茅葺屋根への金属屋根カバー工法before&after写真

茅葺きが傷んで雨漏りすると困る、トタンを被せたいとご相談

島根県安来市のお客様から「茅葺きが傷んで雨漏りすると困るので、トタンなどを被せて保護したい」 というお電話をいただきました。

茅葺き屋根は、定期的な手入れを行わないと茅が痩せ、雨水が内部へ浸透しやすくなります。
特に古民家では、屋根の傷みが進むと建物全体の寿命にも影響するため、早期の対策が必要です。
今回の建物は、茅葺き屋根の表面に苔が広がり、茅の腐食・沈み込み・凹みが複数箇所で確認されました。
このままでは雨漏りする可能性があるため、金属屋根カバー工法(メタルルーフ)+棟部の石州瓦施工という耐久性と美観を両立した工法をご提案しました。

茅葺き屋根カバー工法の要となる「下地作り」

苔・腐食が進んだ茅葺き屋根の現状

茅葺屋根に生えた苔
調査時の茅葺き屋根は、
• 表面全体に苔が繁殖
• 茅が腐食し、雨水が内部へ浸透
• 屋根形状が崩れ、凹みが多数
• 風雨で茅が抜け落ち、骨組みが露出し始めている
という状態でした。
茅葺き屋根は、表面の茅が均一であることが防水性能の前提となるため、 凹みや茅の欠落があると雨漏りが一気に進行します。

茅葺き屋根に新しい屋根を支える「クエ」を120本取り付ける工程

躯体から屋根表面へ木材(クエ)を突出させて固定

代々受け継がれてきた下地作りの技術
茅葺屋根カバー工法の下地作り
金属屋根を施工するためには、まず強固な下地(骨組み)が必要です。
茅葺き屋根は柔らかく不均一なため、そのままでは屋根材を固定できません。
そこで、茅葺き内部の躯体から屋根表面へクエ(木製の支持材)を120本突出させて取り付けました
このクエが骨組みを支える“土台”となり、屋根全体の強度を左右します。

茅葺き屋根の表面に下地を構築し、金属屋根を固定できる状態へ

茅葺屋根に金属屋根を重ね葺き工事中
クエを取り付けた後、屋根表面に木材を組み合わせて下地を形成します。
この工程では、
• 屋根の曲線に合わせて木材を一本ずつ調整
• 茅の沈み込みを考慮し、均一な高さを確保
• 金属屋根を固定できる強度を持たせる
といった高度な技術が求められます。
茅葺き屋根の構造を理解していない業者が施工すると、屋根の荷重バランスが崩れ、建物全体に負担がかかる危険があります。
そのため、茅葺き専門の職人による施工が必須です。

瓦型ガルバリウム鋼板「メタルルーフ」で重ね葺き施工

風格ある外観と高耐久性を両立する屋根材

茅葺屋根に被せたガルバリウム鋼鈑のメタルルーフ
今回のカバー工法で使用した屋根材は、瓦型ガルバリウム鋼板のメタルルーフです。
メタルルーフは、
軽量で建物への負担が少ない
高耐久・高防水性
瓦のような重厚感ある外観
錆びにくく長寿命
という特徴があり、茅葺き屋根との相性が非常に良い素材です。
お客様からも「風格があって見栄えが良い」と高い評価をいただきました。

棟部は石州瓦で再構築|鯱・鬼瓦も新調して美観を向上

棟部の骨組みを作り直し、石州瓦を施工

茅葺屋根の棟部に瓦屋根取り付け
茅葺き屋根の棟部には、雨水の侵入を防ぐため金属板が取り付けられていましたが、今回は棟部の骨組みを新しく作り直し、石州瓦を施工しました。
石州瓦は耐久性が高く、重厚感のある仕上がりになるため、古民家との相性が非常に良い屋根材です。

破風を新設し、鯱・鬼瓦で意匠性を高める

破風部分も新しく作り直し、瓦の頂部には 鯱(しゃちほこ)を取り付けました。
さらに、鬼瓦には七福神の恵比寿様の顔が付いた瓦を採用し、地域性と縁起の良さを兼ね備えた仕上がりになりました。
棟部と本体で屋根材を使い分けることで、耐久性・防水性・美観のすべてを高いレベルで実現しています。

茅葺き屋根の工事方法は2種類|状態によって施工が変わる

➊茅葺き屋根がそのままの状態の場合(今回のケース)

茅葺き屋根がそのままの状態の場合、一から下地を作る必要があるため、専門的な知識と技術が必須です。
今回の施工はこのケースに該当し、クエ120本・下地構築・メタルルーフ施工・石州瓦施工といった 大規模な工事となりました。

❷既にトタンなどを被せてある場合

既にトタン屋根を被せてある場合は、下地を直さず屋根材だけを取り替えることも可能です。
しかし、下地を直さず施工すると、数年後に再工事が必要になるケースが多く、 当サイトでは状態に応じて最適な方法をご提案しています。

施工後の仕上がりとお客様の声

茅葺屋根への金属屋根カバー工法完成写真
今回の施工は、広島県で茅葺に被せたトタンを銅板屋根へ葺き替えた経験を持つ 茅葺き専門の職人が担当しました。
屋根面積:237㎡
工事金額:299万円
施工後、お客様からは「見違えるほど綺麗になった」 「多くの人が立ち寄って褒めてくれた」 と大変喜んでいただけました。 茅葺き屋根の歴史を残しながら、現代的な防水性能と美観を両立した施工になりました。

茅葺き屋根改修工事
茅葺き屋根の改修工事例はコチラ

茅葺きに被せた屋根の葺き替えをお考えのお客様へ
こちらのお客様を担当頂いた業者さんは、中国・四国・近畿地区であれば施工可です。

この施工事例と同じようなお悩みでも、屋根の状態によって工事方法が異なります。
現地調査では写真をご覧いただきながら、お住まいに適した工事方法をご説明しています。

施工例一覧を見る(施工方法・屋根材別)

葺き替え・カバー工法・屋根材別に、当サイトの施工例を一覧でご紹介しています。
工事内容や屋根材から、気になる施工例を探すことができます。

葺き替え施工例 カバー工法施工例 屋根修理・棟板金の補修
葺き替え施工例
古い屋根を一新し、軽くて丈夫な金属屋根へ
カバー工法施工例
既存の屋根を残し、金属屋根でしっかり重ね張り
屋根修理施工例
気になる傷みを部分補修し、雨漏りを未然に防止
▶ 施工事例一覧はこちら

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