見積書からでは工事内容が分からないという問題
屋根の葺き替え工事をするなら、少しでも安く工事してくれる屋根業者を探したい。
誰もがきっとそう思うことでしょう。
きちんとした技術を安く提供してくれる業者に出会うことが出来れば、それに越したことはありませんが、もし安いなりの工事をされてしまったとしたらどうなるでしょう?
例えば、この工事
一見、何の問題もないカラーベスト(コロニアル)の工事に見えます。
綺麗に仕上がった屋根を見て、きっと満足されたことでしょうね。
ですが、拡大して良く見てみると。
なんと、カラーベスト専用の固定釘ではなく、ネジで脳天打ちされているのが分かります。
本来は屋根材を釘で固定し、その部分を次に上に被せる屋根材で隠すように工事するものなのですが。
脳天打ちした場合、例え雨水が浸入しないようコーキングを充填したとしても、いずれは必ず屋根材裏面に漏水してしまうものなのです。
このような工事をされてしまったら最悪、後の祭りです。
プロであれば直ぐに分かりますが、屋根についての知識が全くない人にとっては、その場で見ていても分からない手抜き工事もあります。
この屋根工事は材料を減らすために行われた実際の写真です。(右側の写真)
屋根を葺き替える際には、雨仕舞や見た目を良くするため屋根の左端と右端で屋根が対象になるよう施工し、下の屋根材と次に上にくる屋根材が互い違いになるよう施行する必要があります。
このように割り振りをきちんと行うには手間もかかり、材料にも無駄が出てしまうものですが、右の写真を見ると割り振りをすることなく極力材料を減らすための施工がされているのが分かります。
さらに、1階屋根と2階外壁の壁際、雨押えの工事で
このように、本来あるべき木材を入れないで雨押えを脳天打ちした工事。
下地として張る野地板や防水のためにひくルーフィングなどを薄い物に変える。
細かい材料一つ一つ(鋼板役物の厚み、コーキング、ネジ、釘など)のグレードを下げ、経費をできるだけ抑えるなどの工夫をされてしまう。
素人では分からない部分で手抜きをされてしまっては。
一時的に工事金額は低く抑えることができたとしても、次回の葺き替えが早まったり、 あとあと修理が必要になり、結局高いものになっては意味がありません。
きちんとした施工をしてくれるかどうかは、お客様へは勿論のこと自分自身に対しても誠実であるかどうか?が問題であり、業者自身が確固としたポリシーを持ち仕事に取り組んでいるかどうかに掛かっていると言えるのではないでしょうか。