* 緩勾配で複雑形状、捻じれもある屋根。
* 屋根勾配に合わないアスファルトシングルが施工されており、雨漏り跡もある。
* 勾配に適した縦葺きガルバリウム鋼鈑のスタンビーでカバー工法。
2.5.3の実際のリフォーム事例はコチラ

上記はあくまで一例であり、リフォームの内容は、建物の状況や予算、お客様の要望によって異なります。
信頼できる業者に相談し、最適なリフォームプランを検討しましょう。

関連ページ屋根葺き替えについて詳しくはコチラ
屋根葺き替えで雨漏りを防ぐ、屋根勾配の重要性とメリット・デメリット。

アスファルトシングル屋根をガルバリウムでリフォームするメリット

メンテナンスの軽減

アスファルトシングル屋根と比較して、ガルバリウム鋼板屋根はメンテナンスの手間が大幅に軽減されます。
アスファルトシングルは経年劣化により、ひび割れ、剥がれ、色褪せなどが起こりやすく、定期的なメンテナンスが必要となりますが、ガルバリウム鋼板は耐久性が高く、これらの劣化現象が起こりにくい素材です。
そのため、塗装などのメンテナンス頻度が少なく、長期的に見てメンテナンスコストを抑えることができます。

快適な住環境の実現

ガルバリウム鋼板は、断熱性・遮熱性に優れているため、夏は涼しく、冬は暖かい快適な居住空間を実現します。
アスファルトシングル屋根に比べて、太陽光からの熱を反射しやすく、室内の温度上昇を抑える効果があります。
また、断熱材との組み合わせることで、さらに断熱性能を高めることも可能です。
快適な室内環境は、居住者の健康や生活の質の向上にもつながります。

項目 アスファルトシングル ガルバリウム鋼板
断熱性 低い 高い
遮熱性 低い 高い
快適性 低い 高い
関連ページガルバリウム鋼板屋根の種類とタイプ、メリット・デメリット。
ガルバリウム鋼板屋根は屋根勾配で施工可能な種類やタイプが分かれます。代表的な屋根材別の特徴をご紹介します。
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