
鎌倉市のような海沿い地域では、屋根に塩害の影響が出ることがあります。
そのため「どの屋根材が一番強いのか?」と悩まれる方も多いですが、実際には屋根材だけで判断するのは危険です。
このページでは、実際の施工事例をもとに、塩害地域における屋根材選びの注意点と、失敗しないための考え方を解説します。
鎌倉市の海沿い住宅は塩害に注意が必要
海からの潮風には塩分が含まれており、屋根材や金属部分に影響を与えます。
特に以下のような症状が起こることがあります。
● 金属部分のサビや腐食
● 屋根材の劣化の進行
● 固定部材の劣化による不具合
見た目では分かりにくくても、内部で劣化が進行しているケースも少なくありません。
海沿いで屋根材選びを間違えるとどうなるか?
塩害を考えずに屋根材や施工方法を選んでしまうと、本来よりも早く劣化が進んでしまう可能性があります。
例えば、
● 想定より早くサビが発生する
● 屋根材の浮きや割れが起こる
● 雨漏りにつながる
といったリスクがあります。
そのため、単純に「強い屋根材」を選ぶのではなく、環境に合った選び方が重要になります。
実例|棟板金が錆びて屋根が剥がれていた

どうしようもないほど劣化していたカラーベスト屋根。
現地調査にお伺いした時には、他業者によって雨水が入り込まないようにブルシートが掛けてありました(なぜ、その業者さんに頼まなかったのでしょうか)
ブルーシートを剥がしてみると屋根は通常の棟包みではなく差し棟仕様というタイプ。
劣化状況としては
● 棟板金の錆び
● 棟を固定する釘、屋根を固定する釘の腐食による屋根材の破損・滑落・飛散
など塩害による影響と思われる被害が見られました。
ブルーシートでは風を伴った雨に対応出来ないため、棟廻りや雨が入り込む可能性がある部分に粘着タイプの防水シートを貼って養生しておきました。
実例|雨漏り修理されていた1階屋根

1階の屋根は、ひび割れ修理跡がありました。
右写真では、
● 屋根のひび割れ
● 軒先水切りの下部にコーキング修理
● 軒先水切りとカラーベスト本体の間にコーキング修理
雨漏りを止めるためのコーキングが厚く塗られていましたが雨漏りは止まっていませんでした。
この部分から雨水が入り込んだ影響で、雨樋を取り付けてある鼻隠し板と屋根裏面の軒天が腐っている所がありました。
実例|屋根の下地腐り
こちらの屋根は過去に修理していましたが、修理した影響で下地が腐り、さらに悪い状になっていたので修理での対応が出来ない状態になっていましたので屋根を葺き替えることになりました。
雨漏り修理しても下地が腐っていた

● 2階屋根の軒先部分の腐り
● 1階屋根のコーキングが塗られていた部分の下地状態。
1階屋根の腐った部分は、雨樋が付いていた鼻隠し板だけでなく屋根内部の骨組みまで傷んでいたので木材を補強しました。
下地補強工事

ベランダ下の屋根も軒先が腐っていたので傷んだ部分を張り替えました。
この部分を良く見て頂くと分かるかもしれませんが、下地の野地板と窓までの隙間が非常に狭く、工法が限られます。
雨戸が締められた状態ですが、本来は右側に見えるベニヤが張られた部分に戸袋があり、そこに格納します。
しかし、戸袋内部の鏡板が腐っていたので張り替えるために戸袋を取り外してあります。
2階屋根は構造用合板を増し張りして下地補強しました。
塩害に強い屋根材とは?スレートとガルバの注意点
スレート屋根の場合
スレート屋根は一般的に広く使われている屋根材ですが、塩害というよりも経年劣化による割れやひびのリスクがあります。
海沿いでは劣化の進行が早くなる可能性もあるため、定期的な点検やメンテナンスが重要です。
実例
こちらのお客様は、ガルバリウムとスレート屋根を候補として考えていました。
しかし、ガルバリウムは錆びる可能性があり、スレート屋根は錆びない。
錆びるかどうかで考えるとスレート屋根の方が良さそうに感じるかもしれませんが、実は・・・

これはスレート屋根の重なり部分で、上部の屋根材を剥がした写真です。
茶色く見える所は、雨水が入り込んでいた跡で、白○ 部分は屋根を固定するために打たれた釘。
入り込んだ雨水は釘の部分を通り超していることが分かりますが、これは雨水が釘穴から入り込んでいると言うことです。
釘を打つ位置は決められており、上方向にズラして固定してしまうと屋根が剥がれる原因になります。
ガルバリウム鋼板の場合
ガルバリウム鋼板は金属屋根の中では耐久性がありますが、塩害環境では施工方法や仕様によって耐久性が大きく変わります。
特に、
● 端部処理
● 固定方法
● 下地や防水処理
などが適切でない場合、サビの原因になることがあります。
SGL鋼板について
近年ではSGL鋼板など耐久性を高めた素材もありますが、材料だけで全てが解決するわけではありません。
施工内容によって性能が大きく左右される点は変わらないため、「材料+施工」の両方を考える必要があります。
実例|お客様が実際に選んだ屋根材
スレート屋根は錆びないが、雨漏りの可能性が高いため、塩害対策として選んでも雨漏りで悩まされたり、台風で剥がれる可能性もあります。
そこで選んだのは、ガルバリウム鋼板にマグネシウムを添加することで、さらに錆びにくくなっているSGL鋼板を使う事になりました。
屋根材メーカーの施工仕様を超える工事が約束されるのであれば最適な屋根材と言えます。
塩害地域では "屋根材より施工" が重要
鎌倉市のような環境では、屋根材の種類以上に「塩害の影響を受けにくい施工」が重要になります。
同じ屋根材でも、施工方法によって耐久性に大きな差が出るためです。
● 適切な防水処理
● 劣化しにくい部材選定
● 細部の納まり
こうした点が、長持ちする屋根かどうかを左右します。
実際の施工事例(鎌倉市)

お客様が心配されていた「海風で塩害がある地域」に対応するため、フッ素塗装されたガルバリウム鋼鈑屋根の横暖ルーフプレミアムへの葺き替えと雨樋取り替え。
塗装が剥がれて傷んでいた破風板も全てガルバリウム鋼鈑での板金包み工事を施しました。
2種類の棟包み

左と右写真は、同じ棟部ですが2階と1階では種類が違います。
なぜ、2種類の棟包みを使い分けたのか?理由を説明します。
● 2階は、通常の棟包みで施工。
横方向から雨水が入り込むのを防ぐため、ガルバリウム本体を桟木の手前で立上げ加工してありますが、これは屋根材メーカー標準施工法を超える工事になっています。
この後に棟包み下地を取り付けてから通常の棟包みを取り付け、固定するネジ穴からも雨水侵入を防ぐ二重構造にしています。
● 1階は、差し棟仕様。見た目がスッキリして、おしゃれな感じの棟包みです。
差し棟にした理由は、ベランダと屋根の隙間が狭く、通常の棟包みを取り付けるスペースが無かったからです。
屋根以外の外壁・外回り塩害対策
ジャロジー木枠取り換え

2階屋根に付いていたジャロジー小窓廻りの木枠も腐っていたり、無くなっている所がありましたので交換しました。
塩害による影響は木材の腐りも早めてしまいます。
その理由は、付着した塩分は水分を引き寄せる性質があり、その影響で木材を腐らせる菌やカビが増殖し易くなるからです。
窓廻りの木枠をガルバリウムでカバー工法

窓回りの木枠も塗装が剥がれ腐り始めていたので、ガルバリウム鋼鈑を木枠サイズに合わせて切断・加工して全てカバーしました。
霧除け庇をガルバリウムでカバー工法

霧除けの庇も錆びていたのでガルバリウム鋼板でカバー、玄関上を含め庇部分を全て工事しました
板金カバー取り換え

家の裏側へと続く入口の木枠上部に取り付けられた板金カバーも腐っていたのでガルバリウム鋼鈑に取り替え。外部にある玄関庇など窓上についていた庇も全てガルバリウム鋼鈑に変更しました。
今回は、お客様のご希望で塩害の影響を受けた屋根・外壁廻りを全てリニューアルしました。
● 工事内容:屋根葺き替え
● 使用屋根材:横暖ルーフプレミアムS
● 費用:372.6万円(外壁塗装別途) 屋根面積126.4㎡(バルコニー撤去・取り付け(デッキ材取り換え)、雨樋、雪止め、破風板板金、霧除け板金、窓廻り板金、玄関軒天張り替え・板金工事、足場代含む)
鎌倉市で屋根にお悩みの方へ
海沿いの屋根は、一般的な地域とは異なる考え方が必要です。
「どの屋根材が良いか分からない」
「今の屋根が大丈夫か不安」
といった場合は、現地の状況を確認した上で判断することが重要です。
当サイトでは鎌倉市を含むエリアで、屋根の点検・ご相談を承っております。
お気軽にご相談ください。
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屋根の塩害対策(横浜市中区) 「塩害500m以内でもと書かれていたのでガルテクトへの葺き替えを考えている」とご依頼頂いたの事例。 |



