
築27年が経過した貸し倉庫の屋根は、経年劣化や強風・雨漏りの影響を受けやすく、葺き替えを提案されるケースも少なくありません。
しかし、葺き替えは費用が高額になりやすく、オーナー様にとって大きな負担となります。
今回は、千葉市の貸し倉庫オーナー様よりいただいた、「葺き替え以外に費用を抑えて雨漏りを直す方法はないか」というご相談に対し、大波スレート屋根へのカバー工法で施工した事例をご紹介します。
葺き替え費用が高額で悩むオーナー様からのご相談
長年修理を続けてきたが改善しない屋根の状態
貸し倉庫オーナー様からお電話でご相談いただいた内容は、
• 築約27年の大波スレート屋根
• 以前から修理を依頼している業者がいる
• 雨漏りが再発し、見積もりを依頼したら「葺き替えが必要」と言われた
• しかし葺き替え費用が高額で、他の方法がないか検討したい
というものでした。

現地調査の結果、屋根は確かに傷みが進んでおり、一部で雨漏りが発生していました。
大波スレートは耐久性が高い反面、築20年以上経過すると割れ・欠け・固定金具の緩みなどが起こりやすく、部分修理では限界が来ることがあります。
大波スレート屋根の劣化状況と雨漏りの原因
スレート特有の劣化と雨仕舞いの弱点
大波スレート屋根は、以下のような劣化が進むと雨漏りが発生しやすくなります。
• 表面の割れ・欠け
• ボルト周りの劣化
• スレートの重なり部分の隙間
• 下地木部の腐食
• 風雨によるスレートの浮き上がり
今回の倉庫でも、複数箇所でスレートの傷みが確認され、雨水が侵入しやすい状態になっていました。
【画像】
葺き替えを行えば根本的に解決できますが、費用が高額になるため、オーナー様のご希望に沿う形で「本体部分のみカバー工法で施工する」という方法をご提案しました。
予算を抑えるため本体部分のみカバー工法を採用
軒先アール形状部分は工事対象外とした理由

屋根の軒先部分はアール形状になっており、ここを施工するには足場が必要になります。
しかし、
• 軒先部分は他の箇所に比べて劣化が軽度
• 足場費用が追加されるためコストが上がる
• オーナー様が「できるだけ予算を抑えたい」と希望されていた
これらの理由から、雨漏りの原因となっている本体部分のみをカバー工法で施工する方針となりました。
大波スレート屋根へのカバー工法の施工工程
内部養生を行いながら安全に施工

カバー工法では既存スレートを撤去せず、新しい屋根材を重ねて施工します。
ただし、ビス止め工事の際にはスレートの粉じんや鉄くずが室内に落ちる可能性があるため、倉庫内部をしっかり養生してから作業を進めました。
施工内容:
• 室内への粉じん落下防止のため内部養生
• 既存スレートの状態確認
• タイトフレームの設置
• 新規屋根材の搬入
• 専用ビスで確実に固定
• 雪止めアングルの取り付け
使用した屋根材「ヤマトカバールーフ650(2型)」の特徴
今回採用した屋根材は、大和スレート製のガルバリウム鋼板屋根材「ヤマトカバールーフ650(2型)」です。
この屋根材は、
• 既存の大波スレートを撤去せず重ね葺きできる
• ガルバリウム鋼板で耐久性が高い
• 工場・倉庫の改修に適した軽量屋根材
• 断熱性・遮音性が向上
• スレート撤去費用が不要でコスト削減できる
というメリットがあり、予算を抑えたいオーナー様に最適な選択でした。
棟部の仕上げと完成写真
曲棟ラジアルを取り付けて美しく仕上げ

本体部分の施工が完了した後、棟部には曲棟ラジアルを取り付けました。
曲棟ラジアルは大波スレートとの相性が良く、雨仕舞いを強化しながら美しい仕上がりになります。
施工後の屋根は、見違えるほど美しく、耐久性・防水性ともに大幅に向上しました。
工事概要と費用の目安
• 屋根面積:280㎡
• 工事金額:190万円(税別)
• 施工内容:大波スレート屋根カバー工法・内部養生・雪止めアングル設置・棟部曲棟ラジアル取り付け
葺き替えを行わずにカバー工法を採用することで、費用を抑えながら雨漏りを根本的に改善できる施工となりました。
まとめ|予算を抑えつつ雨漏りを解消できる最適な改修方法
今回の千葉市の貸し倉庫では、葺き替えを行わずに本体部分のみカバー工法を採用することで、オーナー様のご希望である「予算を抑えたい」と「雨漏りを確実に直したい」を両立することができました。
大波スレート屋根は、劣化が進むと葺き替えを提案されることが多いですが、カバー工法であれば費用を抑えつつ耐久性を高められる非常に有効な選択肢です。
大波スレート屋根を修理する場合は、修理後の雨漏りの可能性がないかも確認する必要があります。
現地調査では写真をご覧いただきながら、お住まいに適した工事方法をご説明しています。




