
このページでは「スレート葺とは何か?」という疑問を解消するため、スレート(カラーベスト・コロニアル)の種類や工法、メリット・デメリット、費用相場を解説します。
屋根材選びで重要な耐久性、耐震性、デザイン性、費用、メンテナンス性といったポイントを比較することで、ご自宅に最適な屋根材を見極めるお手伝いをします。
さらに、アスベスト含有の可能性や凍害リスクといった注意点、葺き替え・重ね葺き・カバー工法といった工事内容別の費用相場、定期点検や塗装の塗り替えといったメンテナンス方法も説明します。
スレート葺とは
スレート葺(スレートぶき)とは、スレートと呼ばれる薄くて平らな板状の屋根材を、屋根の構造体に重ねて葺く屋根の工法のことです。
軽量で施工しやすいことから、日本の住宅で広く普及しています。
スレート屋根は、独特の重なり合う模様が美しく、和風建築から洋風建築まで、さまざまな住宅デザインに調和します。
また、瓦屋根に比べて価格が比較的安価であることもメリットの一つです。
スレート屋根材の種類
スレート屋根材には、大きく分けて人工スレートと天然スレートの2種類があります。
人工スレート(カラーベスト・コロニアル)

人工スレートは、一般的なスレート屋根の事で、セメントと繊維を混ぜて成型した屋根材です。
天然スレートに比べて軽量で安価なため、日本の住宅で最も多く使用されています。
様々な色や形状があり、デザインの自由度が高いことも特徴です。
代表的な商品名として、ケイミュー株式会社の「カラーベスト」があり、その中の「コロニアル」が最も多く使われています。
ただし、天然スレートに比べると耐久性が劣るため定期的なメンテナンスが必要です。
天然スレート

天然スレートは、粘板岩という天然の石を薄く割って加工した屋根材です。
耐久性が高く、100年以上の寿命を持つとも言われています。
独特の風合いと高級感があり、重厚な雰囲気を演出します。
しかし、価格が高く、重量があるため、建物の構造に十分な強度が必要です。
また、施工にも高い技術が求められます。
スレート屋根の寿命
スレート屋根(カラーベストの耐用年数は、他の屋根材と比べて短いとされています。
一般的には10~20年程度と言われており、定期的なメンテナンスや葺き替えが必要になります。
一方、天然スレートは耐用年数が長く、30年以上持つ場合もあります。
材質による耐用年数の違いを理解しておくことが重要です。
定期的なメンテナンスを行うことで、耐用年数を延ばすことができます。
スレート葺のメリット

スレート葺の屋根には、他の屋根材と比べて様々なメリットがあります。
ここでは、デザイン性、軽量であること、費用、メンテナンス性といった点からスレート葺のメリットを詳しく解説します。
デザイン性が高い
スレート葺は、薄くてフラットな形状のため、スタイリッシュでモダンな印象を与えます。
また、カラーバリエーションも豊富で、住宅のデザインに合わせて様々な色を選ぶことができます。
個性的な住宅を演出したい方にもおすすめです。
軽量で建物への負担が少ない
スレートは、瓦と比べて軽量です。
そのため、建物への負担が少なく耐震性の向上にも貢献します。
特に、地震が多い日本では、建物の軽量化は重要な要素です。
| 屋根材 | 重さ(kg/㎡) |
|---|---|
| スレート | 約20~25 |
| 瓦 | 約50~70 |
| 金属屋根材 | 約5~10 |
施工費用が比較的安い
スレート葺は、他の屋根材と比べて初期費用が比較的安いというメリットがあります。
特に、人工スレートは費用を抑えたい方にお勧めですが、耐用年数が短いため、長期的なコストを考えると、必ずしも安価とは限りません。
メンテナンスが容易
スレート葺は、メンテナンスが比較的容易です。
定期的な点検と塗装の塗り替えを行うことで、屋根の寿命を延ばすことができます。
また、部分的な補修も可能なので、大きな修繕費用がかかることは少ないです。
ただし、定期的なメンテナンスが必要になります。
スレート屋根の特徴と4種類の施工バリエーション
スレート葺のデメリット

スレート葺屋根はメリットも多い一方で、いくつかのデメリットも存在します。
屋根材選びの際には、これらのデメリットも十分に理解した上で判断することが重要です。
塗装の劣化
スレート屋根は定期的な塗装の塗り替えが必要です。
塗装が劣化すると、防水性が低下し、雨漏りの原因となるだけでなく、屋根材自体の劣化も加速させます。
一般的には7~10年程度で塗り替えが必要と言われています。
屋根の劣化状態によっては、さらに短いスパンでの塗り替えが必要になる場合もあります。
アスベスト含有の可能性
2006年以前に製造された一部のスレート材にはアスベストが含まれている可能性があります。
アスベストは健康に悪影響を及ぼすことが知られているため、葺き替えや解体工事の際には適切な処理が必要です。
アスベスト含有の有無を確認し、適切な業者に工事を依頼することが重要です。
アスベストに関する法規制や処理方法については、専門業者に相談することをお勧めします。
強風による飛散・破損のリスク
スレート材、特に軽量な人工スレートは、強風によって飛散・破損するリスクがあります。
台風や強風時には、屋根材が剥がれたり、割れたりする可能性があります。
固定方法の強化や、耐風性の高いスレート材の選択が重要です。
コケや藻の発生
スレート屋根は、コケや藻が発生しやすいというデメリットがあります。
特に、日当たりが悪く、湿気が多い場所では発生しやすくなります。
コケや藻は美観を損ねるだけでなく、屋根材の劣化を促進させる可能性もあります。
定期的な清掃や、防苔・防藻処理を行うことで、コケや藻の発生を抑制することができます。
凍害による破損のリスク
スレートは吸水性があるため、寒冷地では凍害のリスクがあります。
屋根材に吸収された水分が凍結・膨張することで、スレート材が割れたり、剥がれたりする可能性があります。
特に、セメント系のスレート材は凍害に弱いため、寒冷地での使用には注意が必要です。
凍害対策として、塗装による防水処理が有効です。
メンテナンス費用がかかる
スレート屋根は、定期的なメンテナンスが必要なため、メンテナンス費用がかかります。
塗装の塗り替え、破損箇所の補修、コケや藻の除去など、定期的なメンテナンスが必要です。
長期的なコストも考慮して屋根材を選ぶ必要があります。
| 項目 | 天然スレート | 人工スレート |
|---|---|---|
| 耐用年数 | 30年以上 | 10~20年 |
| 費用 | 高価 | 比較的安価 |
| 重量 | 重い | 軽い |
| メンテナンス | 比較的容易 | 定期的な塗装が必要 |
上記は一般的な情報であり、製品や環境によって異なる場合があります。
詳しくは専門業者にご相談ください。
▶ スレート屋根の補修・修理は可能か?8つの劣化症状から見極める
▶ スレート屋根の施工法は屋根症状・下地の劣化状況で決まる
スレート葺のメンテナンス方法

スレート葺の屋根を長持ちさせるためには、適切なメンテナンスが不可欠です。
定期的な点検や必要な補修を行うことで、屋根の寿命を延ばし、建物を風雨から守ることができます。
主なメンテナンス方法には、点検、塗装、補修などがあります。
定期的な点検
スレート屋根の状態を把握するために、定期的な点検を行いましょう。
理想的には、1年に1回の点検が推奨されます。
特に台風や大雪などの自然災害後は必ず点検を行い、被害の有無を確認することが重要です。
また、築10年を目安に専門業者による点検を依頼し、より詳細な診断を受けることをおすすめします。
点検の際には、以下の項目に注意して確認しましょう。
| 点検項目 | 確認内容 |
|---|---|
| スレートの割れ・欠け | スレートに割れや欠けがないか確認します。特に棟部分や谷部分は重点的にチェックしましょう。 |
| スレートのズレ・浮き | スレートがずれたり浮いたりしていないか確認します。強風などでズレが生じている可能性があります。 |
| 塗装の剥がれ・劣化 | 塗装が剥がれたり色褪せていないか確認します。塗装の劣化は防水性能の低下に繋がります。 |
| コケ・カビの発生 | コケやカビが発生していないか確認します。コケやカビはスレートの劣化を促進させる原因となります。 |
| 棟板金の浮き・錆 | 棟板金が浮いたり錆びていないか確認します。棟板金は屋根の重要な防水部分です。 |
| 雨漏りの有無 | 天井や壁に雨漏りの痕跡がないか確認します。雨漏りは屋根の劣化が進行しているサインです。 |
塗装の塗り替え
スレート屋根の塗装は、10年~15年を目安に塗り替えを行うことが推奨されます。
塗装はスレート材を紫外線や風雨から保護する役割を果たしており、定期的な塗り替えによって屋根の寿命を延ばすことができます。
塗り替えの際には、外壁塗装のタイミングと合わせることで、足場費用などを節約できる場合があります。
使用する塗料の種類も重要です。耐候性・耐久性に優れた塗料を選ぶことで、より長く効果を持続させることができます。
例えば、フッ素樹脂塗料やシリコン樹脂塗料などは、耐候性・耐久性に優れているため、スレート屋根の塗装に適しています。
詳しくは、専門業者に相談し、最適な塗料を選定してもらいましょう。
破損箇所の補修
スレートに割れや欠けなどの破損が生じた場合は、早急に補修工事を行いましょう。
軽微な破損であれば、部分的な補修で済む場合もありますが、破損の程度が大きい場合は、スレートの交換が必要となることもあります。
また、アスベスト含有のスレート材を使用している場合は、専門業者に依頼する必要があります。
業者選びの際には、アスベスト処理の資格を保有している業者を選ぶようにしましょう。
補修方法には、主に以下の3つの方法があります。
部分補修
破損箇所が少ない場合は、部分的に補修する方法がとられます。
シーリング材や接着剤を用いて破損箇所を塞ぎます。
スレート交換
破損の程度が大きい場合は、スレートを新しいものと交換します。
同種のスレート材が手に入らない場合は、似たような色や形状のスレート材で代用することもあります。
屋根葺き替え
広範囲にわたって破損している場合や、築年数が経過している場合は、屋根全体の葺き替え工事を行うこともあります。
スレート葺から他の屋根材に変更することも可能です。
スレート葺のリフォーム方法と費用相場

スレート葺の費用は、屋根材の種類、屋根の面積、工事内容などによって大きく変動します。
屋根の面積による費用の違い
屋根の面積が大きいほど、必要な屋根材の量や施工にかかる時間も増えるため、費用も高くなります。
屋根の形状が複雑な場合も、施工難易度が上がるため費用が高くなる傾向があります。
例えば、30坪の住宅の場合、屋根面積はおよそ100㎡ですが、㎡あたり7,000円とすると屋根材の費用だけで70万円程度かかります。
これに施工費用や足場代などが加算されます。
工事内容による費用の違い
スレート葺の工事には、葺き替え工事とカバー工法(重ね葺き)があります。
工事内容によって費用が大きく異なるため、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で最適な工法を選びましょう。
葺き替え工事

既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に葺き替える工事です。
既存の屋根材にアスベストが含まれている場合は、アスベスト処理費用が別途必要になります。
下地材の劣化が激しい場合も葺き替え工事が必要になります。
屋根葺き替えとは?工事内容・メリットとカバー工法との違い
カバー工法(重ね葺き)

既存の屋根材の上を防水シートで覆い、その上に新しい屋根材を葺く工法です。
既存の屋根材を撤去する必要がないため、工期が短く、費用も比較的安価です。
ただし、屋根の重量が増加するため、重ね葺き工事と同様に耐震性を考慮する必要があります。
屋根カバー工法とは?メリット・デメリット
各工法の費用相場は下記の通りです。
| 工法 | 費用相場(30坪程度) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 葺き替え工事 | 120万円~170万円 | 下地から補修できるため、耐久性が高い | 工期が長い、費用が高い |
| カバー工法 | 80万円~130万円 | 工期が短い、費用が比較的安い、廃材処理費用が不要 | 屋根の重量が増加する、既存屋根材の状態によっては施工できない |
上記はあくまで目安の費用であり、屋根の形状や状態、使用する屋根材、施工業者によって費用は変動します。
• 築20年以上のスレート屋根
• コケ
• ひび割れ
• 塗装の劣化
このような症状がある場合は、塗装で済むのか、カバー工法か、葺き替えかで費用が大きく変わります。 写真付きで分かりやすくご説明しておりますので、お気軽にご相談ください。
スレート葺の施工事例
ここでは、様々なスレート葺の施工事例を紹介します。
スレートからスレート葺き替え

スレートを同じスレートで葺き替えた事例です。施工例へ
スレートは費用を抑えた葺き替えが可能です。
瓦からスレート葺き替え

瓦屋根から軽量で施工性に優れた人工スレート葺き替えた事例です。施工例へ
重厚感のある瓦からスレート葺きに変えることで見た目もスッキリします。
スレートに葺き替える事で屋根重量は半分以下になるため地震対策としても有効です。
スレート葺きからガルバリウム鋼鈑屋根に葺き替え

スレートからガルバリウム鋼鈑に葺き替えた事例です。施工例へ
雨漏り原因は天窓廻りではないか?と業者に言われていたが原因は他にありました。
通気工法を採用してガルバリウムに葺き替えた事で問題が解消しました。
ガルバリウム屋根とは?種類・構造・メリットデメリット
部分的なスレート葺き替え

雨漏りや破損、経年劣化が見られる部分のみを葺き替えた事例です。施工例へ
既存の屋根材との色合わせを考慮することで、違和感のない仕上がりになっています。
部分的な葺き替えは、費用を抑えつつ、屋根の機能を回復させる効果的な方法です。
スレート葺きと太陽光発電システムの併用

スレート葺きの屋根に太陽光発電システムを設置した事例です。施工例へ
屋根の形状や方位を考慮し、最適な配置で太陽光パネルを設置することで効率的な発電を実現しています。
環境にも家計にも優しい、持続可能な住宅を実現することができます。
様々な色のスレート葺き

| 色 | イメージ | 特徴 |
|---|---|---|
| ブラック | 重厚感、高級感 | 落ち着いた雰囲気を演出 |
| ブラウン | 自然な風合い、温かみ | 和風・洋風どちらにも合わせやすい |
| グリーン | ナチュラル、爽やか | 周囲の緑と調和しやすい |
| グレー | スタイリッシュ、モダン | 都会的な印象を与える |
上記以外にも、様々な色のスレートが存在します。
住宅のデザインや好みに合わせて、最適な色を選ぶことができます。
これらの施工事例は、スレート葺きの多様性と可能性を示すほんの一例です。
屋根の形状、建物のデザイン、周辺環境など、様々な要素を考慮しながら、最適なスレート葺きを選ぶことが重要です。
専門業者に相談することで、より具体的なアドバイスを受けることができます。
・スレート屋根の施工法は屋根症状・下地の劣化状況で決まる
・スレート屋根葺き替え:耐用年数と葺き替え工事の流れを解説
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・屋根スレート寿命、寿命だと判断すべきポイントと見極める症状とは
このページでは、スレート葺について、種類、メリット・デメリット、費用相場、メンテナンス方法などを解説しました。
スレート葺は、安価で施工しやすい一方、耐用年数が短く、凍害や塗装劣化のリスクがあります。
また、古いスレートにはアスベストが含まれている可能性があるため、葺き替え時には適切な処理が必要です。
スレート葺は軽量でデザイン性が高く、施工費用も比較的安価である一方、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスとしては、定期的な点検、塗装の塗り替え、破損箇所の補修などが挙げられます。
費用相場は屋根材の種類、屋根の面積、工事内容によって異なります。
葺き替え、重ね葺き、カバー工法など、それぞれの工法の特徴を理解し、最適な方法を選択することが重要です。
最終的にどの屋根材を選ぶかは、予算、建物の構造、デザインの好みなどを総合的に考慮して決定しましょう。




