

セキスイかわらUは「見た目はまだ綺麗だから塗装で対応できる」と思われがちですが、実際には塗装が難しいケースが多く存在します。
このページでは、塗装できる条件・できない場合の見分け方・注意点を解説します。
セキスイかわらUは塗装できる?
屋根表面の劣化が軽度で、剥がれ・ひび割れが少ない場合に限り塗装が可能です。
しかし、屋根自体が傷んで脆くなっている場合は塗料が密着せず、すぐに剥がれるリスクがあります。

上写真のように劣化が少ない場合、劣化が始まる前に塗装していた場合は再塗装が可能です。
塗装が難しい理由
- 屋根表面が劣化しており塗料が密着しにくい
表面の劣化は塗膜と内部基材が密着しなくなった事で起きるため基材が傷んでいる状態では何度塗装しても改善されません。 - 屋根材自体が傷んでいると屋根内部から剥がれてしまう
基材は何層にも分かれ剥がれており基材事態を修正する事ができません。 - アスベスト含有材の場合、表面研磨が危険
塗装では汚れを落とすため屋根表面を研磨したり、高圧洗浄する必要がありますが、この作業によりアスベストが飛散する危険性があります。
コーキング修理・塗装した実例。

●塗装前の状態(上の左写真)
屋根表面の塗膜は剥がれていますが、白い矢印の横部分を見て頂くと、屋根の基材が何層にも剥がれています。
●塗装後の状態(上の右写真)
コーキング修理後に屋根塗装した写真ですが、剥がれた基材は修理・塗装後も改善されていません。時間の経過と共に大きな塊になって剥がれてしまうだけで、修理・塗装をしても何の意味もありますせん。
塗装が可能なケース・不可能なケース
塗装可能なケース(下写真Ⓐ参照)
- 下写真Ⓐ参照
- 屋根材の前部・側面の端部が崩れておらず、しっかりしている
- ひび割れが少ない
- 表面の塗膜剥がれ部分が少ない
塗装が不可能なケース(下写真Ⓑ参照)
- 下写真Ⓑ参照
- 屋根材の前部・側面の端部が崩れており、手で触ると崩れていく
- ひび割れ・欠けが複数ヶ所ある
- 表面がボロボロに剥がれている

「かわらU」を塗装すれば屋根寿命が延びるのか?と、悩む人も多いことでしょう。
『塗装で大丈夫!』と言う業者さんもいるようですが、塗装が可能かどうか?は、かわらU表面の状態によって変わります。
下写真ⒶとⒷでは、対処法が異なります 。(雨漏りしている場合、塗装不可です)

左写真のⒶは、塗装可能なケース。
Ⓐは、本体が重なり合う前側や側面の端部が、しっかりしていて元の形が崩れていません。
これは、屋根表面の塗膜が剥がれているだけなので塗装しても大丈夫です。
右写真のⒷは、塗装が不可能なケースです。
本体が重なり合う屋根材端部の形が崩れています。
この状態は、本体内部の基材が露出し劣化している状態なので、塗装しても直ぐに剥がれてしまいます。
かわらUは、右写真Ⓑのような状態になっている場合が多く、塗装しても長く持たないので、屋根の葺き替えが必要になります。
塗装可能だった施工事例

セキスイかわらUにして15年経過、白色劣化が進んでいると言われましたが、屋根状の態は良好な状態でした。

高圧洗浄後、本体の欠け・ひび割れ部分を補修してたパーフェクトシーラー、ファインシリコンベスト使用⇒実際の施工例へ
塗装での失敗事例
塗装後6か月

塗装屋さんから「長く持たない」と言われ気になっていたそうですが「数年しか持たないなら葺き替えた方が良い」とご依頼頂いた例です。実際の施工例へ
白く見える部分は塗料をはじいてしまい、きちんと塗れなかった部分です。
塗装後2年

■上写真の上段:塗装が大きく剥がれた部分と白点線部の説明。
・棟瓦が浮き上がり中の笠木が見えている。→雨漏り原因。
・棟瓦を固定するゴムパッキン付きの笠釘が抜け欠損した所もある。→棟瓦が強風で飛散する。
これらの症状は塗装後も繰り返し起きていたので定期的な修理が必要になり結局葺き替える事になりました。実際の施工例へ
上写真の下段:雨水の侵入を防ぐウレタン補助面戸が鳥害により飛び出したり無くなっている部分多数。→雨漏り原因。
| ウレタン補助面戸とは? 瓦屋根であれば漆喰の役目をする部分であり、欠損してしまうと雨水が入り込むため最大の雨漏り原因になります。 (補助面戸が欠損する理由:棟内部には大きな空間があり、そこにスズメ・ムクドリなどの鳥が巣を作る目的で補助面戸を地道に突いて穴を空けます。その巣にある卵や雛を食べる目的で、カラスが補助面戸を引き剥がす事が主な欠損理由です。もともと補助面戸の取り付け方が悪い場合は風で飛んでしまう事もあります) |
塗装から数年後

20年前、コロニアルに「かわらU」を載せた。
瓦表面が白くなったので塗装してもらったが直ぐに剥がれてしまい塗装前と同じ状態に。実際の施工例へ
塗装より葺き替えをおすすめする理由
- 塗装できるケースは限定的です
- 多くのケースで葺き替えが安全で確実です
- 判断に迷ったら、かわらUについても専門知識を持つ専門業者による現地調査を推奨します
塗装での失敗事例として、塗装後6ヶ月・2年・数年後の状態をご覧頂きましたが、アスベストが含まれていないタイプのかわらUは表面だけでなく素材内部まで劣化が進んでいることが多く、塗装しても長持ちしないケースがあります。
長期的には葺き替えの方がコスト効率・安全性の両面で優れています。
▶ セキスイかわらUとは?危険性・葺き替えのすすめはこちら
「かわらU」でお悩みのお客様は、専門ノウハウを持つ屋根無料見積.comへご相談ください。「かわらU」の専門家が電話対応しています。
専門ノウハウを持つ業者さんによる診断も行っています。
お住まいの地域によって対応できない場合もございます。
この記事を書いた人

- 屋根無料見積.com運営責任者
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屋根材メーカー(積水化学工業)直属の屋根診断士として活動し屋根工事・見積り経験35年・5,000件以上。
屋根工事の裏側を知り尽くした運営責任者が経験で得た専門情報をお伝えします。
また、専門資格や専門技術を持つ屋根職人が減った影響で起きている「低品質な屋根工事による被害」を減らすことを目的に日本屋根業者サポート協会に加盟する屋根職人とお客様との橋渡しをする活動を行っており、悪質業者による被害を減らすため900件以上の屋根相談、ボッタクリ被害を減らすための見積書診断サービスを180件以上行っています。
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