屋根カバー工法のメリット・デメリット、工事によるデメリット

屋根カバー工法は、今ある屋根の上にガルバリウム鋼鈑屋根を載せる施工法なので、屋根重ね葺きor屋根被せ葺き(かぶせぶき)とも言われています。

カバー工法を勧められ、本当にカバー工法で良いのか?と疑問に感じるお客様も多いようですが。
このページでは、カバー工法のメリット・デメリットに加え、施工可能かどうかが決まる下地の痛み。
そして最も重要な「工事完了後の雨漏りトラブル」による再工事など、お金を無駄にしない屋根業者選びのポイントについて説明します。

屋根カバー工法とは?

カバー工法と葺き替え、工事方法の違い

屋根カバー工法とは?
カバー工法は、古い屋根の上に防水シート(ルーフィング)を張り、その上に新しい屋根材(ガルバリウム鋼板屋根)を重ね葺き(載せる・被せる)します。
古い屋根の撤去・廃棄と下地補強という2つの工程を省略した施工法です。

屋根葺き替えとは?
屋根葺き替えは、カバー工法と比べて2つの工程(古い屋根の撤去・下地補強)が多くなり全てを新しくする施工法です。

カバー工法、出来る場合と出来ない場合。

カバー工法 ⇒○出来ます。

下地(野地板)が傷んでいない場合のみ施工可能です。
1:カバー工法するには、事前に下地の腐朽状態や脆くなっていないか確認する必要があります。
これは屋根材を固定するネジや釘の引き抜き強度に影響し、台風や強風で屋根が剥がれ飛ぶ原因になるからです。
2:部分的な痛みの場合は、その部分を入れ替えてカバー工法できる場合もあります。

カバー工法 ⇒×出来ません。

下記項目に当てはまる場合は施工不可能です。
屋根カバー工法が出来ない理由1:勾配に適した屋根材が施工されていなかった場合。
(屋根勾配に適した屋根材でないと必ず雨漏りします)
2:カバー工法で施工された屋根への再カバー工法は出来ません。
3:瓦屋根にはカバー工法できません。

屋根カバー工法(屋根重ね葺き)のメリット・デメリット

メリット

1:工事費用が安い。
カバー工法は、今の屋根を剥がして撤去する費用や廃棄費用、下地(野地板)を補強するという工程を省いた施工法なので工事費用を安く抑えることができます。

2:工期が短い。
古い屋根材の撤去と廃棄、下地補強の必要がないので屋根を葺き替えるより工期が短縮でき短期間で施工できます。

デメリット

下地が傷んでいる屋根にカバー工法した結果1:下地が傷んでいると施工出来ない。
下地(野地板)が傷んでいる屋根には施工できません。(葺き替えが必要です)
下地が傷んだ屋根に施工すると台風で屋根が剥がれる原因になります。

2:屋根が重くなる。
古い屋根の上に新しい屋根を載せるので屋根が重くなります。
(今の屋根がコロニアル=スレート屋根の場合の重量は68kg/坪、16.5kg/坪のガルバリウム鋼鈑屋根でカバー工法すると総重量が84.5kgになります)(数値は屋根材本体の重量です)
地震対策として屋根を少しでも軽くしたいとお考えの場合に適した施工法ではありません。

3:勾配に合わない屋根材は雨漏り原因。
屋根勾配は非常に重要です。
屋根勾配を計る勾配計ガルバリウム鋼鈑の横葺きタイプでカバー工法するには基本的に2.5寸以上の勾配が必要ですが、この勾配以下の屋根にカバー工法すると必ず雨漏りします。
もともと勾配に合わない屋根材が施工されていた場合は、既に雨漏りしている可能性があるため下地の痛みをチェックする必要があります。

【勾配に適さないスレート屋根、下地が腐った実例】
屋根カバー工法をしてはダメな野地板の腐り
カバー工法で良いと言われたスレート屋根。
2.5寸に満たない緩勾配、屋根を剥がしてみたところ下地の野地板がボロボロに腐っていました。
下地の痛みは実際に屋根に上がって歩いてみないと見つけることが出来ません。

工事によるデメリットとは?

1:再工事費用が高額。
カバー工法は工事費用を安く抑える事ができますが、雨漏りなどの施工トラブルが発生して再工事が必要になった時の工事費用は高額になります。

再工事では、二重になった屋根の撤去及び廃棄・下地(野地板)の交換費用が加算されるため、通常の屋根葺き替えと比べ費用が高くなるというデメリットがあります。
(雨漏りで下地だけでなく骨組みまで腐った場合は、さらに高額になります)

屋根カバー工法は施工トラブルが起こり易い2:施工トラブルが起き易い。
カバー工法で使用するガルバリウム鋼鈑屋根の専門業者に工事を依頼しないと施工トラブルが起き易くなります。(再葺き替えの一番多い原因です)

屋根カバー工法の注意点。

屋根カバー工法は、下地(野地板)の痛みを的確に診断できる業者に依頼して下さい。

下地が腐っていないか?

下地の腐り。カバー工法できません
屋根カバー工法をする時に注意すべき下地の腐り。
↓
下地が傷んで(腐って)いると屋根材を固定するネジや釘が効かず、
強風で屋根が剥がれ飛んでしまいます。

「カバー工法で大丈夫!」って言われたけど下地が腐って無理だった。
屋根カバー工法で大丈夫と言われたけど下地板が腐ってた
外見からでは分かりづらいですが、当サイト担当は下地が傷んでいると判断し葺き替えを提案。
コロニアル本体を剥がしてみると完全に腐っていました。施工例へ
↓
業者に言わるままカバー工法していたら数年で再葺き替えになるところでした。
屋根点検時に下地の痛みを的確に診断できる業者は少なく注意が必要です。

下地が、老けていないか?

下地の老け。カバー工法できません
下地は腐っていなくても【老け】と言う現象も起こります。

屋根下地合板の構造と屋根下地合板の老け下地の合板は、1枚板ではなく5枚の薄い単板を繊維方向を互い違いに重ね合わせて接着し貼り合わせる構造になっています。
しかし湿気や熱気により接着力が落ちると単板同士が剥がれ合板強度が低下してしまう。
これがいわゆる老けと呼ばれる現象です。

しかし、この現象を判断出来ない業者。
または「老け」という現象を知らない業者も多く、そのまま施工されてしまうと屋根材を固定するネジが効かず剥がれてしまいます。

【下地が老けていた実例】
カバー工法できない下地の痛み
下地が老けて傷んでいるのに、カバー工法(重ね葺き)してしまうと下地は放湿性能がないため、さらに下地の傷みが進行してしまい屋根を固定していた釘やネジが徐々に抜けていくため強風で屋根が剥がれ飛んでしまいます

【ご注意ください】
屋根材メーカーの設計基準には、ガルバリウム鋼鈑での屋根カバー工法は屋根面の波打ち等がなく下地の状態が新築同等であることが前提と記載されています。

【必須確認事項】
1:目視による屋根の沈み込みや屋根面を歩いた時の沈み込みの確認。
2:小屋裏から下地の状態を目視確認して、ひずみや変形、沈み込み、雨漏り、腐朽、結露による不具合がある場合。

上記の症状が確認できる場合、屋根カバー工法は適していないと記載されています。
屋根カバー工法をお考えの場合は、工事後のトラブルを防止するためにも専門業者による事前チェックが非常に重要です。

カバー工法しか勧めない業者にご注意下さい。

1:「アスベストの処理費用が高いから」と言ってカバー工法しか勧めない業者がいます。
このような業者は「費用が安い方が依頼を受け易い」からとしか考えていません。

2:「アスベストを処理する資格を持っていない」または「技術が未熟で葺き替え工事が出来ないからカバー工法を勧めている」など、 下地が傷んでいるのを知っていてもカバー工法しか勧めない業者もいます。(再葺き替えになるケースが少なくありません)

3: 葺き替えと比べて工事工程が少ないぶん「専門職人でなくても工事できる!」と考える業者も少なくありません。
「屋根専門!」などと宣伝している例も多く見られますが、一般のお客様では見分けが付きません。(工事後にトラブルが続出しています)

屋根カバー工法で大丈夫と言われたけど、カバー工法OKだった割合は、40%以下でした

カバー工法のリスク

カバー工法(屋根重ね葺き)のリスク
カバー工法は、葺き替えと比べて2つの工程を省略した施工法です。
そのため最も重要なのは、新しく載せるガルバリウム屋根の工事内容です。

屋根カバー工法の失敗例、下地まで腐食カバー工法した後に起こる雨漏りは、ガルバリウム屋根の下に残った古い屋根と、その下にある下地(野地板)を通過して起こります。
雨漏りに気づいた時には下地がボロボロに腐っていることも少なくありません。→右写真参照

雨漏りリスクが高い!
カバー工法は、本体工事の割合がほぼ全てと言えるため、葺き替えと比べて雨漏りリスクの非常に高い工法とも言えます。

工事完了後に雨漏りトラブルが起こるかどうか?は、工事内容と施工技術に掛かっているため専門業者に依頼する必要があります。

屋根カバー工法で重要な3つのポイントは
1:下地の状態確認。
2:屋根勾配の確認。
3:ガルバリウム鋼鈑屋根の工事内容。

です。
カバー工法は、上記1・2のポイントを的確に診断、3の確かな工事内容で施工する専門業者対応の屋根無料見積.comへご依頼ください。

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ガルバリウム鋼鈑屋根の雨漏りトラブル事例へ

カバー工法の工事トラブルを防ぐ注意ポイント。

1:ガルバリウム鋼鈑を、きちんと施工できる業者か?

ガルバリウム鋼鈑で工事した屋根カバー工法は、主にガルバリウム鋼板(金属屋根)で施工されます。

ガルバリウム鋼板は錆びにくく長持ちする屋根材ですが、きちんと工事している業者は非常に少なく業界の1割程度、そのため工事後の雨漏りトラブルが増える原因になっています。

お客様からの相談例。
 1:「工事後すぐに雨漏りした!」
 2:「雨漏りを直すため工事を頼んだのに雨漏りが全く直らない」
 3:「すぐ錆びてしまい定期的に塗装しなければならない」
 4:「数年後に再葺き替えを勧められた!」
 5:「台風で屋根が剥がれたと言ったら、自然災害だから責任は無い!と言われた」
などと言う事例が多く発生しています。

ガルバリウム鋼板は、業者の技術レベルで屋根寿命に大きな差が出る屋根材です。
そのため専門業者に依頼する必要がありますが、それだけでなくメーカー工事規定に則した工事を行う業者に依頼しなければなりません。

2:屋根勾配に合った屋根材を勧めているか?

今の屋根勾配に適さない屋根材を施工してしまう業者も多いです。
これは、雨漏りトラブルによる再葺き替えの原因になっています。

雨漏りてしまうと、カバー工法のデメリットで説明した「二重になった屋根の葺き替え」が必要になるため想定外の費用が掛かり、かなり割高になります。
(屋根材メーカーで決められた適応勾配を守らないと必ず雨漏りします。)

3:下地の痛みを的確にチェックできる業者か?

屋根工事の事前調査は非常に重要です!

下地を剥がさず工事が出来る状態か? 出来ない状態か?
屋根ケラバ工事で雨漏りさせないためにはこれは、専門職人であれば分かるはずですが、きちんとチェック出来ない業者が多く存在します。

カバー工法は「葺き替えと比べて費用が安く済むから受注し易い!」という理由で、下地が傷んでいるにも関わらずカバー工法しか勧めない業者が多く存在するのも事実です。

その後、どんな状態になるか業者は分かっていながら責任の無い仕事をしてしまうのも「悪質業者」と言えますので、このような業者にはご注意下さい。

他業者は「屋根カバー工法で大丈夫!」、当サイトでは「カバー工法不可!」になった例。

カバー工法したら台風で屋根が剥がれた事例。

屋根カバー工法したお客様からの相談例。
カバー工法した屋根の台風被害
この写真は、スレート屋根(コロニアル)にシングル屋根でカバー工法した4例です。

【お客様からのお問合せ内容】(左上写真のお客様から)
2年前の台風でスレートが飛び(2度目)、風速50mに耐えると言われ屋根カバー工法で修理したのですが、今年の台風でカバー工法した部分の半分以上が飛ばされました。

最近、屋根業者に修理をお願いしまして、はじめの見積もりが191万円だったため、予算的に難しいという趣旨の事をお話したら、割引で150万円の見積もりを提示されました。
金額的にとても魅力的なのですが、果たして適切な工事をしていただけるのかとても心配で、ご相談のメールをさせていただきました。

お客様から送られてきた見積書の内容

【屋根カバー工法の再工事見積書】(割引前の見積り書。有効期間1ヶ月)

名称 数量 単価 金額
仮設足場(養生シート含む) 290㎡ 900 261,000
昇降階段 3基 10,000 30,000
既存屋根撤去 95㎡ 2,500 237,500
防水シート(粘着式)
【割引後の見積で削除されていた】
95㎡ 3,500 332,500
アスファルトシングル 95㎡ 6,900 655,500
19m 4,300 81,700
3.5m 5,000 17,500
換気棟 1 30,000 30,000
廃材処分費 1 45,000 45,000
諸経費 1 50,000 50,000
    合計 1,740,700円
    税込み合計 1,914,770円

【見積もり内容を見ての感想】
上の見積書には、防水シートの記載があるのですが、 値引後の見積書にはその記載がありませんでした、どうしてでしょうか?

【お客様から】
その事を業者に問い合わせたところ、 予算内でやるために今屋根にある既存の防水シートの上から新しい屋根を付けるとのことでした。
ビスや釘などの穴が大きいところは、その個所に新たに防水シートを貼るとのことでした。
雨漏りとかの心配はないのでしょうか?その工事が適切なのかも知りたいです。

ちなみに、台風で飛んでしまった元の屋根は糊がちゃんと貼られていないために飛んでしまったとの事だったので、今回思い切って屋根を変えることにしました。
でも、素人では工事の内容が全くわからないため、ご相談させていただきました。
正直、どうすればいいのか途方に暮れております。
適切なアドバイスをいただければ大変ありがたいです。

【屋根の再カバー工法について】
アスファルトシングルは通常の工事方法では記載頂いた強風に耐えることができないため強風対策を施す必要があります。
ですが、そもそも強風に強い屋根材ではないため、通常のガルバリウム鋼板屋根でカバー工法する事をお勧め致します。
今回飛んでしまった原因は野地板が傷んでいた可能性も考えらえますし、屋根材固定の方法に問題がなかったのかも含めてカバー工法で良いのか?葺き替えが必要なのか?を判断する必要があります。

ガルバリウム鋼鈑で屋根をカバー工法する場合は、今回のように再工事が必要にならないよう屋根材メーカーの施工規準を守って工事している専門業者に依頼するようにして下さい。
当サイトとしては適切な工事方法を直接訪問させて頂いた上で提案させて頂きたいのですが、現在非常に混んでいるため相当時間が掛かる状況になっております。

屋根材別カバー工法の工事例。

スレート屋根へのカバー工法例(使用屋根材:横暖ルーフ)

スレートにガルバリウム屋根カバー工法
他社との契約を白紙に戻し、確かな業者を探すため当サイトへ。 施工例

スレート屋根へのカバー工法例(使用屋根材:スーパーガルテクト)

スーパーガルテクト屋根カバー工法
「横暖ルーフ(ニチハ)orガルテクト(アイジー工業)希望」とのご依頼。施工例

トタン屋根へのカバー工法例(使用屋根材:カバールーフ)

トタン屋根にカバールーフ工事
他の見積サイト業者の方が30万円安いからそっちに頼むと一度断られたお客様からの依頼。カバールーフN-455での施工例

シングル屋根へのカバー工法例(使用屋根材:横暖ルーフ)

アスファルトシングルに横暖ルーフでカバー工法
普通の屋根業者では施工できないと言われた案件。施工例

スレート屋根へのカバー工法例(使用屋根材:アスファルトシングル)

スレート屋根にアスファルトシングルでカバー工法
二階屋根のケラバ部と破風板が一部損傷。オークリッジpro30スーパーを使用。施工例

茅葺き屋根へのカバー工法例(使用屋根材:メタルルーフ)

茅葺き屋根カバー工法
茅葺が傷んで雨漏りすると困る。瓦型ガルバリウム鋼板のメタルルーフを使用。施工例

工場スレート屋根へのカバー工法例(使用屋根材:折半屋根)

工場スレート屋根に折半屋根重ね葺き工事
工場屋根が雨漏りしているとご連絡、屋根は折半屋根のルーフデッキ、外壁は角波鉄板でカバー工法。施工例

工場折半屋根へのカバー工法例(使用屋根材:折半屋根)

折半屋根にカバー工法
工場屋根が雨漏りしてきたので修理方法や費用などを提案して欲しいとのご依頼でした。施工例

工場トタン屋根へのカバー工法例(使用屋根材:カバールーフ)

トタン屋根のカバー工法
工場屋根の一部が強風で落下したトタン屋根にカバールーフ立平66ロック。施工例

屋根無料見積.comの屋根カバー工法は、適切な業者選びが可能です。

屋根材ごとの専門業者が、
✔ 屋根カバー工法による施工が可能なのか、下地状態を的確にチェックします。
✔ 屋根勾配を確認して、適切な屋根材をご提案させて頂きます。

「どんな屋根にすれば良いか分からない?」
または
「どんな屋根にできるか分からない?」
というお客様は、
屋根無料見積.comのサイト管理人に電話で直接お問い合わせ頂くことも可能です。

➡ 屋根の状況やお客様の悩み・ご意向を元に中立の立場で適切な屋根材をアドバイスさせて頂きます。

また「張り替えたい屋根材が既に決まっているので見積を」というお客様へは
➡ その屋根材の専門業者(正しい工事方法を行っている業者)さんをご紹介。
「候補が二つあり悩んでいる」という場合は、どちらの屋根材も扱う業者をご紹介します。
(屋根材は業者により扱う種類が違い、不慣れな業者への依頼が施工トラブルの原因でもあるため)

屋根カバー工法・屋根重ね葺きで悩んだら屋根無料見積.comへ。
様々な屋根材を扱う業者が加盟しているため適切な業者選びが可能です。

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